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4話

影から見守っていたが、悲惨なことになっていたので、近寄ってやった。


「あんた大丈夫?」


芋虫の様になってしまったその男を見て私の怒りも薄まってきた。まぁ、私も鬼ではない。流石に声ぐらいはかけてやる。


「れ、れんれん、だいひょうふじゃないれふ……」


だろうなぁ。アレは雄が殺されかねないもんなぁ。


さて、同情はここまで。というか、こいつの自業自得だしね。


私は下に横たわる男(仮)に向ける目を、柔らかいものから、尖ったものへと変え、そいつへ尋ねる。


「それよりもあんた、私に言うこと何かないの!」


「ちょ、ちょっとまってください、今変な汗出てるから」


まだ痛いのか。女の私には到底分からない痛みだ。しかし、女性の出産の痛みは男が死ぬレベルらしいし、男は女より弱いのかもしれん。


と、そんなどうでもいいことを考えているうちに回復したらしい。こいつの呼吸がいくらかマシになってきた。どうやら、生物としての目的は失わずに済んだようだ。


「落ち着いた様ね、で私に何か言うことがあるでしょう?」


「ふー。ん、……ふむふむ、トラ柄か、あんた鬼みたいなパンティ履いてるのね」


「っ!」


踏んだ。恥ずかしさと怒りで何も言い返せなかったが、虎のように引っ掻くのではなく、全身を鬼のように踏んづけた。


「あんた、本当に最低ね!人間の屑だわ!」


「ご、ごめん、まさか、そんな今時ワシントン条約に引っかかりそうな柄のパンティ履いてるやつがいるとは思わなくて!」


「う、うるさいわねぇ!どんなパンツ履こうが私の勝手でしょう!」


「す、すいません、蹴るのをやめてくださいませんか! 変なパンティ見た事は謝るし、牛乳あげるから許して!」


「許すか!」


いちいち餌付けしてくんな。餌で行動を管理できるのは動物だけだ。



ていうかなんか、セクハラされたヒロインのテンプレ的行動をしてしまった気がするのも腹立つ。


「おら」


 最後に一発顔を踏んづけて私はその場を立ち去った。あー! イライラして禿げそう!











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