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嘲りの朝

「大袈裟に考え過ぎじゃないかね?そう、君の考え過ぎ。何て言う事なんてないから、仕事に戻りなさい。カウンセリングなんて必要無いよ。だって君、喋らないだろう?」

顔の見えない医者はそう宣告する。身も蓋も無いことを。俺は憤るが声は出て来ない。

「異議は無いね?仕事に戻って!」

たちまち大隊長室の机に座っている。うず高く積まれた書類の山。それにも関わらず、報告と称して入れ替わり立ち代わり俺に話を聞くことを強制してくる。

「はら見ろ。何だかんだで、ちゃんと仕事が出来てるじゃないか。これだから女は。ちょっとしたことで騒ぎ立てて動きを止めるんだからなあ。家庭に入って専業主婦してろよ。それを希望しているんだろ、どうせ」

げらげらと笑い声が聞こえる。違うだろ!俺は男だ。男に言い寄られてショックを受けないわけないだろ!しかしそんな声が届くわけはなく嘲笑する声がどんどん大きくなっていく。

 ふと気づけば、俺の手には96式機関拳銃があった。握り締めて狙いを絞る。引き金を引くと弾丸が発射される。轟音とともに全弾発射されたらしい。瞬く間に目の前に死体が転がっている。さっき嘲笑していた連中かどうかは分からない。ただそこには硝煙の匂いと血だまりが拡がっているだけだ。うん?硝煙?本当に?何だか糞の臭いじゃないか、これ?いや、カレーなのか?良く分からなくなってきた。

「アホな夢見てないで、早よ起きて下さいよ!ほら、朝ですよ!」

巴の声が聞こえる。かと思えば、

「起きて~ねえ、起きてよ~」

桜の声も聞こえる。体を揺さぶられているようだ。ああ俺、目が覚めたのか。でも、瞼を開けられない。

揺さぶりはまだ終わらないので、

「ううん、もう朝?」

ようやく声を出す。

「そうだよ!」

桜のひときわ元気な声が響き、腕を掴まれる。そうすると今度は背中を支えられ、強制的に起こされる。

「もう、寝坊助だなあ。もう7時になりそうだよ。ニュース始まっちゃうよ?」

そうか、ニュース・・・。また「お掃除」の成果がどこかで放送されるのか?まだ憂鬱な気持ちが続きそうだ。

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