男神の復活2
【男神の復活2】
というわけで、僕たちは世界樹の根が生えていたという場所を下っていった。
枯れた根が広い空洞になっていたのだ。
段々と地鳴りが聞こえてくる。
下で何か巨大なものが大暴れしている気配が伝わってくる。
行ってみると、長さ50mぐらいある巨大な蛇がのたうち回っていた。
『ちょっと鑑定してみるわ』
すると、
名前 ニーズヘッグ
年齢 ∞ 性別 M 種族 毒蛇
HP ∞ MP ∞
【状態】
猛毒
『ニーズヘッグって名前の毒蛇で毒にやられているようやで』
『毒蛇なのに毒にやられているって?』
『どうする?』
『どうするもなにも、退治しよっか』
『まてまてまて!オレは良い蛇だぞ。頼む、この苦しみから開放してくれ!』
『なんて言ってるけど、どうする?』
『退治一択でしょ』
『ほんと、ちょっと待てって。オレを退治したら、地下に大穴があいてこの世界は陥没するぞ』
『なんて言ってるけど、どうする?』
『嘘っぽいよね。陥没するか試してみよっか』
『お前らは悪魔か?』
僕も真偽はともかく、世界の混乱は困るから治すことにする。
『マリア、スィーツ増強な。頼むよ』
『その言葉、待ってたで』
マリアは言うなり、最大出力の光を蛇に放出した。
蛇はみるみるうちに紫色だった表皮が健康そうな色に変化していく。
『さすが。女神だって疑ってたけど、見直したよ』
『アホか。スィーツ、忘れちゃあかんで』
『ふう。有難う。ん?女神って、おまえ、ひょっとしたら女神ブランディーヌか?』
『そうや。なんか、偉そうな蛇やな』
『あのな、お前が失踪してから天界が汚れたろ。それが地下にまで影響したんだぞ。地下に泉があったろ。あの水がしらんうちに汚染されてな。だから、世界樹の根っこが枯れてしまった。普段、オレは世界樹の根っこを食べて暮らしているが、煽りをくらってオレまでこの通りよ』
『なに、女神ブランディーヌが悪いの?』
『そうだ』
『マリア。だってよ。泉も綺麗にしよーな。あと、スィーツは無しな』
『そんなー泣』
マリアは泣く泣く、泉の水を綺麗にした。
『この泉が汚れたのは、女神ブランディーヌのせいだって?』
『そうみたいですよ、ハデス様。下のニーズヘッグっていう大蛇が言ってました』
『そうかー。その蛇は本来は世界樹の老廃物を摂取してそれを肥料にしてくれるんだよね。この世にはなくてはならない存在なんだ。それにいなくなると大穴があいて世界が崩壊するし』
蛇の言ってることは本当だった。
言い逃れかなんかじゃなかったんだ。
泉が綺麗になったことで世界樹は復活した。
世界樹はみるみるうちに生気が回復し、どんどんと上に成長していった。
『じゃあ、ハデス様。僕ら上にいきます。あ、遅れて申し訳ないですけど、これ、お土産です』
『ほお、こりゃおいしそうだね。有難う。僕からのお礼は何がいいかな』
『僕の望みは、転生前の世界に行くことですね』
『君は転生者か。ふむ。次元の狭間の研究者を紹介してあげようか。アーチェミーといって、彼とは友達でね。ただ、彼に合う前に仲介となる女性の元へ行ってほしいんだ。その魔法陣を使ってね。転移先で僕の名前を出せばいいよ』
『ありがとうございます。また寄らしてもらいます』
僕は転移魔法陣から地上に戻った。
世界樹が復活していて、ものすごい勢いで上空へ成長している途中だった。
世界樹は直径が100mを越えるような大樹であった。
しばらくすると、天界でも世界樹が復活。
世界樹の葉と雫を大量に獲得した。
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