表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

58/102

元山賊たちを呼び寄せる

誤字・脱字・感想等ございましたら、遠慮なくお願いします。

【元山賊たちを呼び寄せる】


 領地の噂がどんどん広まって、周囲の街や村から移民希望者が毎日のようにくるようになった。


 たくさんきてもらうのは嬉しいのだけど、受け入れ体制が間に合わない。

 それと、スパイ疑惑のチェックも必要だしね。


 スパイは、王家がらみと、いわゆる産業スパイだな。

 ウチには鑑定のできる聖女マリアがいるから、まず嘘はつけない。

 それに、僕も自白魔法を持っている。


 実際、おかしな人物は何組かいた。

 たいてい、ランベルト・ブートキャンプに送り込んで、

 1から鍛え直している。主に、精神を。

 正直に言って、この手合はもう勘弁してほしい。

 単純すぎるからだ。


『ねえ、スパイかどうか私の鑑定いる?ひと目でわかるやん』

『ホントだね。まるでスパイの名札つけてるみたいにわかりやすい奴らばかり』


 特に王家から送られてくるスパイは馬鹿ばかりだ。

 1km先からでもスパイだとわかるような奴らばかりだ。

 見ただけで一発で見破れる。


 流石に、指示元の知性が反映しているのだろう。



 産業スパイは王家由来に比べると少しだけ手強い。

 しかし、この世界の人々は基本的に素朴だ。


 人を騙すことは多くの人物が行う。

 しかし、手口が幼稚なのに、人々は簡単にそれにひっかかる。

 前世でオレオレ詐欺ってのがあるけど、あれをこの世界でやったら間違いなく大量入れ食いだ。


 だから、詐欺とか横領とかが非常に多いのに、中身が洗練されてなくて、知能犯という名前が恥ずかしいぐらいだ。

 ランベルト・ブートキャンプの精神修養に恐ろしいほどの効果があるのはそのせいもある。



 通常の移民希望者は、ザップ出身者が多い。

 Uターン移住だな。

 それ以外だと、女性が多い。


 みんな、スィーツに釣られるんだよね。

 そして、家がタダだとか、生活便利魔道具の存在に痺れてしまう。

 シングルマザー支援の豊富なのも、女性に人気の理由の一つだ。


 移民希望者については、若い人とシングル・マザーは無条件に受け入れている。

 女性は基本的に真面目な人が多いから。


 そうじゃないのもいるけど。

 女性にあぐらをかいているような人は、無条件にランベルト行きだ。

 徹底的に根性を鍛え直してもらう。


 それ以外は、高度な技術者を中心に受け入れている。



 女性ばかり集まってくることもあり、僕は元山賊も村の近くに引っ越しさせることにした。

 元山賊といえども全員が更生しているし、過去をいちいち取り上げていると始まるものも始まらない。


 移民たちには移民の印として腕輪をしてもらっている。

 これは村民も同様なんだけど、特に村の周囲にアトラクさんの眷属がいる。

 腕輪をしていない人物は敵認定されて、最低捕縛、最悪食べられてしまうのだ。


 移民たちにはそのことを周知徹底させている。

 この村の福祉厚生は分厚いし、ご飯も最高に美味しい。

 でも、悪いことをしたら村追放だし、蜘蛛が待ち構えているからね。

 と軽く脅しておく。


 山賊たちは僕とランベルトによって、トラウマに近い指導を受けているから、

 まずそんな羽目にはならないと思うけど。



 山賊の中には、元兵士もけっこうな数がいる。

 その中で有望なものを村の警備隊に組み込んでいる。

 村の警備隊は、専属だ。

 農作業から開放されるが、その代わりランベルトの指導が待っている。


 それでも、村の特に若い連中にとっては憧れのポジションのようだ。

 女性からの熱い視線があることもそれを後押しする。

 危険をしょってくれる存在には古今東西憧れの感情を向けるものだ。


 村の人口が3千人前後になり、村の警備隊は100人を越えた。

 ウチのドワーフや精霊たちが優秀なので、武器や防具は王国でも随一といってよい品質を誇る。


 これに加えて、ランベルトの厳しい指導が加わるから、

 ザップ警備隊の攻撃力は王国でも抜きん出ていると思う。


 それと、山賊の元頭の一人だったバジーリオという人物が

 東隣のボネース帝国の元百人隊長だった。


 博打癖が悪く、帝国からこちらにやってきた。

 この人物が人品も悪くなく、腕・指導力共に良いものがある。

 それで、彼を警備副隊長に引き上げた。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ