如何なる前世の因縁か
目標設定面談をさてどうするべきか?岡田がいきなりどや顔で目標設定シートを提出しようとしたから、各中隊、特に第3中隊のそれをどうするかについて悩まなくてはならなくなった。第3中隊長の渡辺は帝国放送協会大阪放送局でアナウンサーとして活躍中。報告書ですら放送協会経由だ(まだ受け取っていない)。どうしよう?
そう思っていたら机上の電話が突然鳴り響く。やはりビクッとなる。何だかなあ。おっかなびっくり電話に出てみれば、相手は如何なる前世の因縁か、渡辺であった。
「目標設定が完了したと山本から連絡が有りまして、お電話致しました。今、お時間よろしいですか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
不味いな、いきなり向こうから電話がくるとは。想定外だ。まずは相手の様子を伺うか。
「それに沿って早速目標設定面談を行います。出向している者についてはこちらで行いますので、そちらに残っている者はお手数ですが、大隊長の方で対応をお願い致します。協会の方での決定事項ですので、よろしくお願い致します」
ガチャッと電話は切れた。言いっぱなしかよ!こっちには下士官兵が多数残っているんだぞ!
文句の一つも言いたかったが、帝国放送協会と検非違使庁の関係が今一つ分からない。その辺のレクチャーを受けて、放送協会の決定をひっくり返すことができるかを考えなきゃ。面倒ごとが又増えた。他にやらなきゃいけないことが山ほど有るのに。だからそれを探して一つ一つ潰していかないと。ああ、管理職って厄介だ。何だって俺は大隊長などという仰々しい椅子に腰掛けているのか?難儀なことだ。




