プロローグ:なんでお前がここにいるんだよ!
初投稿となりました。最後まで楽しんでいってください。
有名ユチューバ―の妹を持つ兄の俺、野毛利潤はリビングで寝ころんでいた。
妹は部屋でゲーム実況をしている。
「暇だな~」
俺はいつも通りスマホをいじる。
『今、家?』
母親からLIMEが来た。
「そうだけど?」
『そういえば朝あんたが寝てるとき、お隣に引っ越してきた人が挨拶しに来たわよ』
「マジか!どんな人!?」
『背が高くて美人だったわ。なんかあんたのこと知ってるみたいだったけど』
え? もしかして……。
「そいつの名前は?」
『確か――』
その名前を聞いて俺は確信した。
「ちょっと会ってくる!」
『はいはい。ごゆっくり』
そして、家を出て隣の家のインターホンを押すと玄関の扉が開いた。
そこには…………予想通りの人物が立っていた。
「久しぶりね。潤くん」
「やっぱりお前だったのか……」
目の前にいる女の名は神崎美桜。
俺と同じ中学校に通っていた同級生でありクラスメイトであった。
彼女は中学時代、学校一の人気者で男女問わず憧れていた奴も多いと思う。
だが、そんな彼女には裏の顔があったのだ……! その正体とは――
「私、YouTuber始めました♪よろしくお願いします♡」
超がつくほどのド変態美少女なのだ!!
「なぜここにいるんだ?」
「実は動画撮影のためにこの辺に引っ越したのよ。だからこれから近所付き合いになるだろうから仲良くしてちょーだいねっ☆」
ウインクをする彼女を見て寒気がしてきたぞ……。
「それとさっきお母さんにも言ったんだけど私のことはミオって呼んでいいからね」
「あっそ」
てか、前からそうだし。
顔を真っ赤にして出て行った。
それからしばらくしてインターホンが鳴る。
「どうせまたあいつだろうな」
ドアを開けると案の定彼女がいた。
「おっじゃましま~す!!」
「帰れ」
「ひどい!せっかく久しぶりに会ったっていうのに」
こいつは中学3年のときに同じクラスになってからずっと絡んでくる。正直言ってウザい。
「何の用だよ」
「あのさぁ、私たち付き合ってないじゃん?それなのになんで苗字呼びなのかなって思って」
あぁそういうことか。確かに付き合っているわけじゃないもんな。ただの腐れ縁だし。
「ま、いいから帰れ」
「あんたのことが好きなのに...?」
顔が熱くなるのを感じた。おそらく今の俺の顔はトマトみたいに真っ赤に染まっているだろう。
「へえあんた照れてるのか。まあ、好きってのは冗談だから...」
やはりそうだったか...
「おにいちゃーん。終わったよー」
助かった。妹の配信が終わったようだ...
!ナイスタイミング!
「お疲れさん!」
そう言って彼女は家に帰っていった。
そしてふと妹を見ると怒った顔をしていた。
「どうしたんだ?」
「お兄ちゃん知らない女の人と話してたでしょ」
「だめか...?」
「当たり前でしょ!お兄ちゃんには私がいれば十分なんですぅ!」
そう言いながら抱き着いてくる妹。かわいいやつめ……。
こうして俺は新しい生活が始まった。
誤字脱字等ありましたら、ご報告よろしくお願いします。
では最後まで読んでくださりありがとうございました。
次回第一話もよろしくお願いします。