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わたしたちの過去


もう少しこの世界のことをお話ししよう

この世界には魔法が存在する

それぞれの属性に合わせた魔法を使うことができるのが一般的ではあるがもちろん例外も存在する

例外は貴族に多く血筋を守ることを優先してきた結果だろう


レイノルド公爵家は数少ない”例外”に当たる家だ

得意とするのは炎属性の魔法だがお兄様も私も全属性の魔法が使える

異例なことではあるがこれも私達が別の世界の知識を持っているからだろう

そう私たちは転生者だ


しかも前世では兄弟であったのだがなんの因果か同じ世界に転生したらしい

元々前の世界の私たちは兄妹揃って施設に幼いときに預けられ両親の顔も記憶も曖昧だ

それでも二人でいられれば幸せだった

お互い施設を出て奨学金を借りて大学を卒業し希望する職種に就職することもできた

ただ不幸とは突然降ってくるのか私たちは突然命を落としてしまった

その日のことはあまり覚えていない

結果的にこの世界で再会することができたので気にしていない



私は3歳ごろに記憶が戻りしばらくはお兄様にも内緒にしていた

しかし兄妹仲は良好であったため時間を見つけてはよく遊んでいた


「フィオ!僕が隠れるから探してね?」

「はい!じゃあお兄様は隠れてくださいね!でもお庭はダメ!」


記憶が戻ってすぐは混同してしまって大変だった。

ぼーっとしてしまったりして心配をかけてしまった。徐々に落ち着きを取り戻してからは現実を受け止めて穏やかに過ごすことができるようになった。


「ふう…。なんだかラノベみたい…。」

私の部屋には誰もいないと思って発した言葉は本当に迂闊だったと思う

なんと私を部屋にはお兄様が隠れていたのだ


「フィオ!今なんて言った!?もしかしてフィオも前世の記憶があるの?」

つんのめるようにカーテンの後ろから出てきたお兄様には驚いた

「もしかして、お兄様も?」

「そうだよ。なんてことだ。ちなみに前世の名前を聞いてもいいかい?」

この時に情報共有することでまさかの兄妹であったことも判明しお互いに泣いた

もう会えないと思っていた家族にもう一度会うことができたのだから当然だろう


私たちの泣いている声に驚いたメイドが事情を聞ききたが一切話さずお母様を大変心配させてしまったことが懐かしい

そんなこんなで幼い頃から効率的に訓練をすることや勉強を嫌がらずに真面目に知識をつけたことが大きなアドバンテージとなって私達の成長は著しかった


「こんなにも物覚えが早く全て完璧に身につけるなんて…。王族でもここまでではありませんよ!これも侯爵夫人の教育の賜物ですね。」

「私は特に何もしておりませんが、この子達には貴族として生きていく心得を身につけてほしいとは思っています。まあ早熟で少し寂しい気持ちがするのは贅沢なのでしょうね。」


物心着く頃には礼儀作法も一定以上の基準にまで達していたしどこに出しても恥ずかしくない立派な御令息、ご令嬢の出来上がりだ

お母様はそんな私たちを優しく微笑みながら受け入れて教育してくれたことは簡単にできることではない


「二人ともよく頑張っていますね。でも無理はしないで何かあればすぐに相談するのですよ。」


お母様はおしみのない愛情で包んでくれていた

それと比較するとお父様(ごみ)は自分の自由に使うお金があり好きに生きていられればよかった


「お前達、立派な大人になるんだぞ。」

「はい、僕もフィオナも頑張りますね。」


たまに会ってもこんな感じであり興味はないことが丸わかりだった


「じゃあ私は少し出かけてくる。アイリーン…。」

「わかっております。もし何かありましたらご連絡くださいな。」


いつものお決まりのパターンで自分の用事が済むと意気揚々と出かけていく。


「さて、ギル、フィオナ。そろそろ家庭教師の先生方がいらっしゃる時間ですよ。お部屋に戻って準備をしましょうね。」

「はい、お母様。フィオ?戻ろうか。」

「そうですね。ではお母様、失礼いたします。」


そんな日常でも仮初の平和は保たれていたのだ

お父様(ごみ)が未亡人の虜になるまでは




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