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【酒】


 帝国用の酒として、まずはラム製造から始めた。

 それを元に、いろんな素材で酒を作ることにする。


 ラムは比較的簡単な酒だと思う。

 廃蜜糖を使うので、サトウキビ砂糖を作る過程でできる産廃を利用している。


 そのまま寝かしていても酒になるが、パン酵母で酵母の作り方を知っているので、ラム酒用の酵母を作る。

 その酵母で醸造酒を作る。


 酒の蒸留器は1セットを見本で納めた。



 これで、エール、つまり古代のビールが劇的な進歩を遂げた。

 ラム酒で練習を重ね、そのノウハウをエール製造にも生かしたのである。


 この時代、エールは貧乏人が飲む酒であった。

 ところが、新しいエールは品質が格段に向上した。

 フルーティできめ細かく芳醇な味わいのする飲み物になったのだ。



 この世界ではワインが主流だったが、エールの炭酸の爽やかさが受けて、

 特に夏場はエールが圧倒的な売れ行きを示した。


 その背景には、僕が冷蔵魔道具を提供したからである。

 この冷蔵魔道具は、ウチの領地の特産品になった。


 いろいろな人が真似をしようとしたが、

   筐体の鋼製が高く付く。

   動力源を真似できない。

 の2点で断念することになる。

 ゆくゆくはしっかりしたものが出てくると思うけどね。


 さらに、エールの容器をガラス瓶とした。

 この時代、ガラスは高価だし、瓶にするには手間暇がかかる。

 新しいエールでは、ガラスの素材を大量に提供し、ガラス瓶は魔道具で大量生産ができる。


 また、王冠の作成魔道具と技術も提供した。

 今までのコルクによる栓に比べて炭酸が品質を保ちやすく、

 目新しさも相まって、エール用のガラス瓶は好評をもって迎え入れられた。



 エール作成時にできる二酸化炭素をドライアイスにする魔道具及び技術を提供したので、炭酸系の飲み物が増加した。純粋な二酸化炭素のみをドライアイスにするので、飲用しても問題ない。


 というのは、前世のドライアイスは一般的に飲用に向いていない。

 不純な物質が混じっている可能性があるからだ。



 エール醸造を利用して、ウィスキー蒸留にも取り掛かった。

 お祖父様のエールやウィスキーとバッティングするが、それは問題ない。


 何しろ、お祖父様のエールやウィスキーはまるで品不足であった。

 むしろ、ドワーフを初めとして品不足に対する不満が和らいだ。


 もっとも、帝国の力をもってしても、完全には品不足が解消しなかった。

 酒の原材料や容器、魔道具の材料からして不足がちなのだ。

 構造的に増産が難しいのだ。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

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