第三話:妹の敵の登場は突然に
いよいよ第三話になりました。最後まで楽しんでいってください。
感想を書いていただけるとありがたいです。
学校が終わった。
「あの子誰?」
「あー友達だよ」
「そう……」
うちに帰ると、妹はどこか寂しそうな顔をしていた。
「お兄ちゃんちょっとこっち来て」
「ん?なんだ?」
俺はリビングに連れていかれ、座らされた。
すると、いきなり抱きついてきた。
「おい、急にどうしたんだよ」
「お兄ちゃんは私のものなのに……」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもない!」
「ほら、そんなことより企画取らないとでしょお兄ちゃん」
今日は俺の初投稿日。俺は自分のチャンネルを開いた。
「よし、行くか」
「ねぇ、本当にやるの?」
「ああ、やっぱやるしかないよ」
俺は撮影を開始した。
「こんにちは、ジュージューカルビです」
「お兄ちゃん名前ださーい」
「じゃあ何がいいんだ?」
「ジュージューだけ」
「えっ、うん」
「はい、決定ね」
「え?ちょっまっ」
「きょうは、おにいちゃんがげーむじっきょうをしまーす」
「おい勝手に決めるなよ」
「じゃあいくよー」
【ゲーム実況】FPSゲームやっていきます part1
「はい、始まりましたー」
「この動画はですねー私がやっているゲームのプレイ動画になりまーす」
「お兄ちゃん大丈夫かなー」
そうつぶやきながら、妹が心配そうに見ている。
「それでは始めていきましょう」
FPSゲーム、それは銃を持って戦うというものだ。
このゲームには2つのモードがある。
1つ目はチームデスマッチ 2つ目はフラッグ戦 今回プレイするのはこのどちらかだ。
ちなみに俺はどちらもやったことがない。
まず俺は味方を探した。
「うーん……いないなー」
俺は敵を倒そうと前に出た。しかし、敵は気づいてなかったのか、すぐに撃ってきた。
「あっぶねー」
俺は何とか避けたが、敵に撃たれてしまった。
(クソッ……)
俺は焦っていた。このままだと負けると思ったからだ。だからと言って何もできなかった。
「はい、終わりー」
結果は俺の惨敗だった。
「はい、じゃあ次は私の番ね」
「えっ!?お前もやんの?」
「当たり前でしょ!はい、早く準備して」
俺は渋々準備をした。
「じゃあ、始めるぞー」
俺はカメラに向かって喋った。
「はい、スタート!」
「よろしくー」
妹は挨拶をして、ゲームを始めた。
「ふぅー、危ないなー」
妹は隠れていた場所から飛び出し、敵を撃った。
バンッ……
「よし、倒した」
「流石だね」
「まぁこれくらい余裕よ」
その後も、どんどん敵を倒していった。
そして、最後の一機になった時……
バァン……
「え?」
妹が死んでしまった。
「あれれ?おかしいなー」
「あははは……」
「じゃあ次行こうか」
その後、何度も2人で挑んだが勝てなかった。
結局俺達は負けたのだ。
俺は落ち込んだ。だって初めてにしては頑張っただろ?なのに……
「はい、終了ー」
「じゃあ、最後に感想でも言って終わりにするか」
「そうね」
「じゃあ、私からいくわね」
「ばいばいばいーん」
「おう」
「お兄ちゃんは...」
「さようなら、ジュー」
こうして俺の初投稿が終わった。
「あー疲れたー」
「おつかれー」
「お兄ちゃんどうだった?」
「楽しかったよ」
「本当?なら良かった」
「じゃあ私は部屋に戻るね」
「うん、ありがと」
俺は少し落ち込んでいた。
(やっぱり俺って才能ないのかな?)
そんなことを考えていると、 ピンポーン……
誰か来たみたいだ。
ガチャ……
「純くん!さっきの動画見たよ!」
はいはい、またあいつか。
「そうか...」
「えぇー、一緒にコラボしようと思ったのに」
「ごめんな、今日は1人になりたいんだ」
「そっかー、わかったよ」
「お邪魔しました」
そう言い残し彼女は去っていった。
すると、玄関の方で声が聞こえた。
「お兄ちゃんいるー?」
妹のようだ。
「なんだ?」
「お腹空いたー」
そういえば、まだご飯食べてないな。
「チャーハンでも作るか」
俺はキッチンに向かった。
トン……トット……
野菜を切る音だけが響く。
しばらくして……
「できたぞー」
「いただきまーす」
モグモグ……
「うん、美味しいよ」
「よかったー」
「お兄ちゃんはこれから何するの?」
「特に決まってないが」
「じゃあさ、ゲームしない?」
「いいけど、どんなやつをやるんだ?」
「えっとねー」
妹はRPGゲームを持ってきた。
「これとかどう?」
「おお、懐かしいな」
これは昔よくやっていたゲームだ。
「久しぶりにやってみるか」
俺はゲーム機の電源を入れた。
〜数時間後〜
「終わったー」
「もうこんな時間か」
時計を見ると午後11時を指していた。夢中になってるとつい時間を忘れてしまうものだ。
「眠くなってきたな」
「寝るの?」
「ああ、明日も学校だしな」
「そっかー……じゃあお休みなさい」
「おう、お休み」
(ゲーム面白かったな)
俺はそう思いながら眠りについた。
次の日……
俺は朝早く起きた。
そして、顔を洗い歯磨きをした。
「よし!やることはやったし、学校に行こうかな」
俺は制服を着て、家を出た。
自転車に乗り、俺は高校へ向かった。
キーンコーンカーンコーン
「はい、じゃあ朝のホームルームを始めるぞ」
「起立!礼!」
『お願いしまーす』
「よし、みんな座ってくれ」
「連絡事項だが、今日は転校生が来るぞ」
「先生、男子ですか女子ですか?」
クラスのムードメーカー的な奴が質問した。
「女の子だよ」
「やったぜ!」
「静かにしろー」
「では、入ってきてくれ」
ガラガラッ……
教室の扉が開いた。
その瞬間……
「かわいい!」
「綺麗だなー」
様々な声が飛び交った。
「自己紹介してくれ」
「はい、わかりました」
コホン……
彼女は一息ついてから話し始めた。
「はじめまして、白雪美麗です」
「趣味はゲームと読書です」
「よろしくお願いします」
パチ……パチ……
まばらな拍手が起こった。
「じゃあ席は……」
「あの、窓側の一番後ろの空いてるところでもいいでしょうか?」
「ああ、いいよ」
「ありがとうございます」
「じゃあそこに行ってくれ」
「はい」
彼女が歩き始めた時……
「あっ!」
俺は思わず声が出てしまった。
「ん?どうかしましたか?」
「あー、いえなんでもないですよ」
そう、彼女は昨日のゲームのキャラに似ていたのだ。
髪の色や長さなどはほとんど同じだった。唯一違うところと言えば目つきくらいだろうか。
今日はこの転校生のことで頭がいっぱいで授業の内容が、全く頭に入ってこなかった。
面白かったでしょうか?私は毎日、読んでくださる読者の皆様のことを第一に考えるようにしています。どうしたら面白いのか、試行錯誤する日々が続いています。まだまだ未熟な私ですが、完結まで読んでくださりますと光栄です。
誤字脱字等ありましたら、ご報告よろしくお願いします。
では最後まで読んでくださりありがとうございました。
次回以降もよろしくお願いします。