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とある大統領の話

『――我々は、既に人と人とが戦う時代を超えたのだ。

いや、超えなくてはならなかったのだ。

全人類が手と手を取り合う以外の方法で、“彼ら”を相手取るなど、不可能なのだから』


ライセン合衆国第3代大統領・ジョン=オルティシア

大統領就任時スピーチより抜粋





――およそ、3世紀半前。

世界最大の大陸、南東大陸。その最南端の古の王国で、『それ』は初めて観測された。


それはかろうじて人の形を保ってはいるものの、見た目は黒い霧そのものだった。王国の民が興味本位でそれに触れるとたちまち皮膚が壊死していき、その日のうちに死に至った。

その死骸はやがて、『それ』と同じ黒い霧を纏うようになる。そしてそれから、その黒い霧状の生命体は、爆発的に数を増やすことになった。

その後数十年のうちに古の王国は滅び、人々を屠り続けたそれらは更に大陸を北上し、南西大陸に住む人間達を悉く殺し尽くしたのである。


この時点で既に人類は全人口の2割を失ったが、北半球にある3つの大国……和華帝国、ライセン合衆国、フェリシア王国は即座に、当時激化していた戦争を中断。

それから10年経たないうちに、3大国はライセン合衆国を中心として、南半球の人類を急速に屠っていく生命体に対抗するため、生き残っている全人類を統括する『統一政府』及びその直轄軍『聖統一軍』を立ち上げた。


……更に数十年後、統一政府の研究者の手ににより、例の黒い霧の生命体が持つ毒素の正体が一部解明された。

そしてその毒素が人間を中途半端に蝕むと、人間は意志を持たぬ生きた人形のようになり、霧の生命体と同様、人を襲うようになるのだという。

侵攻を阻もうと奮戦する軍の者は、現在もそれに悩まされている……毒素に蝕まれた者は、自身の寿命と引き替えに、強制的にその身体能力を底上げされるからだ。



――そして、その黒い霧の生命体たちは、最初の観測から丁度100年後に、人を怪異に変える魔物……【怪魔】と名付けられる。


そしてそれらに蝕まれた者は、【怪魔感染者】となり……、正式に聖統一軍の『討伐対象』となった。







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