ー第4話ー
「瀬戸?どうだ?」
「ダメね繋がらないわ」
「舞洲さんどうしたんでしょうか…」
紅把、シェリス、久美はいつもどおり学校に来ている
しかし、夢來の席だけが空いている
しかも夢來と連絡が取れないのだ
その頃……
「おい!舞洲君!しっかりしろ!」
「うっ、うぅ…あれ?………浜野さん?」
夢來は目を覚ますと目の前には相馬がいた
「ここは?」
「ここは君たちが前に来た施設の牢屋…まぁもとはスクラップ処理倉庫だからガラクタがそこら中に転がってるがな」
「牢屋?何でそんなところに浜野さんがいるんですか?」
「それが、最近上の連中の様子がおかしくてな…突然こんなところにぶち込まれたんだよ」
相馬は呆れたように笑う
「そうだったんですか…どうやってここからでますかね?」
「あぁそれなんだがな、君というイレギュラーがやってきたことでなんとかなる…いやそれどころかこの施設を吹き飛ばせるかもしれないぞ」
相馬はどこか楽しそうに笑うが急に暗い顔になる
「その前にある実験について話さなくてはならないな…」
12年前……
「夢來の様子はどうだ?」
2人の男が話している
1人は今より若いが相馬だ
「健康そのものだよ」
「そうか…本当にこの子は体が丈夫だな。あれだけの機動力の負荷に耐えられるとは…考えられんな」
夢來は軍の研究所でどの程度の負荷に耐えられるかの実験にかけられていた
しかし次の瞬間…研究所が爆発した
研究所にいた人は全員無事だった…夢來を除いて…
夢來は跡形もなく消えてしまったのだ
後から夢來に不正に手術が行われていたことがわかった。この手術により体の強度向上、戦闘用駆動機についての情報組み込みが行われていたのだ
「…ということがあったのだ。資料には君は死亡となった。しかし現にここに生きている。それと手術については俺も知らなかったのだ、すまない。」
「まぁその実験に関しては分かりました。それに手術によってのデメリットもないようなのでいまさらいいですよ。しかしそれがどう関係が?」
「そう焦るなって。まだ話は終わってないぞ。また年がかわり5年前になる。俺は最新型機の開発に関わっていた。そして試作機が出来た。しかし機動力を優先した余り人間には耐えられないものになってしまった。実用化を目指したが上手くいかなくて結局廃棄処分となった…そしてここは3年前までスクラップ処理倉庫だ…ここまでいえばわかるだろう?
」
「なるほど…そういうことですか。なら」
「「探しますか!」」
学校、放課後…
「しょうがない、ちょっくら危ない橋を渡るしかないか」
「おっ、古川君、そうこなくちゃ!」
「す、すごいですね…」
紅把はそういってノートパソコンを取り出し、操作し始める
10分後紅把の手が止まる
「何だ…これ…」
ディスプレイには機動力耐性実験について書かれていた
「そんな、夢來が…」
「ひどいですね…これ…実験ならまだしも手術なんて…」
「あぁもうやめだ!今は夢來を探すのが先だ!」
紅把はまた操作し始めた
3人は何ともいえない沈んだ雰囲気になってしまった
「こいつはJARZILって名前がついてる。こいつは機動力だけじゃなくていろんな機能が追加されてる。それにしてもずいぶん綺麗な状態で残ってたな」
「そうなんですか…浜野さんの機体はどこら辺ですか?」
「あいつらもバカでね、ちょうど左の壁をぶち抜いたとこなんだよ」
「そりゃまたわかりやすいもんで…じゃあとりあえず乗りますね」
「あぁ」
夢來はJARZILに乗り込む
そして自分の感覚に任せて起動させる
「ナビゲーションシステム…起動」
「やぁ、君がパイロットだよね?」
夢來はいきなり誰もいないはずのコックピットで隣からいきなり声をかけられ驚きつつ、声のほうを見ると自分より1、2歳年下のような女の子がいる
「あ、あぁそうだよ、君は誰?」
「JARZILのナビゲーションシステムだよ」
「そ、そうか…俺は舞洲夢來だ、よろしく」
「よろしく夢來お兄ちゃん♪」
「お兄ちゃん!?」
「嫌なの?」
彼女が上目遣いに尋ねる
「い、いや。好きに呼んでくれ」
「やった!」
その子が抱き着く
「!!…触れるのか…そういえば君、名前は?」
「夢來お兄ちゃんがつけるんだよ?」
「そうか…じゃあ、ルナはどうだ?」
「うん!わかった私はルナね!」
「おう、じゃあ早速戦闘開始だ、基本非殺傷でいくよ」
「はーい」
とりあえず夢來は左の壁をレーザーで穴を開ける
するとそこはたくさんの戦闘用駆動機があった
そうこうしているうちに相馬も自分の機体に乗り込んだようだ
「夢來君グッジョブだ、こっからは俺の後ろ着いてきてくれ」
「分かりました」
夢來は相馬の案内で施設を出る
施設を出ると砲台から攻撃を受ける
「夢來君、攻撃に構うな!とりあえずここから離れるのが優先だ!」
「分かりました!」
2機は上手く攻撃をかわしながら施設から遠ざかる
すると施設から5機の戦闘用駆動機が出てくる
2機はさらに逃げる
夢來は本気を出せばすぐに逃げきれるが、相馬を置いていくわけにもいかないので相
馬のスピードにあわせる
「夢來お兄ちゃん!ロックオンされてるよ!」
「くっ!」
夢來は回避行動に出るがなかなか上手く避けられない
もう少しというところでJARZILからレーザーが後ろに発射されミサイルを撃ち落とす
「ははっ、どんなもんだい!」
「ルナ、ありがとう、助かったよ」
「えへへぇ」
ルナは褒められたのが嬉しいのかご機嫌だ
「夢來君!あいつらどうにか出来ないか?」
「なんとかやってみます…ルナ?なんかいい方法無いかな?」
「じゃあルナのとっておき1を使っちゃおう!…えい!」
するとJARZILの形が変わり戦闘機型から球体になる
「な、なんかめちゃくちゃな機能だな」
夢來は変則的に動き次々に敵機を無力化し、相手は撤退していった
「夢來君よくやった」
「どうもです…浜野さんはこれからどうするんですか?」
「俺には隠れ家や知りあいのつてがあるから大丈夫だ心配いらんよ…じゃあまたな」
相馬は1回アクロバットしてから颯爽と飛び去っていった
「そういえばJARZILどうしよう…置く場所ないし見つかると面倒だな」
「それなら大丈夫だよ。とりあえず最初に…ステルスモードオン!…よしこれで周りの人には見えないから下に降りても平気だよ」
夢來は戦闘機型に戻ったJARZILを家の近くの広い空き地に着陸させた
「それで?どうしたらいいんだ?」
「私に任せて、夢來お兄ちゃんは降りて」
夢來は地面に降りた
するとJARZILが光ったかと思うと光がおさまりそこにはルナがいた
「おーい夢來お兄ちゃん!」
ルナが手を振りながらテコテコ走ってくる
「!!…どういうことだ?」
「これもJARZILの機能なんだよ、夢來お兄ちゃん以外は私に触れられないよ、それとスペースがあればまたいつでもJARZILを出せるからね」
「そうかとりあえず大体理解した…まぁルナは家に来るしかないだろうし、とりあえず改めてよろしく、ルナ」
「うん♪」