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食べ物は大空へ…

作者: 長月弥生
掲載日:2014/08/17

奴らは常に、狙っている。

お前達の、食べ物を…

「お願いします、姫子さん。どうかあの動物による被害を止めて下さい。」


海水浴場の管理人が、私に頭を下げた。


「お任せください。必ずともこの私、姫百合姫子ひめゆりひめこが止めてみせます!」


そう。

この時は、何も知らなかった。

この動物の、恐ろしさを…


白浜海水浴場。

そこは名前の通り、真っ白な砂浜と、真っ青な海がある、巷では人気の海水浴場だ。

だがそこには、我々人間達を困らせ、一夏の思い出をぶち壊す動物がいるのだ!

私はその動物による被害を最小限に抑えてほしいと依頼を受けた。

私は二つ返事でokした。

この私、姫百合姫子に出来ない事はない!

それを胸に、私は今、白浜海水浴場にいるのだが…


「なによ…何も起こってないじゃない。動物ってなによ?なんにもいないじゃない。」


動物もなにも、人に危害を加えそうなものなどどこにも見当たらないのだ。

これでは来た意味がないのだが…


「さしずめ危害を加えそうなものって言ったら、」


突然のゲリラ豪雨による水害。

まぁそれはないだろう。

何故なら、今日は雲一つない青天なのだから。


「他は…」


高波や地震などだが、


「動物、なのよね…」


動物なんて、本当にいるのだろうか?

もしや、何かの見間違いなのでは?

そう思いながら、先ほどコンビニで買った、唐揚げと鮭おにぎりを食べようと、近くに腰掛けた、その時!


「あっっ!!」


なんと、私の愛しの鮭おにぎりは、空を飛んでいた動物によって、掠め取られていった。


「なっ、まさか、動物って…鳶!!」


驚いている暇はなかった。

私は唐揚げだけは死守しようと、持っていた手を後ろへ回した。

しかし、それが間違いだった。

鳶は私の後ろへと回り込み、いとも簡単に唐揚げを奪いとっていったのだ。


「わ、私の唐揚げぇぇ…」


いつのまにか視界は涙で潤んでいた。

こうなったら…


「鳶っ!覚悟なさいっっ!」


私は鳶に、持っていた唐揚げの箱を投げつけた。

そして鳶は…


私の頬に傷をつけて、上空へと戻っていった。



「か、勝ったわ…鳶を追い払ったのよ!これでもう奴らはこない、依頼完了だわ!」


両手をあげて喜ぶ私に、様子を見ていた若いカップルがこう言ったのだった。


「てか、海辺で警戒もせずにご飯なんかを食べるから、鳶に取られるんだろ?」


「ホント、そんな事しなきゃいい話よねー」


「あの人馬鹿じゃね?」 「ホントホントー」



本当だ。


そんな事した、私が馬鹿だったわ。



それは、今日一番ショックをうけたことだった。





後日、私はこの間とは違う海水浴場に来ていた。

今度は警戒しながら食べようと、近くで買ったアイスクレープを手に、岩場に座った。


「よし、こないわね…」


もう一度辺りを見渡す。


「じゃぁ、いただきまーす♪」


大口を開けて、クレープを頬張ろうとしたそのとき時…





私のアイスクレープは、青天の空へと、旅立った。






昔小さい頃に、お弁当の唐揚げを鳶に取られてしまいました。

この間はクレープ…

私には、鳶の相でもあるのでしょうかね…

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― 新着の感想 ―
[良い点] 嫌な鳶ですね。でも、面白いです。
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