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美女は奇人

26話 美女は奇人


 鹿嶋世泉(かしまよみ)。なんでこの階に?


「鹿嶋さんおはよー。こちらは…」

「言わなくてもわかります。かなりの能力者。新しい仲間ですか?」


 わっ、ヤッパこの人にはウソはつけないや。

 かたや金髪の欧米美人ESP、こっちは年齢不詳のシビト和美人のご対面になってしまった。

 さて、どうしよう。


「あなたは私の国では見ないタイプの奇人ですね」

「奇人。人と見てくれて、ありがとう。そこの部屋。あなたにはどう見えます?」

「今は留守のようで悪い気が残る悪部屋とでも、言いますか」

「確かに、今はただの空き部屋。中に入りますか?」

「ソレは、勝手には出来ない。家主の許可がなければ不法侵入」

「そうね。留守なら引き上げましょう」


 なんだろう? あたしになんの能力もないけど、二人の間でなにかバチバチやってるような。


「おや、なんですこんな所で?」


 ロバートまでなんで、ここへ。


「あ、はじめてですね。日本語出来ます?」

「あら、あなたは何処の人。日本語上手ね」

「あ、どうも。日本大好きで、こっちに来る前から勉強してましたから。オーストラリア出身です」


 ええ、ロバートはオーストラリアの人だったの。あたしてっきりアメリカ人かと。


 アメリカ人のアンが知らないわけだ。アメリカ人だったらロバートもアンに存在を知られていたはず。今は無害だけど、まえは悪魔の下僕。


「クロエ、カレは?」

「ここ部屋に居た魔女の弟で、今はなにも力が」

「なるほど力を感じないわけだ。あの男がな……」


 ロバートが、近くまで来てアンと握手をした。


「あの何処かでお会いしました?」

「いえ、はじめて。よく俳優の誰かと間違われますけど。何処にでも居る顔なんでしょうか?」

「いや、あなたほどの美人はそういませんよ。映画界は美人が多いですからどこか似るんでしょう。美しさには基準がありますから。クロエ、この人も」


 ああ、だめだなマナくらいなものかウソ言えるの。こんな所に居たら、そう思うだろう。ごまかせないな。


「まあね。でも、スポンサーが同じ様で違うから」

「スポンサー?」


 アンはパパの依頼で、鹿嶋さんたちはあたしがスポンサーだ。だけどお金の出どころは同じなんだけどね。

 あ、朋たちの事まだパパに言ってない。アジフの前金はあたしの貯金から出したけど。みんなの分はヤッパきつい。

 パパ、アンをいくらで頼んだのかなぁ?


「あ、みんなこんなトコで立ち話もなんだから、外でお茶でも飲みながら」

「いや、私はこれから仕事が」


 鹿嶋世泉は、階段から降りていった。


「ボクも薬丸岳くんの手伝いが」


 って、またアンと二人に。ロバートは何しにココへ?


「あの男、私もかと言ったわね」

「ええ、パパとは別にあたしなりに仲間を集めて」

「で、どうなの? アレに勝てるの」

「一勝一敗ってとこかな……」


 日曜は逃げたんだから引き分けにしといた方がいいかな。


「ホントは一敗一引き分け……かな」

「手強いのね……相手は。勝たなければ意味ないわよクロエ」


 確かにでも。


「他のメンバーは?」

「南海の呪術師」

「なんかい?」

「南洋の島で悪魔と戦っていた人よ」

「その人は何処に?」

「このマンションに。多分今日仕事に」

「日本で悪魔祓いでも?」

「いえ、違うわアジフは鉄工所で働いているわ」

「そうなの……」

「ウチでコーヒーでも、インスタントだけど」


 7階へ戻ると。


「おお、クロエ。いいとこで会った。マナは学校だよね」

「ええ、あたしはちょっとお客がいて」

「おや、これははじめまして。隣の隣のヤンケンシュタインです。よろしく」


「いいとこでって、あたしになにか? 先生」 

「マナちゃんに、なにも聞いてないかな? 絵本をマナが。クロエも見たいはずと言ってたから」

「絵本? ナニかしら」


 ヤンケンシュタインは手にした絵本をあたしに差し出した。

 なんだろう絵本を見たいなんて、あたしマナに言ったかな?

 絵本を見ると、なんか見たことある絵。


「あ、コレはマスターが描いた」

「そうです。フランシーヌの冒険です。コレ、クロエに渡しときます。あとでマナに。では、失礼」


 ヤンケンシュタインは部屋に帰らずエレベーターの方に。


「クロエは人気者だな」

「いえ、先生はマナに。あたしは一年しかココにいないので、ココの住人はあまり」


 まあ、今度のコトでだいぶ知り合いが増えた。悪魔が居なければ、知り合わない連中だろう。


「クロエは絵本が好きなのか?」

「あ、とくには。知り合いが描いたものなので見たいなと」


 部屋でコーヒーを飲んでたらパパから連絡があって空き部屋をとったから見に行ってくれと。

 パパは帰った。忙しい人だから。


 アン・エヴァンジルはしばらく一人でマンションを見たいと言うのであたしは午後から大学に行った。


 例の絵本を入れるのに大きめのバッグで出た。あれ、なんでヤンケンシュタインがこの本を? まあいいや、あとでマナに聞いてみよう。

 巫女音朋は来ているのかしら。


 午後のゼミに出た後カフェで絵本を開いた。

 やっぱりタイトルの文字は読めなかった。

 たしかヤンケンシュタインは「フランシーヌの冒険」と言っていた。

 あの海に捨てられて、海の男に改造された人形の冒険物ってどうなんだ。

 表紙の絵は海辺に立ってる少女の後ろ姿。

 あたしはこの前の話しをちゃんと見てないので、はじめの人形の姿を知らない。多分この絵本の人形は改造された人形だよね。魔法使いとか、出てきて命をくれるのかしら?

 人形は、はじめから一人で行動している。

 前の本で命をもらったのかしら。

 人形は、なんだか偉そうな爺さんに出会ってる。やはり、絵本のページには文字がないので絵の行動で判断するしかない。マスターが居れば聞けるのに。


「あら、クロエ来てたの」

「なに、その本?」

「モリーと聖子が現れた」

「ちゃんと朝から学校に来なさいよ」

「あんたに言われたくないわ」

「クロエ。それ、もしかして『フランシーヌの冒険』」

「え、聖子知ってるの!」

 

                つづく

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