第一話:ピンチは訪れる、突然に
ついに本編スタートとなりました。最後まで楽しんでいってください。
感想を書いていただけるとありがたいです。
一週間たったある日配信が終わった妹の部屋に呼ばれたので行ってみた。
「お兄ちゃんシュキシュキー」
と言ってきた。かわいすぎるだろ!
「ところで、なんの配信をしていたんだ?」
すると彼女はパソコンを見せてきた。
「これ見てよ!」
画面に映っていたものは彼女のチャンネルの登録者数だったのだが……。
200万人!?まさかこんなに増えているなんて……。
「すごいじゃないか!頑張ってる証拠だな」
「まあね」
妹はドヤ顔だった。
「もっと褒めてほめてー」
頭を撫でてやったら嬉しそうな表情を浮かべていた。
「えへへ……」
思わずニヤけてしまった。
「やっぱりお兄ちゃんシュキー」
「ありがとな」
よしよししてあげたらもっとニコニコ笑顔になっていた。
「お兄ちゃん大好きっ♡」
「俺も好きだぞ」
「えへへ……」
今度こそ本当にデレてくれたようでよかった。
その後俺は自分の部屋に戻りベッドの上で寝ていた。
『ピンポーン』
しまった、もう日付が変わり朝になっていた
誰か来たみたいだが今は出たくない気分なので居留守を使おうと思う。
「どうもみんなおはにっこりん コリンだよ~ん」
妹の配信が始まったようだ。
ちなみに俺はこの声を聞くためにイヤホンをしている。
『おはにっこりんー』『可愛すぎっしょ』
コメント欄はいつも通り盛り上がっている様子だった。
『今日はね、お知らせがあるんだよ~』
なんだろうと思っていると……
『なんとお兄ちゃんがでてきまーす!』…………は?どういうことだ?俺、何も聞いていないぞ。
「ということでおにいちゃ~ん出てきてくださーい」……え?まじで出るのか……?俺は渋々玄関に向かった。そして扉を開けるとそこには―――
カメラを持った妹が立っていた。
「お邪魔します☆」
おい、待ってくれ……!心の準備がまだできていないのに……!
「ちょっと来てくれますか?」
強引に引っ張られて部屋の中まで連れていかれた。
「さあ、自己紹介をどうぞ」
「えっと……じゅんじゅんです……よろしくお願いします」
「えーつまんなーい。なんかもっと面白い挨拶ないのー?」
こいつ無茶ぶりしてきたよ。
「じゃあこれでいいですか?」
「おっはーよー」
「ダメダメ―ただ大声で叫んだだけじゃん」
「じゃあどうしろっていうんだ?」
「うーんそうだねー」
そう言って腕を組んで考え始めた。
「あ、思いついた!妹大好き―って言ってほしいかな☆」
お前正気か……?そんなことここでいうことじゃないだろ...内心そう思いながらも言ってみた。
「妹大好き」
「これでいい?」
「うん」
何だかコメント欄がすごいことになってる気がするが、俺には関係なかった。
妹が喜んでいるからそれでよかった。
あの電撃登場から一週間がたった今日俺は都内にある、事務所に呼び出されていた。
理由はもちろん妹の件だと思っていた。
「えー本日はわざわざ来ていただきありがとうございます。私はここ、ゴリラ投稿プロジェクト―ンの社長を務めてます、海老小町八十万五郎というものです。」
なんと目の前にいるのは社長さんだった。
「よろしくお願いします。ですが、なぜ僕は今日ここに呼び出されたんですか?」
「いやいや、あなたのおかげで我が社は救われたんですよ!ほんとうに感謝しています」
「あ、はい」
突然の話ですぐにはついていけなかった。
「え、でも、俺と妹の動画はそこまで再生されてないんじゃ……」
「それがですね、あなたの妹のチャンネル登録者数が500万人を超えたらしいんです」
はぁ!?あの動画まだ投稿して二週間しかたっていないんだぞ……!きっと何かの間違いだ、俺はそう思っていた。
「で、あのーお兄さんの方にもチャンネルを開設していただいてわが社に所属していただきたいと思いまして...」
なんだ、そういう話だったのか。それなら答えは決まっている……!
「すいませんがお断りさせていただきます」
「どうしてでしょう?お金の問題とかでしたら心配しなくても大丈夫ですよ?」
「いえ、なんか機材とかいろいろ大変そうだし、勉強もあるし...」
「ではせめてうちの社員にならないでしょうか?給料もそれなりに出しますよ」……
確かに悪くはないかもしれないな……。
「わかりました。やりましょう。」
こうして俺は新しい人生を歩むことになった。
「これからよろしくお願しまーす!」
「こちらこそ!」
こうして新たな人生の幕が開かれたのだ。
そういえば今日は、2月14日バレンタインデー。
それは、恋する乙女たちが勇気を出して意中の相手にチョコを渡すという、一大イベントである。
そして、その日に青春真っ盛りの男子高校生が期待しないわけがない。
しかも、今年は義理ではなく、本命が貰える可能性がある。
しかし、これはあくまで、俺が勝手に思ってることであり、他の人には何も関係ない。
だから、俺もいつも通りに登校したんだが……
「ねぇ、純くん」
「ん?どうした?」
「これあげる」
「おぉ!チョコレートか!ありがとなってお前かよ」
チョコレートをくれたのは神崎美桜だった。
「なにーいらないの」
彼女の顔はすごく怒っている顔だった。
「じゃ、あたしが持って帰って家で食べるし!」
「いやそうじゃなくて...」
「じゃあなに?」
「普通に嬉しいよ」
「ふーん、そっか」
彼女は少し照れていた。
かわいい。
「じゃあね」
「お、おう」
俺は彼女と別れた。
「おーい、じゅんじゅん」
「なんだどした?」
話しかけてきたのは、クラスメイトの田中悟史だった。
「いやー別に用事はないんだけどさー」
「なんだよ」
「お前さー今日何個貰った?」
「1つだけど」
「まじで?さすがじゅんじゅんだな」
「どういうことだよ?」
「いやーだって、この学校で一番女子から人気あるじゃん」
「いやそれはないって……」
こいつばかにしてんのか?
「ま、いいか、じゃあまた明日」
「あ、はいばいばーい」
面白かったでしょうか。私自身小説に興味を持ったのは並大抵の人よりかなり遅かったように思います。しかしある日書店で手に取った小説を気に入りいつか自分も書いてみたいと思うようになりました。まだまだ未熟な私ですが、完結まで読んでくださりますと光栄です。
誤字脱字等ありましたら、ご報告よろしくお願いします。
では最後まで読んでくださりありがとうございました。
次回以降もよろしくお願いします。
2日に一話ペースで投稿予定です。