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タイトルだけでわかるよな?


 第一章 銀髪ハーフエルフってのは美少女と相場が決まっているよな!!



 人生にはモテ期が三回は訪れるという。よくいわれている言葉だが、俺はそんなの嘘っぱちだと思っていた。俺は今までモテた試しがない。村で昔から好きだった幼馴染は、出稼ぎに行った城下町先の若い男に恋をした。今まで一緒に旅をしていた女魔法使いも、先月には違う勇者のパーティーに入っちまった。

 だから決してモテ期などというものは断じて信じない。

 そう思っていたはずだったのに、、、、、

「ねえ、なにボーっとしているの?」

 自分の世界から、不意に聞こえた澄んだ声によって俺は現実世界に引き寄せられる。目の前で不思議そうに顔を傾げる彼女に、俺は思わず目をそらす。

「あー、いや、何でもないよ。ちょっと疲れただけ」

 俺は照れ隠しに誤魔化す。

「ふーん、そうなの。まあいいわ。それより早く行きましょう。日が暮れちゃうわ」

 そう言って彼女は俺の前を歩みだす。

 いつからだろうか、、、、、彼女と一緒に旅をするようになってから。

 そんなことを思っていると彼女が急に振り向き「ねぇ」と呼び掛ける。

「これから先、何があっても君はわたしをまもってくれる?」

 そんな突拍子のない質問に思わず「あぁ」とだけ返してしまった。しかしこのときは彼女の言葉の真相なんてわかるはずもなかった、、、、、




「うわ、またここかよ」

 まいった、、、、、完全に迷ってしまった。ここは魔物の蔓延る迷いの森。先ほど目印にしておいた小枝のところまで戻ってきてしまった。

 俺は去年に勇者の職種を得た、いわゆる新米勇者だ。村までの行商人の護衛をしていた帰りに、ひょんなことから迷い込んでしまったのだ。

「くそぅ、こんなことなら真っすぐ帰っていけばよかった」

 たまたまこの森を横切るときに、中から光る何かを見つけたのだ。妖精かなと思って軽い気持ちで入ってみたら、大失敗だ。結局なにも見つからなかったし。

「ほんとにこれ出られんのかよ~」

 そう文句を垂らしながら進んでいくと、何やらがさがさと音が鳴る。音のなるほうによってみると、

「っんあ!?」

 何かが頭の上に落ちてきた。

 ふいに倒れこんだ体を起こしながら確認すると、

 、、、、、、、女の子がいた。

 きれいな色の銀髪に透き通るような白い肌。ぼろぼろに汚れているが、おそらく真っ白なワンピースを着ている少女が俺の目の前でうずくまっている。

 木の上から落ちたのだろうか。とりあえず声をかけてみる。

「おぉ~い。大丈夫かぁ?」

 すると彼女は「、、、んんっ」と寝息を立てている。よかった。生きているようだ。

「しっかしなんでこんなことに、、、。っっっって!!」

 俺は思わず視線をそらす。なんとそこには寝ずくまっている彼女の純白な下着があらわになっているのだ。

「、、、、、んんっ。あれっ?ここは?」

 しまった!最悪のタイミングで彼女が目を覚ましてしまった!これではもう彼女の寝ている隙に服を正し、この絶景を自分だけのフィルターに永久保存することもできない。

 、、、落ち着け俺。ここでの最重要ミッションはいかに彼女に悟られずにあの下着を治すかだ。え?紳士的に「見えてますよ」とウインクでもしろって?愚か者!そんなことしたら城下町の掲示板に<出没!!変態紳士!!>のタイトルとともに俺は故郷からも村八分にされてしまうことは間違いないだろうが!

 っとそのようなくだらないことを考えている俺を尻目に彼女は

「どうやら私はこの森に落ちてきたみたいね。まさかこんなところに来るとは」

 と冷静に状況分析をしている。、、、パンツ丸出しで。

 とりあえず怪しまれないように会話をつなげておこう。

「大丈夫か?結構な高さのところから落ちたように思えるが」

「ええ。体は丈夫な方なのよ。それと、、、君は?」

「俺は去年から勇者になったものだ。ライアンと呼んでくれ。ここにはたまたま迷い込んでしまってね」

「そう、ライアンというのね。私はリリーシア。ハーフエルフなの」

 なるほど。その角ばっている耳はエルフ特有のものなのか。

「さてと。ライアン。助けてくれてありがとう。君はこれからどこに行くの?」

「まずはこの迷いの森を抜けだすところからかなぁ」

「そうね。私もここを出たいの。じゃあ、行きましょう」

 そう言ってリリーシアは歩み出す。するとふとこっちを向いて。

「あ、そうそうライアン」

「ん?なんだ?」

「人と話すときはきちんと目を見て話しなさい。丸わかりよ」

 ばれてた!!やばいやばい!なんという洞察力だ。

 彼女は焦る俺をむすーっとした表情で見つめている。

 しかし、やがていつもの表情に戻る。、、、許されたのであろうか。

 そんな俺も彼女のあとを歩く。

「ほらほら勇者様。早くしないとおいて行っちゃうわよ」


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