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外の海

11話 外の海


「ハーピーだ!」


 ハーピーと呼ばれた鳥は人のような、鳥にしては細い体に鷹のようなするどい足爪。

 何より不気味なのは首から上が人の顔だ。笑いながら襲ってくる。

 しかし、こいつらもクラーケンの吸盤付きの足でつかみ取られ、たたき落とされ。ソレを逃れたヤツらがロバートに。


「奴ラハ普段襲ウナドシナイト連中ナノダガ……オマエ達ハ、イッタイ何ヲシタノダ?」


「話しをしに行っただけ」

「相手ハ?」

「悪魔らしい」

「悪魔カ……。面倒ダナ」


 それから、途中シャチや飛び魚といった連中にまで襲われた。


 二、三日の予定が1週間。


 あたしやマナは陽焼けで黒く。ロバートは白い肌が赤く痛そうだ。

 巫女音朋は、ぜんぜん変わらない。


「雨だ!」


 水たまりの水も底をついたところだ。良かった。

 しかし、雨がだんだん強くなり、風も。時々聞こえてたカミナリも。

 ハッキリ言ってア・ラ・シ!


 あたしたちはサンゴと貝の壁にかたまり身を潜め嵐が去るのを待った。


「クロちゃん! あれは?」


 進行方向に場が変わったような晴れた空が。

巨大きな空間のウズが見えた。


 その中にクラーケンが入ると別の世界のようなゆるやかな海と青空。


「ココハ外ノ海。バミューダトカ人間ガ呼ブ所ダ」


「あの有名なバミューダトライアングルの?」


 と、ロバートが。

 なにが有名なのかあたしは知らない。

 マナは知ってるのか驚いた顔を。


「外ハ我ハ目立ツノデ、メンドーダ。送ルノハ、ココマデダ」


 って、こんな海の真ん中で降ろされても。

 あたしの思いが通じたのか。


「我ノ背ニ、アミガアッタダロ」

「ナニかに使えると思い拾ってある大きな網だね」


 ロバートが太いロープで作ったような網を見せた。

 漁の網とは違うようだ。


「ソレヲ拡ゲテ、乗れ」


 ナニ? 空飛ぶ網。

 拡げたらけっこう大きい。コレならみんな乗れる。


 ウボォーオオオオ


 なんだか、クラーケンが汽笛のような音を出した。すると大きな白い海鳥が四羽、飛んできた。


「アルバトロスかぁずいぶん大きいなぁ」


 ロバートの知っている鳥らしい。

 鳥たちは網のはしを掴み飛び上がった。


「うぁああスゴい! 空飛ぶアミだ、クロちゃん。下には、クラーケンの背が見える。こんなんだったんだ。ありがとークラーケンさ〜ん!」


 巨大な三角の島のような形をしていたのかクラーケン。 


「またね」


 と、つぶやく巫女音朋の声を聞いた。


 スマホなんて、とっくにキレてた。見るのはやめた。

 さて、今は何日の何時何分なのか? 


 鳥たちは、さすがに日本まで飛んでくれず、ある小さな島に降りた。


「あっ行っちゃたよ」

「ありがとー鳥さーん!」


 と、マナが飛んでく鳥に手を振る。


「ね、こんな小さな無人島に降ろされて、ふりだしに戻った気がするんだけど」

「クロエ、ノオ。前向きに考えましょう。ここは異世界ではありませ〜ん」


 ナニ、ロバート。急に外人みたいな話し方して。

 まあ外人だけど。


「ここなら使える」


 と、朋はリュックからパレットと絵の具それにクラーケンを呼んだ時の布を出し砂浜に拡げた。

 その布持ってきてたのね。

 布になにかちょろとつけくわえ立ち、布に向かって。


「ゲートを持ちしモノよ我のトコにいでよ! クニ・トープス!」


 すると布の真ん中が盛り上がった。

 朋が布を取ると大きなイソギンチャクが口を開けていた。

 なんかキモい。


「ココを通る」


 えつ! マジ。

 朋が、頭からイソギンチャクの口に飛び込んだ。


「では、レディファースト、マナちゃん」


 マナ、やめたほうが。

 マナはさすがに足から入った。

 次にロバートがイソギンチャクに足を乗せた。


「レディファーストじゃないのぉロバート」

「おお、ソーリー。クロエどうぞ」


 あたしは思い切ってイソギンチャクの中に頭から飛び込んだ。

 はじめのヌルッとした感じがキモかったが、その後生臭い磯の香りの中をスルスルと先に進み明るい場所へと出た。


「ココは!」


               つづく

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