ダンジョン発見3
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【ダンジョン発見3】
ゴブリンを殲滅したあと、地下2階を探索してみた。
地下3階はないようだ。
何か強い反応があった。
気配を消して反応に近づいてみる。
『(オークだ)』
小声で僕たちは敵を確認する。
オークは豚が魔物化したものだ。
体長は2mを軽く超える。
知性もあがっているはずだが、せいぜい5歳児ぐらいだ。
そんなに敏捷な魔物ではない。
残忍なのはゴブリンと同じだ。
しかし、力は半端ない。
パンチ一発で人間の頭はザクロになる。
逆に言えば、近づかなければ楽な相手だ。
『どう攻める?ランベルト』
『通常なら、落とし穴か、遠距離攻撃がベストです。しかし、あえて近距離でやってみましょうか。タンクの練習で』
一気に青ざめるグストフとバジーリオ。
『さすが、重いコンダラ……』
僕の口癖が彼らに移ってしまったようだ。
何故か、スパルタの代名詞になっている。
さて、目標のオークは一体であるが、
今後は複数のオークも想定する必要がある。
『じゃあ、ゆっくり近づいてみようか』
『へい……』
涙目のグストフとバジーリオ。
『気合入れて。さあ行くよ!』
僕は二人に結界・防御魔法をふりかける。
途端に怒りの目を向けるオーク。
フゴフゴと鼻息がこちらにも聞こえてくる。
グストフとバジーリオが盾を構え、挑発魔道具を使用した途端、
オークは二人めがけて突進してきた。
『ドガーン!』
凄い勢いでオークが盾にぶつかってきた。
500kg以上の物体がぶつかってくるんだからな。
結界・防御魔法とアラネタさま防具、二人の実力でオークを受け止める。
すかさず、ランベルトは剣を一閃。
頭と胴体があっという間に離れた。
『オークは勢いだけ止めてしまえば簡単ですな』
『いや、ちびったぜ』
『オレも……』
『今回は全く出番がなかったですな。残念残念』
『じゃあ、アレッサンドロ。次はタンクやってみる?』
『い……』
反応する前に盾を押し付けられるアレッサンドロ。
その後、2体のオークと遭遇した。
僕もこわごわながらタンクを経験した。
身体強化魔法で体を強化しているので、僕はオークと相撲をしてもいい勝負ができると思う。
それでも、怖いものは怖い。
なお、ランベルトは素手でもオークに勝ってしまう。
ひょっとしたら、素手なら人類最強じゃなかろうか。
強い敵は地下2階にしかでてこない。
とりあえずは地下1階を中心に探索がてら皆が魔物狩りの経験が積めそうだ。
僕たちはダンジョンを出ると、早速自警団を編成。
ダンジョンへ訓練に向かう。
このダンジョンはまだ若いようだ。
今はランクの低い魔物しか出現しない。
しかし、この先もそうだとは限らない。
強い敵、未知の敵が出たら即逃走するように。
これには念を押した。
ただ、逃げ方がある。
目の前に敵が現れてパニックになって逃げるとたいていやられてしまう。
索敵・発見を徹底するように。
そして、緊急事態がおきてもパニックを起こさないように。
まあ、口で言うのは簡単なんだけどね。
野獣や魔獣の殺意は慣れないと体が硬直してしまう。
イノシシとか熊など足の速いのもいる。
それと、僕らでもオークの体当たりを受け止めるのはなかなか大変だ。
体重でもっていかれるからだ。
編成は、次のようにした。
タンク1~2を守備専、挑発魔道具と結界・防御魔道具常備。
魔導銃2は基本的に中・遠距離攻撃中心。
探索1は回復を兼ねる。
全員、アトラク防具で装備を固めている。
問題は、近接戦闘。
突発的な争いになったときの訓練を重ねた。
近接では銃が使いにくいときがある。
剣などの練習も必要だ。
ダンジョン1階はゴブリンしかでないので、まずはそこで訓練。
見込みのあるチームは地下2階におりてオークなどを相手とした。
この組み合わせは対人でも有効であり、この構成をもって一個分隊とした。
3~5分隊で一個小隊。
人口が3千人になったときに自警団は100人を越えた。
5分隊25人の小隊を4つ作ることになった。
この魔導銃軍団、40丁の魔導銃から繰り出される弾丸は捕捉した対象を追尾する。必殺の兵器だ。相手が数百人程度ならば完勝。2~3千人でもおそらく楽勝できるんじゃないかと思う。
しかも、爆発魔法を弾丸にこめられる。
大砲の役割を兼ねることができるのだ。
ただし、魔導銃を使うのは最後の手段だな。
むしろ、自衛のための武器だ。
魔導銃を使わなくても大規模な軍隊に完勝できる方法はアトラクさんに頼む以外にも考えてある。
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