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機関拳銃は苛立ちを解消してくれるか?

 以前から俺の大隊の実質的な指揮官は第1中隊長の二神大尉で、俺はその上に置かれた重しに過ぎない。そう思っていた。ものの見事に部下もそう考えていたという事だろうか?それとも単に本省に対して腹を立てただけか?

 どちらでもいいやそんなこと。取りあえずやることをさせねば。本省からの命令というのは腹正しいものがあるのは否めない。しかし本省直轄の部署である大阪人工知能研究所の附属部隊なのだから、止むを得ないに決まっている。それにこちらとしても数字を稼がねばならないのだから、渡りに船と位置付けることもできる。

 とにかく中隊長の川本が不在ならば司令部付きの他の将校に任せなければ仕方が無いのに、あの態度なのはどういうことなのか。電話では埒が明かないのかもしれないので執務室まで出向いてやるか。決裁承認した決議書を持ち大隊長室を出ると、桜と西村が待ち構えていた。

「ボクが持って行ってあげる!」

桜の快活な声を聞くと何故か心が痛む。眩しすぎるからか。

「何言ってるんですかねえ~兵長は。お手間を取らせるのは何ですから、この不肖西村健が代わりに行って差し上げます」

西村のやや芝居がかったセリフに少々ムカつくのは、二神に対して小芝居はやめろと言えないストレスがあるからだろう。

「話が有るのよ。そのついでに持ってゆくだけ」

「そっかあ」

2人ともがっくりとなる。それを尻目に地下2階へ向かう。

 地下2階の第2中隊司令部へ着いたらまず決議書の束を渡し、田中を問い詰めることにする。だが予想に反して上手くいかない。気弱そうな男だから直接出向いて指示すれば渋々だろうが何だろうが、最終的にはこちらに従うと睨んでいたがまるで手ごたえがない。のらりくらりと躱されてしまう。伊達に年は食っていないという事か。仕方が無い。

「田中さんの見解は伺いましたが、だからと言ってそれに合わせる必要は有りません。何もあなた一人に全てやれとは言っていませんから。明日川本さんにお話ししておくことにしますから、準備はしておいて下さい。よろしいですね?」

うんともすんとも言わない。何だかむかっ腹が立つ。

 だから巴と梅を呼びつけ、射撃訓練にすることにした。今度は機関拳銃に挑戦だ。

「はい。これが我が軍の制式採用機関拳銃、96式機関拳銃です。結構重いですからベルトを使って吊るして下さいね」

巴は特に何も言わずに射撃訓練に付き合ってくれた。梅も嫌な顔一つせずに書類を作成してくれた。本来これが当然。上官の命令に従わないというのが許されるはずはない。それが翻っていることに苛立つ。別に的を田中に見立てていた訳じゃない。だが弾丸を撃ち込まずにはいられなかった。



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