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クロエ遊撃隊復活

36話 クロエ遊撃隊復活


 魔女の家。


「始末しましたぞ。約束はいかに」

「おお、どうでした? 久びさに人を殺すのは」

「たわいもないことよ。たかが異国のか弱い男女」

「ほお、男の方も殺ったのか。女だけで良かったのに。コレは、ここの土地の所持証だ」


「ん、待て。コレはなんだ」

「あなたの家の土地はこれであなたのものです。ほら契約書通り。この土地はあなたに返った」

「違うわ。こんなちっぽけな土地ではない。わしが契約したのは我がババ・ヤガーの大いなる森」

「それは、あなたのこの家では、ココは、ある人間の所有地ですよ。いや、今はあなたの土地。契約書には仕事を成し遂げればあなたの家の土地を与えると。何も間違ってない」

「おまえ、騙したな!」

「ちゃんと契約書通り……。だが、おかしいのはあなたの方ですよ。殺ったはずの二人の魂を私は、いただいていません」


「ね、悪魔と契約なんてこんなものだ婆さん!」


「コレは、逃げ上手の皆さん。わざわざロシアまでおこしいただきご苦労さまです」

 

 鹿嶋世泉の言ったコトをロバートがていねいに魔女に訳して伝えた。


「あなたのとこも人手不足とみえる。古の魔女までひっぱり出すとは」 


「私は日本という国をあなどっていたようだ。次は本気でいきますよ。ワハハハハ」


 逃げ上手はあんたも一緒だ。


 多分、季美沢ひよりは、もう大丈夫だろう。

 北海道に帰った、あたしたちはバーベキューの続きをして、マンションに帰った。


 一週間後もなんともなかった季美沢ひよりが、ウチに来て礼金と封筒をおいていった。


 丁度アジフが退院し、お祝いに。季美沢の手土産の肉で中庭でジンギスカン・パーティーをした。


「今度はあっちからしかけて来ると思ったが、来ないね。クロエ」


「あの部屋、どうにかすれば、あいつ出ていくのかなぁ。今は空き室なんですよね。あの部屋がなくなれば、もう呪いはないんじゃ。鹿嶋さんが言ったように人手不足であの部屋に誰も来ないじゃないですか」

「だよねマナ。ロバートみたいな下僕が来なければ死ぬコトも不幸になるコトもない。あそこ、家賃とかどうなってんだろ?」

「クロエ、下僕はやめて下さい。来たのはアメリカやオーストラリアだけですから、まだ他の支部からも」

「でも、ロシアからは、支部長でなく魔女が。各支部の下僕では、駄目だとわかったからよ。日本には、あたしたちがいるから」

「いや、まだわかりません。やはり油断はいけませんクロエ」


 そうそう、先生は。


「エクソシストをやってたと聞いたんですけど」

「ああ、低級な悪魔相手に。それは昔の話です。誰から」

「ママ」


 刺された一ヶ月後。久能太郎が退院した。コレで誰が呼んだのか「クロエ遊撃隊」が復活。


 皆がママーネ婆さんの部屋に。


「クロエが調べたら、あの部屋はちゃんと部屋代が支払われているそうで、名義がまえのヘレナ・ボルグレンからローグ・ネルに変わっているそうです。ちなみに、ヘレナ・ボルグレンとは、はじめに居たボクの姉弟子です。オーストラリアからボクが呼ばれ、その後は誰も来てません」

「では、あの部屋は今はローグ・ネルのアジトみたいなものか」


「ヤンケンシュタイン先生。あそこはすでに人の住む所ではなくなってます。おそらくゲートの一つのようなものだと」


 薬丸岳も大分あの部屋に興味があるようで、ここ何日か調べていた。


「あそこは、魔法で作られた異空間でもあるとフランシーヌが言う」

「あの部屋に悪魔の巣アル。来ないならこっちから行くべし!」


 病院送りにされたアジフが積極的に出ると。復讐の相手がもう居ないので矛先はその上に。

 奥さんが言うには意外と根に持つタイプだと。


「普通に見ても異様なこのマンション。あの部屋から出る邪気がもっと異様さを増させている。ちょっと霊感がある人なら、それに気づきココには近づかないですよ。以前は、あれ程ではなかった」


「クロちゃん、なんだか面白い会議ですね。わたし、こういうの好きです」

「マナ、あんたもなんか言ってみたら」


「ここのマンションのスゴい人たちが集まって団結し、マンションの驚異をみんなで解決できるなんて、夢にも思いませんでした。あと、少しみんなで頑張りましょう」


 なんか中学生のホームルーム活動みたいに。


  パチパチパチ


 この拍手は当然ロリコンのロバート。


  パチパチパチ 


 ヤンケンシュタイン先生も。


 パチパチパチ


 まだ、誰か。


 拍手の主は部屋の奥のローグ・ネル。


 って。


               つづく

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