6話
昼休みの終わりを告げるチャイムがなり、人々は、自分の席へと戻っていく。
五時間目は生物だ。担当の女教師はアラフォー位の年齢と思われるが、まだまだ十分イケるぐらいに、目鼻立ちがスッキリしている。古典の中年オヤジとは大違いだ。
ガイダンスは5分程度で終わり、早速授業に入った。この先生は、結構大雑把だが、それ故か生徒からの受けはいい。
ところで、私は大半の授業はつまらないと思っている。歴史にしたって、現代文にしたって、将来必要ないと思うからだ。こんな考え方は子供だろうか?
私は、将来生物に関わることがしたい。だから、生物の授業はちゃんと受ける。合理的で自分ではいい考えだと思っている。
さて、授業に戻ろうか。授業の内容は、組織だった。生物は四つの組織、すなわち、上皮組織、結合組織、神経組織、筋組織から成る、というもの。
皮膚は上皮組織の表皮と結合組織の真皮からなるのか。そして、真皮には汗腺や皮脂腺があり、汗をかいたりできるわけか。
でも、確か汗をかけるのは人と馬ぐらいだったかな。犬なんかは汗腺の種類が違うから体温を下げる時、舌を出すんだっけ。
あと、汗といえばカバは殺菌作用のある赤い汗を出すんだよね。
このクラスにはヒトも犬もカバもいる。ちなみに、私もヒトではないが、発汗出来る。でも、他の人は違うかもしれない。私は、違いを知りたい。
そういえば、件のヒトも真面目に受けている。チンキックによる汗も引き、大丈夫そうだ。
そうして、五時間目も終わり、ホームルームの時間だ。内気そうなあの担任教師が入ってきて、特に面白いことを言うこともなく、淡々と事務連絡を述べた。
「起立、礼、さようなら」
名簿番号1番の日直がそう言うと、皆声を揃えて別れの挨拶をする。(私は面倒だからしない)
さぁ放課後だ、帰ろう。私は帰宅部。
「なぁ今日どうするよ?」
家へと向かう私にそう声をかけて来たのは、オオカミの太郎君だった。タテガミをワックスで決めている、ハイイロオオカミだ。
どうとは、やはりアレだろう。
「いや、今日は疲れたからもう帰るよ。次また誘ってよ」
「あぁ、分かったぜ。次は一緒に楽しもう」
そうして、彼は自分の群れ--仲間の元へと帰って行った。
みゃあ、嘘は言ってない。今日はあいつのせいで疲れた。いやあいつのおかげかな。
帰って眠ろう。猫のようにダラダラ惰眠を貪ろう。