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公爵令嬢アリシア 目覚め

アリシア

 この話はおおよそ彼女の視点。

 ライバル令嬢として転生。中の人は都内在住の社会人成人女性

 ふと、なぜ自分はこんなところにいるのだろう。と、見慣れない部屋で考えた。

 見慣れない部屋なのは当然だ。ここはこれから自身が三年間通うことになる学園の寮の部屋だからだ。

 寮の部屋? いや、私は寮のある学校に通ったことはないはずだ。

 学園は、国内の貴族が通うことになる王都にある。一部庶民にも門が開かれているが、その数は多くない。

 貴族? そんなものはなくなって久しい。


 相反する記憶に、彼女はフラフラとおぼつかない足取りで歩き出し、丁度そこにあった全身用鏡に映る自分の姿を見た。そして、そのまま意識を失ったのだ。遠くで叫ぶメイドたちの悲鳴を聞きながら。


 ――私は誰?






 はい、私の名前はアリシア。公爵令嬢アリシアです。そして同時に都内で一人暮らしをしながら働いていたOLでもあります。前の名前はとりあえずここでは名乗らない。あまり意味がないからだ。

 で、気が付いたら公爵令嬢になっていました。

 これはあれだ。異世界転生とか前世の記憶とかいうやつだ。わーすごいなー。と、回る天井を見上げながら思った。はい。知恵熱です。一気にうん十年分の記憶を思い出した私は見事に知恵熱を出してひっくり返りました。これもまたある意味テンプレ。

 とは言え、だ。うん十年と言ってもまともに思い出せるのなんてここ十数年。いってみれば働きに出たころからだ。小、中、高、大学当たりの記憶なんて学校の先生の名前すらあやふやである。

 家族にだってここ数年まともに顔を合わせていないし、両親と弟がいるが、顔も若いころから現在までの微妙なコラージュされたようなあやふやなものだ。

 我ながら薄情だなぁ。と思うが、東京で十年以上働いているとそういうこともあるんだよ。


 で、翻って公爵令嬢アリシアだ。このアリシアという少女に、私は心当たりがあった。

 それは、私が生前やっていたスマートフォン向け恋愛シミュレーションゲーム、「金の指輪~特別な唯一無二 離れずにそばにいて~」でのライバル令嬢だった。

 スマフォの画面で見ていた立ち絵が、姿見に映し出された自身の姿と一致していた。黒い縁がスマフォ画面の黒枠と丁度一緒だったからだろうなぁ。

 そんなわけで、私こと、公爵令嬢アリシアは初めての知恵熱で三日三晩寝込んだのだった。


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