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白銀の残光 -pLatonic Clematis-  作者: BatC
第一章
1/94

プロローグ

初めまして。


初めて小説を執筆するということで、なかなか緊張しております。


更新は気まぐれですのでゆるりとお楽しみいただければ嬉しく思います。


今回はプロローグのみです。


この地球での近未来。


今一人の男がその生を終えようとしていた。


男は一つの時代を作った大技術者であり、また同時に全人類からは大罪人とされている。


彼は若くして半永久機関とそれで稼働するエンジンを創り、またそれを搭載する宇宙船を造り、宇宙の大航海時代とも言える時代を築いた。


人が宇宙で生活するコロニーを創った。


宇宙船の脅威となるデブリを焼くための高出力のレーザー発生器を創った。


敵対的な宇宙人との相対を考えた末、強力な粒子ビーム兵器を創った。


危険な環境下での作業を見据えて、従順で器用な自動機械も創った。


人々が日常的に使う日用品から宇宙で使うものまで、様々なものを創った。


どれも彼が人類のさらなる繁栄を望んで創ったものだった。


しかし人々はそんな彼の想いはつゆ知らず、彼本人の技術を求めて彼を取り合い争い、新たな宇宙資源の利権を求めて争い、未だ解決せぬ土地の領有権を求めて争い、宗教で争い。


彼はそんな人類に絶望し、その持てる力の全てを用いて人類を粛清せんとした。


皮肉なことに最大の脅威と化した彼に対抗するため、人類は争いをきっぱりと辞め、地球連合として彼に全力で対抗した。


結果として彼は敗北を喫した。


地球連合は彼を処刑などはしなかった。全人口の8割を殺害し、母なる地球を汚染し尽くした戦争を引き起こした彼に与えられた報いは、この死の星にただ一人残されることだった。


生き残った人類は新たな新天地を目指し、既に地球を去った。


かつて東京と呼ばれた都市跡、そこに聳える彼の要塞の破壊された砲台の上に彼は生身で立っていた。


放射線が肌を焼き、大気に漂う猛毒の粒子が肺を腐らせる感触をはっきり感じながら、彼は己の行いを懺悔する。


(俺は才に酔い己の願いすら忘れた)


既に肌は爛れ、呼吸は困難になっている。


(俺が望んだのはこんな結果ではなかった)


ひたすら研究と己の鍛錬に打ち込み、人との接触を絶った男はこの時初めて、昔から自らの心に昔から巣食うこの想いを寂しさと自覚した。


(ただ全ての人が幸せになれればそれで良かった)


幼い頃、よく無愛想な自分に笑顔をくれた友人達の顔を思い浮かべる。


(大層な志を持ちながら、自分の周りの人も幸せに出来なかった)


自分の友も家族もかなぐり捨てて生きてきた。


(もし....もしも願いが叶うなら........)


薄れゆく意識の中、霞む目で赤茶けた大地を見ながら願う。


(やり直しは望まない....だが.....今一度......今一度人として....生きたい.....。)


その才に比してその実童心を持つ男は、それまで信じることなど欠片もなかった神に祈る。


夕日が大地を赤く染める中、一つの人影が地に落ちる。


一つの時代が今終わった。








そんな彼をそれは見ていた。


それを人は神と呼ぶ。


神は彼の生涯を知っていた。


そんな彼の願いが届いたのか。


神は男の魂を時の流れに乗せ。


死の星となった地球に生命の種を落とし。


落とされた生命の種は生命の光を放ち。


星を汚していたものが消え去り。


新たな生命を地球に植え付けた。


そして膨大な時が流れ。



新たな人類が産声を上げた。

如何でしたでしょうか。


未熟者故、至らぬ箇所が多々あると思います。


皆様にご鞭撻いただければ幸いと存じます。



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