マンションの秘密
第1話 マンションの秘密
あたし、緑川クロエ・フォクスは、自宅から大学へ通うのが遠くて不便なので、大学の近くのマンションを借りるコトにした。
大学の最寄りの駅の隣にある駅の近くにパバがまるごと買ったマンションがあった。
名前はパラディースス、ラテン語で楽園のコトらしい。
パパが近くを訪れた時に、奇妙な建物があったので何かと来てみればマンション。
たまたま経営者がまるまる売りに出していたので、パパが買ったんだ。
パパは日本で軽食レストランのチェーン店で成功してから日本に帰化したアメリカ人。ママは日本人だよ。
パパが見惚れて買ったマンションは、設計が謎の人物だと言うが、あのガウディとかに影響された人だと、ひと目見ればわかる奇妙な建物。
屋上の一階下に悪魔みたいなのが二体座ってる。もちろん作り物。
七回建てで、階により部屋数が違う。
入居する前に下見に来た時は、ちょっと驚いたが、部屋の中は普通で、築十年だが、しっかりした建築上問題のないまともな建物だ。
が、入居してからあたしはこのマンションの奇妙な話しを知ることになる。
一人娘のあたしが家から離れ一人暮らしをするにあたって、心配したパパは同じマンション内に監視役を入れた。すぐにソレはわかったのだけど。彼が色々マンションの事を調べたのだ。あたしが、大学に入学するまで暇だったらしい。
調査報告を聞いた父は驚いた。
あたしもだよ。
なんと、このマンションから転居した90%の人や家族が死んでいたのだ。
残りは10%は、大事故で不具者になったり、不治の病になったり、会社か倒産しホームレス生活の不幸な生活だという。
大雑把に言えば、このマンションから引っ越すと死ぬ。と、いうことだ。
あたしは、大学卒業しても家に帰れないのか。死なない場合は、パパの会社が倒産してしまうのか。
この辺に住んでる人には悪いが、こんなヘンピな田舎で一生暮らさないといけないのか。東京都心まで電車で3時間以上かかる。空港なんかないから、飛行機には乗れない。自家用ヘリでも買うしかないのか。
パパは原因を調べなんとかしようと色々努力した、世界中から霊能者と呼ばれたスゴい人も雇ったがいまだ誰一人原因すらわかった人はない。
中にはおびえてマンション前で帰った人もいた。
入学し、あたしは留年も考えた。大学生をやっている間になんとかしないと。せめて原因だけでも、つきとめたかった。
早一年、勉強なんか頭に入るわけない。気を紛らわせようと遊んでばかり、コレは留年してもおかしくない学生生活になってた。
大学内カフェ「ダ・ビンチ」
午後はほとんど友だちとお茶飲んで話てた。
このカフェは、パパが大学に造らせた。
べつにあたしはたのんでない。
パパはあたしにせめてガッコー生活を和ませたく思ったらしい。ここまでしなくてもとは思ったが。
学生たちには意外に好評のようだ。
オープンしたばかりで綺麗でオシャレな空間。もちろんココがあたしのパパが造ったて、学生たちは誰も知らない。
「ホント、ココのコーヒーは美味しいよね」
彼女は森カスミ。仲良し三人の中で一番の恋愛マニア。今も五人の彼氏がいる。通称モリー
「私はココのケーキが好き!」
彼女は家藤ヒカリ。アナウンサー志望。まあ見た目は良いが、それならこんな田舎のガッコーより都内か横浜あたりの。いけたらここには居ないか。
だいたいこの三人でお茶してる。
「ねえ、クロエ知ってる?」
「モリー。いきなり、言われてもわかんない?」
「ぬいぐるみ黒ちゃんのコト?」
「ナニそれ?」
「クロエ、ソレ私も知ってる」
「今年入った子なんだけどぉ」
つづく