島田金助中佐を処刑せよ!
医務室で横になって目を閉じていると、色々な過去の「若さ故の過ち」が怒涛の如く脳内に溢れ出す。到底耐えきれない。そう思っていたら勢いよく医務室へ飛び込んでくる者がいた。巴だ。
「どないしはったんですか?大丈夫ですよ、ウチがついてますからね」
俺は果報者だな。こんな有難い言葉が聞けるなんて。それを信頼してさっきのことを洗いざらい言ってみた。
「何ですと!宮崎教授からの直々の命令すっか!超ヤベえ案件来ましたね!マジっすか!」
「マジよ。どうすれば良いと思う?そもそも命令なの?従う必要が有るの?」
そこが問題だ。宮崎教授にそんな権限が有るのか?無いなら俺が勝手に動いたことになる。静を、最新型の軍人ロボットを私的に利用したことになったのでは、それこそ同じ穴の狢だ。
「う~ん、どうなんでしょうね?ウチはそんなんが問題と思いません!ムカつくんですよ、あの人らは!ウチには目もくれんと、桜達にセクハラかましまくりですよ、マジで!ケツを触る、乳を揉む!ロリコンの変態です!成敗しましょうよ!処刑しましょう!」
さもありなん。ロリコンならそういう反応になるよな。桜達は童顔で体つきだけは大人だ。でも巴は大人の女性。それに187センチの長身でスタイル抜群。凛々しい顔つきからは気品が感じられ(但し喋るとそれは半減する)、正に大和撫子そのものだ。
「成敗かあ・・・、やっても良いの?」
「ウチはするべきやと思います!島田中佐から処刑しましょうよ!」
巴は拳を握り締める。
「合法的に葬る方法を考えないとね。どうしよう?」
喉が渇く。口腔がにちゃにちゃして堪らない。
「う~ん、ウチには思いつきません。すんまへん」
巴は暫く唸った後しゅんとする。仕方が無いか。それは俺が考えることだ。しかし、どうするか?憲兵隊から尋問を受けても地位が剥奪されていないのだから、よほど工夫しないとこっちが危なくなる。まずは島田を血祭りに上げろという命令だが、先に禿げ添えとやら、いや、舛添少将とやらから片付けるべきか?すぐに結論が出せるものでもない。あまり先送りは出来ないが、取りあえず今は置いておこう。
もう少し横になっていたいから先に執務室へ帰るよう言い渡し、俺は再び横になり、鈍くなっている頭を回転させる。妙案が浮かんでくるわけじゃない。どうしようか?いや、どうしてくれようか?上に立つ資格の無い奴を引きずり下ろす。それは抵抗権と呼ぶべきものだ。それが理論武装になるか?なるという事にしておこう。奴らの席が空くことで喜ぶ人もきっと多いだろう。そうだ、そのはずだ。
どんな手段を使って処分を免れたのか?それを解明するよりも、懲戒処分を加えざるを得ない状況に持ってゆけば良い。静に動いてもらおう。俺自ら動く必要が有るかもしれないが、奴らの狙いは静だ。そこを突こう。まずは作戦行動中の静に連絡を取ってみよう。そう思いつつ俺の意識はゆっくりと薄れていった。




