第一話 ここはどこ?
お話の中で突然15歳未満の方にはふさわしくない描写があったりします。
キキキィィィイイイイーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!
人生で、滅多に見ないだろう光景と、滅多に聞かないだろう音が私の人生全てを狂わせた。
「……んぁ?」
ぼんやりと揺り動かされるような心地で目覚めた私は、暗闇の中放り出されていた。
まだ夜なのか、ともう一度寝ようとして布団がないことに気づく。
まさかこの年にもなって布団を蹴飛ばすような寝相は……してる、かもしれない。
かもしれないが、足先くらいにはかろうじて残っているのが常だった。
「……あれぇ?」
そうしてもう少し体を起こして、あるはずの布団を探す。
が、ない。
布団どころか、ベッドすらない。
というか、自分の部屋でもなかった。
……いやいや、自分の部屋じゃないとこで寝てたってとこを百歩譲ったとしても、九十九歩譲れないものはある。
ここはどこだ。
すっかり眠気も吹っ飛び、呆然と辺りを見回すがやはり覚えはない。どころか、目印になるようなものすらない。
ベッドみたいに心地いい床も床ではなかった。
暗闇。延々と続く、不思議と『何もない』ことが見える暗闇だった。
「……え?え、ええ?なんなの、どういうこと?」
見上げても天井などなく、そして夜空もない。
ない。何もなかった。
いったいどうしてこんなことに……
一種のあきらめを早々に感じながら、嘆くように思い返す。
そういえば最近は本当についてなかった。幽霊なんて、この年で見始めたからなのかな……
私…「高原由梨花」は訳のわからないこの事態と因縁づけるように、最近自分の周りで起こった不気味な出来事を思い返した。