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処理権限がありません。処理を打ち切ります。

 喉が渇いてヒリヒリする。口の中の渇き。どうすることもできない身体症状。

「貴様・・・何をしている?一体何を?通達集の中に禁止事項として挙げられているぞ?それを知らないとでも?」

ゆっくりとした静かな、そして威圧感の有る喋り方。これぞ秘密警察の一員の声だ。

声が出て来ない。先ほどからの渇きのせいか?

「理解したな?処分も行われるぞ?」

唐突に電話は切れた。息が荒くなる。落ち着け、落ち着け。

 心配そうに大隊長室へ入ってくる兵達。桜は、

「どうしたの?大丈夫?」

と聞いて来るので頷く。それにしてもどういう事だろう?住民(国民だけではなく、永住権が有る若しくは長期滞在中の外国人を含むため)の様々な記録、戸籍・住民票に始まり保有する全ての銀行口座とその口座番号、学校における成績・近所の人々からの評判まで、ほぼ全てと言える膨大な記録。我々検非違使庁の人間ならほぼ無制限にアクセスできるはず。確かそうなのだ。触ったことはないが、それを基にした決議書・報告書は山の様に決裁承認してきた。部下にアクセス権限が有るのだから俺にアクセス権限が無いという事は無いはずだ。

 薄気味悪い。「処理権限がありません。処理を打ち切ります」、その無機質なメッセージが持つ意味。俺にはそんなに権限が無いのでは?そう言えば、二神が本省相手に怪気炎を上げていたことが有った。俺がただ椅子に座って判をつくだけの存在と認識しているのが怪しからんと。疑念が一旦生まれると際限なく頭の中で成長する。こんな時に医務室などへ行くと必ずそうなる。だから椅子に座り呼吸を整えた。

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