3・回想1
こんにちはmuuma001です
主人公の過去話です
たしかあれはまだ10月のくせにクソ寒い秋のことだった…
俺のガキの頃にすんでいた村はどこにでもあるような過疎化が進んだ農村で
当時、俺を含めて10歳に満たない人間なんて5人くらいしかいなかった
村全体の人数も30人程度で非常に貧しい村だったのは確かだ
村には掟があった
決して村の西にある森に行ってはならない…と
もちろん俺はその事を知っていたし、西の森にはお化けが出るともっと小さな頃には脅されたもんだ
しかし、まあ、ガキの頃特有の好奇心と大人への反発心があってか
その西の森を探検しよう
ってな話しの流れになるのは半ば必然とも言えた事だ
その日はちょうどいつもはいるはずの西の森に通じる門を警備してるはずの大人がなぜかいなかったので
俺とよく遊んでいた2人の友達を連れて一緒に西の森に行ったんだ
森に入ってすぐに何かの遠吠えというか鳴き声というかよく分からない声が聞こえたが
3人ともそんな声に恐れるどころか興奮してどんどんと奥へと進んでいった
しばらく奥に進み続けたところでふと頭の上を何かが横切ったような気がした
慌てて上を見上げて見たが何もいなかった
なんだ気のせいか…
そう思って視線を上から戻した時にそれに気づいた
俺の横を歩いていた友達の腰から上が無くなっていた
最初は一瞬、何かを見間違えたのかと思った
その間にも友達だったものの腰の噛みちぎられたような跡のある切断面からは
ドクドクと目に悪そうな真っ赤な赤色の液体を噴水のように撒き散らせていた
その一見、非現実的だともいえる光景に俺が呆気にとられるいると
天を割るような叫び声が横から聞こえた
恐る恐るそちらの方向を向いてみると
もう一人の友達がどこかを見つめて後ずさりをしているところだった
何だ?
そう思ってその視線の先を追ってゆくとそこに化け物がいた
四足歩行の犬のような姿
ただ犬とは決定的に違うものがあった
大きさ
口の大きさだけで俺の身長を軽く超えているのだ
化け物がその大きな口をあける
化け物の口の中はその口の大きさに似あわず小さな歯がびっしりと並んだ気持ちの悪いものだった
その歯のひとつに見覚えのある服の切れ端が引っかかっていた
それが何なのかを理解した時、俺は全力で走り出していた
その化け物から逃れるように
100メートル、いや10メートルでも1メートルでもいいからこの場から逃げなくては行けない
死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイ
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どれくらい走っただろうか?
気づくと俺はどこか見知らぬ洞窟の中にいた
後ろを確認してみるが化け物の姿は無い
安心して辺りを見まわすと
先ほどはぐれた友達が倒れているのを見つけた
「…おい!大丈夫か!?」
呼びかけてみるが返事が無い
友達に近づきうつぶせになったその体をひっくり返した
「何なんだよこれは!?」
穴
そう、穴だ
友達ののお腹には穴が空いていた
おなかの中には何も入っておらずただその赤黒い肉の壁の内側をさらし続けている
そのあまりにも凄惨な光景にたまらず嘔吐する
そして顔をもう一度上げた時に目の前には化け物の顔があった
にやりとその大きな口を歪めて笑う化け物
そしてその口が大きく開き俺の頭に迫る
シニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイシニタクナイ
最後に見えたのは真っ赤な赤色だった
まほちかも近々あげます