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-MURDER RAVEN-  作者: リセット
《第一章》
5/6

第5話 重要任務

第5話 重要任務

「君たちに頼みたい任務がある」

 クローはそういうと、二人に書類を渡した。

書類の一番上には、「暗殺組織HAWK ホウオウ」と書いてある。

「書いてある通り、君たちにはHAWKの幹部であるホウオウの暗殺を頼みたい。」

「幹部...相当強いんですよね?なんで俺たちに...」

 まだ任務に慣れていない状態での、突然の重大任務だったので、驚きを隠せないまま言葉が口をついて出る。

「簡単だよ。キミの実力を知りたいだけだ。まだ実践に慣れていない今のうちにね。」

「そう、ですか...」

 分からない。なんで俺が...能力がないから?それとも、殺す気か?じゃないとこんな任務...

思考を巡らせ色々な考えを出すが、どれも納得がいかない。

 そんなことを思っていると、クローが言った。

「大丈夫さ。君たち二人なら、必ずこの任務を遂行できる。僕の勘は外れない。」


 しばらくしてゼロと吹雪は任務へ向かった。

正直、そこまで乗り気ではなかった。

しかしクローの言葉には何故か説得力があり、任務を果たせる気がした。

「ゼロ、随分気合入ってるね。」

「そりゃあな。ボスから直接頼まれた任務だし、何よりこんなところで負けたくない。」

 いつもの刀とは違った、少し青みがかった黒色の刀身で(つば)のない刀を腰に差して、任務にやってきた。

「この刀、結構好きなんだよ。だから、あんまり使いたくなかったんだけど、こういう時に使わなきゃ意味ないよな。」

「今、何本持ってるの?」

「今は十二本。見せてないやつが3本あるから、今度見せてやるよ。」

「興味無いので、結構です。」

 いつもの如く雑談をしながら歩いていると、任務の場所に到着する。

現在は使われていない、廃ビル。任務対象であるホウオウはここで、武器取引の待ち合わせをしているそう。

 フェンスを超え、静かに廃ビルの中に入って行く。

「吹雪、一人であっちの方行けるか?」

「分かった。ゼロも気を付けてね。」

「ああ。」

 ビルの中は広く、手分けをしてホウオウを探すことに。

HAWKの幹部ということもあってか、正面入口にはHAWKの暗殺者らしき人が数人で警備をしていた。

 つまり、ビルの中にもホウオウ以外の暗殺者がいる可能性があるということ。

「やっぱりな。」

 二階への階段の前に二人の人が立っている。恐らく暗殺者だろう。少なくとも戦闘に不慣れな人間では無いことは確かだ。

 あの位置じゃ奇襲はムズいな。こういう時、先生なら....


────────────────────

「颯斗、何度言ったらわかるんだ。」

「これでもダメなんですか?」

「ああ。そんなの小学生にだってできるよ。」

 黒髪の男は、笑いながらそう言った。

「いいか?本当の奇襲ってのは、戦いの始まりじゃない。戦いの終わりを意味するんだ。誰にも気付かれずに、敵を屠る。それこそ、暗殺者の極地だ。」

 そう言うと、男は拳銃を取り出し数メートル離れた人型の標的に弾を撃った。

弾は見事、標的の頭を貫いている。

「颯斗、お前は俺が今やった一連の動きを、他人の何倍も早いスピードでやらないといけない。」

「能力がないから?」

「そうだ。」

「・・・(れい)先生は、能力何なんですか?」

「教えないよ。同じ能力なしの人間だと思って欲しいからね。」

 まただ。また教えてくれなかった。本当にないっていう可能性もあるけど、きっと違う。

零先生は、どうして...

────────────────────


 奇襲は戦いの終わり...今の場合、時間をかけて狙う余裕がある。せめて一人...

しっかいと狙った後、引き金を引く。辺りには発砲音が響き渡り、それと同時に階段を守っている男の一人が地面に倒れる。

「特に恨みは無いけど、すまんな。」

「て、敵だ..」

 もう一人の男が叫ぼうとした瞬間、刀を男の首を目掛けて振り下ろす。

刀に付いた血を振り払い、鞘に収める。

 発砲音がよく響いたせいで、辺りの暗殺者達が走ってくる音が聞こえた。

「ゼロ!何やってんの!」

「吹雪。いや、こんな響くとは...」

「ほら、早く二階に逃げるよ!」


 二階は人影がなく、遮蔽物が多く戦いやすい場所になっていた。

「吹雪、ひとまずここで追って来てるやつを倒すぞ。」

「分かった。」

 身を隠して階段の方を見ていると、吹雪が小さい声で聞いてくる。

「ゼロ、こっからどうするの?」

 吹雪に考え付いた作戦を話す。その作戦を聞くやいなや、勝ちを確信したような顔をして、任せて!と言った。

 そして、階段から数人の暗殺者達が二階に上がって来た。

「じゃ、頼んだ。俺のこと撃つなよ。」

「安心して、援護は得意だからね。」

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