第二部『過去』〜4〜
その日以来、俺はもう完全にあいつとのメールだけのために生きているって感じだった。部活終って、クタクタになりながらバスに乗ってさ、携帯とにらめっこ。なんて送ったら、あいつが楽しいか、そればっか考えて、でもいい感じのが思いつかなかくて、結局悩み相談とグチ。愛想つかされるんじゃないかって、ビクビクしながら、それでも送ってしまってた。でも、あいつは一言だけとかばっかだったけど、必ず返事をすぐ送ってくれてたんだ。それが・・・すっげぇ嬉しくて、ドンドン好きになってくのがわかった。
『まぁ、あの子は元々メール長い方じゃないからね』
うん、それは前に聞いたことがある。なんでそんなメール短いし、素っ気ないんだ?ってさ。そしたら、
「あたし、メール苦手でさ、アハハ」
ってさ。嫌われてんじゃないかって心配してた自分が馬鹿みたいだったよ。
まぁ、そんな関係が一ヶ月くらい続いてさ、いつのまにか夏休みに入ってたんだけど、部活ばっかでさ、どっか遊びに誘う余裕もなかったんだ。それに、度胸もなかったんだけど・・・でも、今年もやってたけど、小江戸祭りっていうのがあるんだ。2つ隣の駅でさ。たまたま友達と行く約束をしてたんだけど、ドタキャンされてさ。ちょうどそん時、メールしてたから断られると思ってたけど、誘ってみたんだ。
『あぁ、知ってるよ。その祭り。結構有名だもんね』
あぁ。で、あいつの返事、割りとすぐ返ってきてさ。
「いいよ」
それだけだった。
『ア・・ハ・ハ・・・』
なんかな、嬉しかったんだけど、逆に不安になってさ。素っ気ないんだけどなんでOK?!みたいな。でも、待ち合わせした場所に行ったらさ、向こうのが先に着いてて、俺を見つけた瞬間、パッと笑顔になってさ、手を振ってくれたんだ。全然素っ気なさのカケラもなくて、二人きりっていう緊張感が、余計増して、カチコチになっちまったよ。
「相川!急だったからビックリしたよ!誘ってくれてありがとね!」
って言いながらさ、俺の手を握って、いきなり歩き出してさ、なんかもう死んでもいいくらい嬉しかったよ。
それから、さ。俺はあいつをよく遊びに誘うようになった。嫌な事がある度に、誘って、二人で公園のベンチに座ったりしてさ、話聞いてもらってた。向こうも、だんだん悩みとか言ってくれてさ、なんかすごい二人でいる時間が好きになった。
12月、俺はあいつに告った。なんでかは覚えてない。突拍子もなく、メールで、
「ずっと好きだった。付き合ってくれないか?」
って。あいつに彼氏がいたのは知ってた。可愛かったし、いない方がおかしいって感じだったからな。だから振られるのも覚悟してた。案の定、返事は
「考えさせて」
だった。先延ばしにして、ウヤムヤにしようって考えだと思った。でも、ホッとしたんだ。今までの、心地いい関係がなくなるのはゾッとした。友達でいいから、失いたくなかったんだ。
その後、普段どおり、あいつに呼び出されて、公園であいつの音楽の宿題を手伝ってる時にさ、あいつから告白の話を急にされたんだ。
「あたし、今の彼氏と別れた。年上としか付き合わないつもり」
なんか、落ちていくのがわかった。暗闇のどん底っつーかさ。もうなにも耳に入らなかったし、入れたくなかった。そうなるのが分かってたはずなのに、さ。そんな自分もホントに嫌だった。
「・・・でも、付き合おうと思ってるんだ。この後・・・どうする?」
あいつは言った。俺は、もう意識なんてほぼなかった。
「帰ろう・・・」
そう言って、帰ったのは覚えてる。でも、あいつの表情も、そのあとの帰り道の様子も全く覚えてない。気づいたら、布団で泣いてたよ。
その後、友達にその話をしたら、言われたんだ。
「お前、それOKって意味だったんじゃねぇの?」
って。まさか、と思った。年上と付き合おうと思ってるって意味だろ?って。でも、よくよく考えたら、ひょっとして?みたいな期待が出てきたんだ。だから、ちゃんと確かめよう。もう一度、今度は顔を合わせて、告ろうと思ったんだ。一度振られたようなもんだから、もう怖くないってさ。
そんな時、ちょうどクリスマスに会おうって言われた。嬉しかった。部活が終って、速攻帰ろうとした。
帰り道・・・俺は、ヤンキーにカツアゲされてる同級生を見つけて、そのヤンキーをボコボコにして、警察に捕まった。
解放されたのは、約束の時間から3時間経った後。ただ、メールでごめん行けなくなったとだけ伝えた。それから、連絡もシカトして・・・今に至るって感じさ。
『・・・なんで?なんで、シカトしたの?そんな、カツアゲなんて無視すればよかったのに・・・』
なんで・・・だろうな・・・俺にも、わかんねぇよ・・・・
今回で、本作品を凍結することに決めました。
理由は、単純に書けないからです。
申し訳ありません。新しい試み等、やめればよかったと反省しております・・・
次回作は、一応検討しておりますが、恋愛モノではないことは確実です。
今このメッセージを読んでくださっている方々には、是非そちらを読んでいただきたいと思っております。
それ以降、自信が戻りましたら、改めて続きを書くなり、書き直したりしたいと思っております。
では、いらっしゃらないと思いますが、愛読されていた皆様方、大変申し訳ありませんでした・・・