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5話

昼休み終了まであと少ししかない。私は急いで教室に戻って、お昼を頂きたかった。


開きっぱなしのドアを通ると、私の席が誰かに使われていた、なんて事はなく私は自分の席に着き弁当を取り出した。



弁当はいつもお母さんが作ってくれる。たまに自分で作ることもあるけど、大体朝起きれないので、本当にごくたまにだ。


愛用の可愛らしいオランウータン柄の包みを取り、弁当のふたを開ける。一段目は白米で、二段目がオカズ。オカズのメインはやはり鮭ーーー魚だった。



これは別に私の好みというわけではない。まぁ好みではあるけど。


現在、肉はあまり生産されていない。何故かは考えればわかるだろう。共喰いのようだからだ。


この世界には牛はもちろん、豚、馬、鶏、それから鯨のヒトもいる。このクラスにもいる。だから、それらの肉を食べるのは、自粛されている。自分の子を食べているようだから、友達を食べているようだから、自分を食べているようだから。ヒトがヒトを喰うようだから。



結果、家畜分野において肉の生産は衰退している。よって今は動物性タンパク質は専ら魚肉に頼らざるを得ない。



実はこの衰退のおかげで、余った家畜の飼料が人間に回されて食料問題の一部が解消したり、家畜による地球温暖化が減少したりした。だからというわけでもないけど、悪い面だけではなかったのかもしれない。



そんな背景を頭の隅で考えつつ、私は受け継ぐ、私のための命を。


「いただきます」



今日も食べる。そうしないと生きていけないから。





食事に夢中で気づかなかったが、どうやらもうこのクラスである程度、グループが出来ている。仲良しグループというやつだ。中には、1匹でいる奴もいるけど。


まぁ、私の位置は大体決まっているだろう。だって私は肉食獣だもの。




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