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似ている!? 2

 神宮寺高校第二キャンパス(旧さくらヶ丘女子高校)の裏門脇の駐車場で車をおり、会社へ向かうパパにバイバイって手を振って、玄関へ。

 今日も、私の下駄箱、ラブレターだとか愛の呼び出し状だとかが二、三通入っていた。

 観桜会明けの月曜日ほどではないので、ちょっと安心。

 例のお昼休みの愛の生徒会連絡でお断りの放送を流してもらっているおかげかな?

 でも、あの放送、おかげで、私、さくらヶ丘だけでなく、神宮寺の方でも、すっかり有名人になっちゃった。

 神宮寺高校ナンバーワン美少女・神宮寺つかさを知らない生徒や教師なんてだれもいない。それどころか、写真部が観桜会の間に隠れて撮影した私の写真、神宮寺の男子生徒の4分の3が購入したのだとか。

 おかげで、写真部、その売り上げだけで、すべての機材を新しいのに買い換えることができたそうな。

 ったく! 私にだって、プライバシーだとか、肖像権だとか、あるのだから、そういう写真を撮ったり、売ったりするの、予め私の了承を取り付けておくべきなのじゃないのかしら?

 すくなくとも、何がしかのロイヤルティがあってもいいのでは?

 なんか、間違っているように思うのだけどなぁ?

 今度、さく女生徒会(さくらヶ丘歴史伝統研究会)で熊坂会長に相談してみようかな?

 公式身分である生徒会副会長として、なにか適切な対応を考え、手をうってくれると思うのだけど。

 私、そんなことをあれこれ考えながら、1-Aの教室へ歩いていった。

 もちろん、どこのクラスの男子も女子も私を知っているから、あちこちから『おはよう』『おはよう』なんて、声がかかってくる。それに対して、私も機械的に返事をしながら、いつものエンジェルスマイルを浮かべて、手を振ってあげたりして。

 あらあら、そこのE組の男の子、私に見とれてないで、キチンと前を向いて歩かないと、柱にぶつかっちゃうわよ!

 って、あらら、そら、ごらんなさい! ぶつかっちゃったじゃない。痛そうねぇ! 可哀想。

 でも、そんな柱にぶつかっちゃったのは、私が悪いわけじゃないのよ。不注意にも、あなたが私に見とれちゃってて、前を見ていなかったのが、悪いのよ!

 まあ、私に見とれちゃうのは仕方ないから、今度から、私と出会ったら、女王様を迎えるみたいに、その場で直立不動の姿勢をとる方が、あなたにとっては、一番いいことかもよ。


 私が教室に入り、自分の席に座ると、

「よっ! おはよう、つかさ」

「つかさ、おはよう!」

 学君とありさちゃんが並んで入ってきた。

 本当なら、ありさちゃんといつも一緒に登校する一番の親友が私だったはずなのに。家の前の男たちのせいで・・・・・・

 これで、私たちの小学校以来の友情にヒビが入ったりしたら、どうしてくれるのよ!

 まったく、もう!

 ちょっとやさぐれた気分で、席に座っていると、視界の端にこっちへ突進してくる女が・・・・・・

「おはよう! つかさちゃん!」

 すかさず、学君が間に入って、ひかりん(D組の熊坂光)の突進を止めた。

「な、なによ! 邪魔しないでよ、このストーカー野郎!」

「うるさい! 毎朝毎朝、つかさに付きまといやがって、この変態女が!」

「な、なんですってぇ! だれが変態よ! ヘンな言いがかりつけないで!」

「変態だから、変態っていってんだよ! 毎朝、つかさに飛びつこうとして、そういうのが、ヘ・ン・タ・イっていうんだよ!」

 周りの同級生たち、『またかよ』って顔で肩をすくめるばかり。このところ、毎朝のことだし、みんな既に慣れっこ。

 私も、小さく息を吐いて、一時間目の数学の教科書やノートをカバンから机の上へ移す作業に取り掛かった。ふっと視線を上げると、部屋の隅で、同じようにしている学級委員長と目が合って、笑顔をかわしたりして。

 さて、今日も準備OKっと。

 今のうちに、お手洗いに行っておけば完璧。まだ、言い争いを続けている学君とひかりんをほっておいて、私、ありさちゃんに合図を送り、つれだってお手洗いへ。

 途中で、中川君と並んで歩いてくる佐野君にすれ違って、

「おはよう!」「おはよう!」

「おう! 神宮寺、斉藤!」

「おす! つかさちゃん、ありさちゃん!」

 私たちがお手洗いから教室へもどって、自分たちの席へつき、朝のホームルームにやってくる担任を待っていると、チャイムのギリギリにいつも飛び込んでくるのが、島崎君。サッカー部の朝錬で遅くなるだけなので、荷物はすでに机の横。手ぶらで、自分の席へ。

 そして、そのすぐ後に、担任がいつもの野太い声を上げながら入ってきた。

「オス! みんなおはよう!」

 今日もいつもの一日が始まった。


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