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0筆目
「よし、できた!」
時刻は深夜2時、一人の少年が絵を書き上げた。
部屋は電気がつけられていなかったが一部の天井がガラスばりでアーチ状という奇怪な作りになっておりそこから月の光が差し込み十分な明るさがあった。
「今日は満月か……どうりで明るいわけだ」
少年はジーパン、グレーのパーカの上にエプロンといった姿でいずれも絵具で汚れていた。
「題名は何にしようか、うーん……ま、明日考えるか、学校あるし。あーねむ」
少年は片付けをせずにソファに向い、汚れた服のまま倒れこんだ。こんなことはしょっちゅうらしくソファはすでに絵の具で汚れていた、少年のずぼらな習慣がうかがえる。
「絵も描けたことだし、あとは相方探しだな」
そう呟きながら、少年は眠りについた。
少年の言う相方は数時間後に巡り合うことになるのだが、それはまた次のお話し