2話
身体測定やらなんやらを終えて(意味ないと思うけど)四時間目は学活-ー学級活動の時間。誰かに誰もやりたがらない職業と責任を押し付ける時間。
「誰か、学級委員長をやってくれる人はいないか」
そう担任が常套句を並べた時だ。
「はいはーい、やります!僕やります!」
声は斜め上からした。彼だ。
当然皆注目する。驚きで拍手はない。しかし、彼は意に介さず着席してただ静かに微笑んでいた。何を考えているのか、読めない。
しかし、一応このクラスの責任は転嫁されずに済んだようだ。これはまぁ良かったのかな。
「じゃあ次、副委員長誰かいないか」
担任の言葉で思い出す。そうかまだあった、サブリーダー。
先の委員長決めと打って変わってこちらは難儀しているようだ。まぁようだって言っても私も当事者な訳だが。
誰もやらない、やりたがらない。担任は「…えー」とか言いながらクラスを見渡しているだけ。クラスが押し黙って30分くらいであった。
私の手が上がった。私が上げたのではなく、上がった。
「て、何してんの⁉︎」
そう、犯人は隣にいる彼であった。
「いや、やりたそうだったから…」
「どこが⁉︎」
私ずっと俯いて担任と目が合わないようにしてたよね⁉︎
というか私たちに注目が集まっている。皆こちらを向いている。この雰囲気はヤバイ。私の中の野性が警鐘を鳴らしている気がする。
「いや、私やりませんよ!」
「いや、彼女にやらせてあげてください、お願い致します」
だからあんたは勝手に何を!
「ちょっと、やめてよ!」
「すまん、時間がないからやってくれるか」
担任がなんか意味わかんないこと言ってる。いや、皆拍手しないでよ。さっきはしてなかったじゃん。てか、笑ってるやつもいるじゃん。
そうしてなし崩しで私は彼の右腕になった。