ボネース帝国が攻めてきた1
【ボネース帝国が攻めてきた1】
僕は次男王子が攻めてくるときいたとき、
東隣のボネース帝国に内通しておいた。
多分、王国は大騒動になりますよ、と。
王国と帝国は首都の東側、国境線近くに紛争地帯を抱えていた。
王国はウチと人質交換に混乱をきたしている。
その混乱に乗じて、帝国が攻め込んできた。
元々、国力差がありすぎる。
それにもかかわらず、ジョージャン王国は軍が弱い。
王国は神聖イスタニアンと帝国の緩衝地帯にあり、両国とも攻め入ってこないと謎の確信をしていたため、備えを怠っていた。
しかも、多数の貴族が兵の呼集に応じなかった。
王家への忠誠心は地に落ちていた。
それは貴族だけではない。
民心もすっかり王家のもとを離れていた。
帝国軍は無人の野を進むが如く、ジョージャン王国の城をめがけて進軍した。
『これで王族は全員か』
『城に残っている者としては全員です。王、正妻、一人の側室、長男、4男の5人です。三男と長女は他領地にいる模様。次男は三男との争いで処分されました。次男の母親は行方不明です』
『よし、その他のものは後回しにするとして、全員処刑せよ』
『『『『『お願いします。どうかお慈悲を』』』』』
『おまえら、周りからどう見られているか知っているか?悪評で怨嗟が渦巻いておるぞ。国境付近では王国からの難民で我々は頭を痛めておる。為政者としても一人の人間としても、ジョージャン王国の王族は最低・底辺クラスだ』
『全員火炙りにしたか』
『はっ。民が喝采をあげておりました』
『ほー、哀れなもんじゃの。相当恨まれておったというわけか。流石に悪政が隣国まで聞こえてくる国だけあるわ。まさしく他山の石じゃ。では、残りの王族を討伐するか』
『三男のロレンツォが北の奥地に飛ばされています。それと、長女のセリアージュ。彼女は三男と行動を共にしていると見られています』
『飛ばされたか。愚才なのか』
『魔法がなくて宮廷を追放されたとのことですが、どうやら魔法の才を隠していたらしいです』
『ほお。そうまでして城から離れたかったということか?若いのに目端が効くの』
『三男に対するジョージャン王国の討伐隊約1万があっというまに壊滅したとのこと。決して気を緩めてはなりませぬ』
『うむ。帝国南西部の最大動員兵力をもってことに当たれよ』
『陸上部隊3万人。水上部隊5千人。うち魔法部隊3千人。さらに竜騎士部隊百体。敵はせいぜい3~5百人ほどと見られています。塵も残りますまい』
王様、王族、全員処分された。僕とセリア姉さんを除いて。
僕の王位継承権は喪失しているが、見逃してくれなかった。
首都陥落の勢いそのままでウチの領地まで攻め込んできた。
概ね、次男王子が攻めてきたことと同じ戦法を取るが、
帝国には空からの攻撃がある。
帝国自慢の竜騎士部隊だ。
【帝国軍王国北部討伐軍総司令部】
『王国軍は誠に弱いの』
『これほどの弱兵とは思いませなんだな。まるで荒野を走るか如くの進軍でございますな』
『王族は処刑したが、残る三男王子を討伐するために我々3万もの大部隊が向かっておる。しかし、魔法が発現しなくて城から放逐された馬鹿王子だというではないか。過剰すぎやせんか』
『帝国自慢の竜騎士まで出してくるほどの相手とは思えませんが、上からの報告によると、三男王子は稀に見る魔法使いだという噂も。念には念を……』
『伝令!川からの進軍部隊、全滅した模様!』
『馬鹿な!5千からなる軍勢だぞ。どうやったらそんな報告ができるのだ?』
『現場が混乱しておりますので、正確なところはわかりませんが、川底に数多の攻勢魔道具が隠されており、大渦と竜巻が起こって瞬時に壊滅したとのこと!』
『伝令!森からの進軍部隊、敵からの攻撃により潰走しているとの報告が!』
『はぁ?森からの部隊は3万人の大部隊だぞ』
『夜間に、あっという間に指揮官クラスが敵に捕らわれた模様!指揮系統をなくし、大部分が森をさまよっているようです!』
『指揮官クラスがいなくとも、命令系統ははっきりしているはずだ!』
『何分、夜間のことではっきりわかりませんが、突如大爆発とともに大蜘蛛の大群が闇に乗じて襲ってきたとのことです。毒や麻痺攻撃を多用して、最後は蜘蛛の糸にくるまれるか、地面に埋められるか、森の中は大惨事になっております!僅かに森を抜け出せた者によると、森の中は迷路のようになっているとのこと!また、発狂したもの多数!』
『3万人の軍隊だぞ!』
ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。
励みになりますm(_ _)m




