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セミの抜けてないぬけがら

作者: なつめややごと

土から抜け出したセミの子たちが

暑いね こりゃまいったねって言って

木や壁にくっついてじっと待つ

暑苦しくも いないとはじまらない

セミたちの鳴き声はまだ遠く


かさかさ動き 殻から抜け出す

いよいよ 僕ら セミになるよ

祭りの前夜 ぬるい夜

夢を背負ったセミたちが

立派な大人に変身だ


あついあつい

あたりは静か 太陽ぎらぎら

時がとまった

抜けられなかった

僕は死んだ

もぞもぞいって抜けた先

夏の空のその向こう

僕は死んだ


いつもの通学路 ころんと転がった

セミの抜けてないぬけがら

そっと持ち上げて 手のひらに乗せた切ない重さ

セミの抜けてないぬけがらの

いのちの重さ


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― 新着の感想 ―
[一言] 儚い命の重みが優しく伝わるそんな詩でした。 ありがとうございます。
2013/08/16 15:33 退会済み
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