表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

85/102

男神の復活3

【男神の復活3】


 次は、揚げ大鮫魚の甘酢あんかけ。


『大鮫魚って?』


 徐福が蓬莱山へいこうとしたら通せんぼをしていたでかい魚。

 始皇帝自ら船に乗り出し、弓を放って倒したという。

 それが「大鮫魚」という妖魔。


『ちょっとまって。つまり、大鮫魚って前世地球にいたとされる伝説の魚?』

『そうじゃ』


『それに、退治されたんでしょ?まだいるの?というか、この世界にいるの?』

『知らん』


 はい、詰みました。

 ゼロス様はいい加減なことがよくわかってきたので、

 ハデス様に聞いてみる。



『大鮫魚?どっかで聞いたことあるなー。ちょっと待って。ウチにある本を調べてくる。何にもないけど、世界樹の幹から絞り出したジュースでも飲んでて』


 世界樹をよく見たら、太いパイプみたいなものが幹に突き刺さっている。

 そんなことして大丈夫なんだろうか。


『この魚のことかな。次元の狭間でさまよう魂を食らう、と出ている。これは次元の狭間の研究者アーチェミーに聞くしか無いかな』


 なんだか、まさしく次元の違う話になってきた。

 そんな魚を討伐できるのかな?



 次元の狭間にいる研究者というのは、前世日本からこの世界に転生した元日本人科学者だった。


 ロレンツォが城で読んだ日本語の古文書は彼が執筆した。

 彼はこの世界で魔法を研究しつくし、

 この世界の発展に寄与した。


 しかし、文明が発展しすぎて人々は文明の利器に頼りすぎ、

 古代文明は滅んでしまった。


 彼はさらなる高みを目指して次元の狭間を発見、

 ここを根城にして生命の神秘を研究している。


 その研究の成果の一つが、死後に次元の狭間でさまよう魂の制御だ。

 その一つが“僕”の魂であったわけだ。



 しかし、これが前世地球の次元では大問題になった。

 膨大な転生者がいるのだが、管理は厳格であった。

 一人の転生者の行方不明に対して厳しい管理責任を問われた。


 管理責任を問われたのは、転生者を管理するオルフェである。

 彼女は地位を2段階降格された。

 その上で、魂が失踪したと推測されるこの次元に飛ばされた。

 失踪した転生者を見つけるためにである。


 ただ、見つけても1段階昇格するだけで、元のポジションには戻れない。

 つまり、元の世界には戻れない。

 だから、失踪者がどうなろうとオルフェは興味を失っていた。                                                                               


 ロレンツォはハデスに言われた通り、アーチェミーに会う前にオルフェの元を訪れた。

 彼女の家に訪れると、ドテラを着て頭がボサボサの女性が出てきた。


『オルフェさんですか』

『訪問販売なら間に合ってるよ』


『いいえ、僕たち、ハデスさんの紹介で伺いました』

『あー、何用?』


『アーチェミーさんのところへ行きたいんですが』

『めんどいから、またね』


『オルフェさん。これ、つまらないものですが』

『このスィーツは○屋銀座の“銀座ハニー”。こっちはパリローランド・ゴダールの苺タルト。そして、こっちは……』


 これには、ハデスのアドバイスがあった。

 スィーツをお土産にもっていけと。


 オルフェはロレンツォの持ち込んだスィーツを見るや、トロンとした目に光が宿った。

 降格前、彼女は休暇になると前世地球をうろついて、スィーツめぐりをしていたのだ。


『もう一生会えないと思っていたスィーツが』


 一生、というのは宇宙の一生に等しい。

 それはいったい何十億、何百億年の話であろうか。


 それがこの貧相な世界で夢にまで見たスィーツに再開した。

 彼女がロレンツォになびくのは一瞬のことであった。



 彼女は転生者の管理責任者として、次元の狭間へと通じる秘密の入り口を知っていた。

 次元の狭間にいる元日本人転生者~アーチェミーのことも把握していた。

 彼の発見によって、前世地球への転移門が次元の狭間に設置されていた。


 これを使って、彼女はこっそりと元の次元へ帰ろうと試みたのだが、

 上手く行かなかった。


 次元を横断するほどのエネルギーを彼女が持ち合わせていなかった。

 そもそも次元横断するには彼女は虚弱すぎた。



『次元の狭間へはその転移魔法陣を使えば一瞬で行ける。転移魔法を使える君なら問題ないよ』


 オルフェには月10セットもってくることにした。

 スィーツは彼女に活力を与えたようで、彼女の身なりは改善され、

 いかにもできる女子風に変身するのであった。


 ロレンツォはマリアを連れて転移魔法陣で転送してもらう。

 転移魔法陣は、前世の伏見稲荷神社の千本鳥居のようだった。

 鳥居をくぐり抜けると次元の狭間につながった。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ