『再会』
アインは鉄鋼兵団の候補達だけでなく、傭兵部隊も半ば無理矢理全員王国へ連れて行った。
「王都は栄えてますねー」
皆、王都の華やかさを見て驚いた。
「団長殿も王都は初めてですかい?」
「……いや」
マックスは複雑そうな表情をしたのをアインとミルは見逃さなかった。
アインは胸の内に秘めようと思っていたが、
「マックスさんって、ドワーフの里に行く前はどこにいたんです?」
と直球で聞いた。
アインは内心、ミルの空気の読まなさに呆れつつ、マックスの次の言葉を待った。
「さあな、忘れちまったよ」
「ふーん……」
ミルは納得できてない表情をした。
◇
「着いた。このまま訓練所に行くぞ」
ぞろぞろと連れ立って歩いていると
鉄甲冑を見た貴族達は、ヒソヒソと噂し始めた。
『あれが呪いの部隊か』
『なんておぞましい』
『早くやられてしまえばいい』
それを聞いた傭兵部隊の1人が何かを言おうとしたが、
「おい」
とマックスが止めた。
「鉄を身に付けるってのはこういうもんだ。慣れろ」
「へ、へい」
その言葉には重みがあった。
「これは、アイン部隊長!お疲れ様です!」
「おー、ハンス部隊長。調子どう?」
「……ハン、ス?」
顔を合わせただけでマックスは気づいた。
マックスは驚きのあまり思わずバイザーを上げてしまった。
「……兄、さん」
ハンスも同じだった。
ハンスの反応を見てすぐにバイザーを下ろした。
「あ、アドルフ兄さん?」
ハンスは覚えていた。7年しか一緒にいなかったのに……。15年の月日が経ち、お互い顔つきが変わっても一目で気づいた。
マックスは呪われた鉱物、鉄を着た異形の戦士に見えたはずだと思った。
それに比べ、ハンスは立場のある部隊長。
そして、ここは鉄の差別の多い王国。
ハンスの立場を考慮してマックスは、
「い、いえ、俺の名はマックスです。部隊長殿」
ハンスが立派な騎士になっていた事で、フラッシュバックされる。弟との記憶。
いつも兄さん兄さんと後を着いて回っていたハンス。
アインは2人の関係を汲み取りマックスを紹介した。
「このマックスは鉄鋼兵団長を務める予定だよ」
アインがそう伝えると、ハンスは
「ご活躍に期待します!鉄鋼兵団長殿!」
と王国の敬礼をした。
その目には涙が浮かんでいた。
「はっ!精進いたします!」
マックスも慣れない敬礼をする。
それはマックスも同じくバイザーの下で涙を浮かべていた。




