破綻(第三部第四章の夜のシーンR18版)
夜。
ソルは、優しさを持ち出さなくなった。
壊れ物を扱う触れ方ではない。
確かめる触れ方でもない。
今は――抑えつける触れ方だ。
逃がさないために。
逃げ道を消すために。
ルナは抵抗しない。
それは諦めではない。
耐えることが守ることだと知っているからだ。
ソルを怪物にしないために。
ここで拒絶すれば、ソルはもっと深い闇へ落ちる。
その確信が、沈黙させる。
黙るほど、鎖が太ると知りながら。
月明かりが静かに降りる。
ベッドの端に座る体。
隣から落ちる視線が重い。
心臓が早鐘を打つ。
呼吸が浅くなる。
「俺だけを見ろ」
低い声。
命令の声。
拒否を許さない響き。
肩を掴まれる。
強く引き寄せられる。
逃げようとする。
だが体が動かない。
震えている。
指が頬をなぞる。
そして掴む。
痛いほど強く。
目を閉じる。
唇が迫る。
落ちてくる。
暴力的なキス。
貪るキス。
耐えるしかない。
噛まれる。
唇に歯が食い込む。
痛みが走る。
腕が締まる。
逃げ場が消える。
夜着が剥ぎ取られる。
乱暴に。
露わになった肌。
そこに爪が立つ。
赤い痕が刻まれる。
「待って……」
漏れる声。
ソルは笑う。
「俺だけ感じろ」
首筋を舐められる。
甘い痛み。
息が乱れる。
欲望に飲まれる。
「もっと俺を欲しがれ」
狂った愛撫。
喘ぎを飲み込みながら受け入れるしかない。
舌が胸の先端を転がす。
次の瞬間。
噛みつかれる。
歯が食い込む。
声が漏れる。
体が硬直する。
涙がにじむ。
だが、離れない。
「お前は俺のものだ」
低く唸る声。
狂気が滲む。
唇が這う。
肩。
鎖骨。
腹。
噛む。
刻む。
血がにじむ。
舌が舐める。
痺れが残る。
「痛い……」
震える声。
だが体は熱を持つ。
首に歯が食い込む。
所有痕が増える。
痛みが変わる。
疼きへ。
腰が勝手に揺れる。
「ルナ」
太ももが割られる。
押しつけられる硬さ。
「もっと刻め」
命令。
体が従う。
抵抗が折れる。
熱に飲まれる。
腰を掴まれる。
逃げられない。
「まだだ」
低い声。
摘まれる。
捻られる。
声が漏れる。
体は熱い。
足が絡む。
耳を噛まれる。
「俺だけ感じろ」
痛みが甘くなる。
背に爪が食い込む。
動きが激しくなる。
下腹が疼く。
押しつけられる。
深く。
限界まで。
体が震える。
裂けるような感覚。
涙が溢れる。
だが快楽が飲み込む。
「壊れろ」
狂った声。
打ちつけられる。
尻を掴まれる。
逃げられない。
「俺だけ見てろ」
噛まれる。
刻まれる。
痛みが甘さになる。
体が迎え入れる。
腰が浮く。
足が絡む。
壁が崩れる。
「もっと深く刻んでやる」
突き上げられる。
奥まで。
深く。
「壊れます……」
声が震える。
背を掴まれる。
動けない。
「他の男の影など全部消してやる」
さらに深く。
限界を超える。
喘ぎが止まらない。
笑い声。
揺れる視界。
締まる内側。
抉られる奥。
「体が俺を求めてる」
嘲る声。
突き上げが加速する。
痛みが貫く。
逃げられない。
視界が白む。
だが痺れが包む。
「奥まで俺のものだ」
狂った声。
壁が崩れる。
熱が爆ぜる。
体が震える。
堕ちる。
深く。
だが、終わらない。
さらに沈む。
さらに深く。
「っ、休ませて……ください……」
願い。
だが、腰を固定される。
逃げられない。
熱いものが、結腸を限界を超えて突く。
痛みが体を貫く。
視界が白く揺れ、涙が溢れる。
下腹部が再び熱く痺れる。
連続する快楽の波が、痛みを溶かす。
「んっ…ソル、またっ……」
熱い波が爆発する。
二度目の絶頂に、体が震える。
崩れる。
体が溶け、痛みと快楽が心を支配する。
ソルの動きが止まる。
息だけが残る。
杭は奥に埋まったまま。
抱き寄せられる。
胸板に押しつけられる。
「ここにいろ」
唇を奪われる。
深く絡められる。
受け止めるしかない。
心の奥。
浮かぶ緑の瞳。
涙が落ちる。
抱かれたまま。
飲み込まれたまま。
夜の終わり。
ソルは必ず言う。
同じ言葉を。
だが今は、意味が違う。
「ここにいろ」
祈りではない。
拘束だ。




