焼き肉レストラン
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【焼き肉レストラン】
お祖父様は酒の販売と同時に、焼き肉ビジネスも全国展開し始めた。
形態は3つ。
①鉄板焼
高級店として、目の前で等級の高い肉をシェフ自ら焼くシステム。
時々わざと炎をあげて視覚効果を高めている。
②セルフ焼肉店
前世日本でいう焼肉店。肉は客自ら焼くスタイル。
無煙ロースター魔導装置を開発しているので、臭いの心配が少ない。
帰りには清浄魔道具で臭いを消すので安心だ。
③ホルモン店
当初は庶民の店筆頭であるホルモン店であるが、
その美味しさが広まるにつれ、むしろ肉本体よりもプレミアムが
ついてくるようになった。
そこで上質なホルモンを①や②でも展開するようになった。
全ての店において、自慢の酒(エール、ウィスキー、炭酸系)も提供する。
肉の美味しさとともに、品薄であるガルディーニ印の酒が飲めるとあって、
全ての店で数ヶ月先の予約が埋まる活況を呈した。
ジョージャン王国には13の中心的な都市がある。
ラオザ、ビンザ、ヤザ、ツェンガ、キンザ、シャディン、ウーチャン、インザ、ルイーズ、キーオン、ヨンナン、ハンズ、ジャンチャンである。
全ての都市に支店を出店した。
無論、転移魔法陣をおいてあるので、お祖父様の息子であるフェルモ叔父さんが肉の供給先であるティオルマー島の事務所を含めて14箇所を毎日のように飛び回っている。
フェルモ叔父さんに転移魔法を教えた所、適性を示した。
叔父さんは一人でも転移魔法陣を使えるのだ。
『フェルモ叔父さん、仕事のほうはどうですか』
『無茶苦茶忙しくなったけど、精神的には前向きでいられるから、宮廷時代よりも健康になったよ』
『ああ、すっごくわかります。僕も今の領地に来てから毎日ぐっすり眠れます』
『それに完璧な売り手市場だから、やっかみはあってもそれが僕までは届かない。表向きはみんな揉み手しまくりさ。傲慢にならないよう気をつけてるぐらい』
『ワシも店に顔を出したいんじゃがの』
『あなたは1週間に一度だけ。そうじゃないと毎晩あばれるでしょ。店の人達、貴方がくると大変なのよ』
『いや、普段はよーくわかっとるつもりじゃが、酔っ払うといつもタガがはずれてしまっての』
なんだか、話が変な方向にいきそうなので、
『そういえばお祖母様、頼まれていた宝石の見本、こんなんでどうでしょうか』
お祖母様は以前僕に注文したダイヤモンドをつけて社交にでかけたところ、注目を浴び、紹介依頼が殺到したのだ。
それで、仲のいいお友達のみ限定で宝石を紹介することになっている。
そのための見本を頼まれていたのだ。
僕はお祖母様に宝石入りの宝石箱を見せた。
宝石箱は黒地の漆塗りに金粉蒔絵をあしらったものだ。
『まあ、なんて豪華な宝石箱なの』
『ウチの精霊様であるノームに作ってもらったんですよ』
『この箱だけでも芸術品よね。で中身は』
中身は同じカットをした誕生石12種類だ。
ガーネット、アメジスト、アクアマリン、ダイヤモンド、エメラルド、ムーンストーン、ルビー、ベリドット、サファイア、ピンクトルマリン、シトリン、タンザナイトである。
大きさは10カラット程度で統一。
鉱物はノッカーさん、カットはノームさんの仕事である。
『なんて素敵』
お祖母様は吸い寄せられるように宝石に魅入っている。
『お祖母様、その蓋をあけてもらうと、2つのネックレスが入っています』
『まあ……』
お祖母様は絶句した。ブルーダイヤモンドとイエローダイヤモンドのネックレスが入っていた。ノームさん渾身のネックレスだ。20カラットはありそうな大粒のダイヤモンドで、周りも数多のダイヤで飾り付けられている。
『これはちょっと人に見せられないわね。きっと事件が起こるわ』
『では、お祖母様、それは早めの誕生日プレゼントということで』
『こんな高価なもの、頂けないわ』
『お祖母様、内緒ですがウチにはそんな石ゴロゴロあるんですよ。精霊ノームが世界中から探し出してきますから』
さすがの豪傑お祖母様も二の句がつげない。
多分、それら2つの首飾りだけで最低でも数億はする。
オークションにかけたら、青空天上かもしれない。
お祖母様には後日“ダウングレード”の装身具をいくつか渡した。
お祖母様の見立てでは、数百万から数千万程度の価格になるだろうとのこと。
僕は宝石にはあまり興味がない。
しかし、ウチの女性陣が宝石好きだ。
というか、女性は宝石が大好きなんだろう。
古今東西を問わず。
ウチの女性陣、つまり姉さん、フィナ、マリアは装身具ができたそばから持っていってしまうので、彼女たちの宝石箱は大変なことになっている模様。
『ロレンツォ、ダメなのよ、体が宝石に吸い寄せられてしまう』
理性的なセリア姉さんでこれである。
自重知らずのマリアならどうなるかは自明だ。
マリアはベッドの上に宝石とかゴールドとかをばら撒いてその上でバタバタしてるからね。彼女曰く、泳いでいるんだと。
時々、宝石が体に突き刺さるのだが、心地がいいらしい。
とんだマゾ気質を見せるマリア。
王国随一の回復魔法持ちだから、傷跡も全然残らない。
嫌って言うほど装身具を身に着けて身動きできないこともあった。
『ロレンツォ、宝石はずして。体が全然動かんわ』
100個ぐらいの装身具を身に着けベッドに寝たきり状態のマリア。
身動きとれなくなるまで宝石をつけて、そこで全力を使い果たしたらしい。
あれだな。猫が木に登っておりられなくなるのと同じだな。
後先考えない。
面白いので、猫じゃらしで全身をくすぐってやったら、涙を流して喜んでいた。
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