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自警団

【自警団】


 村の自警団も組織した。

 団長をアレッサンドロ32歳。

 元B級冒険者で専任とした。


 ランベルトほどではないが、なかなかの剣の腕前だった。

 僕では絶対に剣では勝てない。


 相談役に執事ランベルトがつく。

 この二人は固定。

 二人は毎日稽古するようになった。


 自警団の事務にアレッサンドロの奥さんのベネデッタ25歳。

 彼女もC級冒険者だったので、弓とか上手い。

 ちなみに子供は長女のビアンカ7歳。

 奥さんに似てしっかりものだ。



 また、村人には大人も子供も戦闘訓練に週1回出ることを義務付けた。

 自警団は毎朝2時間、6~8時に練習しているから、

 それに出席するのだ。


 これは15歳以上、老若男女関係なく。

 それぞれに応じた練習をしてもらう。



 能力のあるものは希望があれば自警団に入れた。

 お陰で、自警団は10人の専属ができた。

 みんなそこそこ強い。

 少なくとも、身体強化魔法なしだと剣は僕より強い。



『ランベルト、新人さんか?』


 ランベルトが見慣れない少年を(しご)いている。

 少年といっても、18歳ぐらいだろうか、この世界では大人だ。


『こいつ、少しばかりヤンチャでして。親から頼まれました』


 ああ、自警団では“性格矯正”も請け負っている。

 15歳以上ならば、老若男女問わず受け入れ、ランベルトの指導を受ける。


 何しろ、僕が“星○徹”と密かに呼んでいる程度には厳しい。

 星○徹とは、アニメで有名な教育パパのことだ。

 重いコンダラをひかせたり、酷いことをする。


 この世界では、多少のことはどうとでもなる。

 なんなら手足の一本程度がなくなっても、マリアがいる。


 グータラな聖女様だが、腕は確かだ。


『グータラって何よ!』


 悪口だけは地獄耳だ。

 いつでもどこでも飛んでくる。


『ああ、そろそろ3時のおやつかと呼ぼうと思ってた』


 こんなんですぐに機嫌が治るんだけど。チョロ子だから。

 しかし、彼女ぐらい外見と中身に乖離のある人は少ないんじゃないか。

 黙ってれば、誰が見ても超美形の清純聖女様なんだよな。


 ……おっと、また睨まれた。

 なんで、彼女はこんなに敏感なんだろうね。

 僕はただ彼女の正確な姿を思っただけなのに。

 鑑定魔法が関係しているんだろうか。



 そういうわけでランベルトのしごきは鬼なので、性格はすぐに矯正された。

 もって1時間だね。

 それで大抵は泣きが入る。


 1日もったやつもいる。

 自警団の団長であるアレッサンドロだ。


 奥さんがしっかりしていて、というかこの村の女性はみんなしっかりしていて、例に漏れず彼も奥さんの尻にしかれているのだが、見かけによらず彼は根性があった。


 え?奥さんの方がランベルトよりも厳しいって?

 奥さんの心理攻撃は激烈らしい。

 あー、ご愁傷さま。



 ちなみに、当初は僕をなめてた連中がいた。

 パンを無料で配ったり、スィーツを開発したりしてたからだ。

 僕が例の子爵をこらしめた件の後は、


『そんなことをすると領主様にいいつけますよ』


 が、みんなの脅し文句になった。

 ランベルトでさえ、


『たるんでると主がくるぞ』


 解せん。普段は僕は優しいんだけど。


『ある意味、領民から慕われていると思いますよ。以前の私のようにね』


 あ、ブーメランが返ってきた。


 まあ、僕の土魔法一つとっても我ながら凄いもんね。

 幅10m,長さ100mぐらいの道路はほんの1分ほどで造成してしまう。


 圧倒的だろうなと思う。



 なめていたというか、邪な考えをもって移民してくる奴もいる。

 商人が移民に偽装してたり。

 領民にも甘い誘いがばらまかれる。

 或いは、王家や貴族の回し者だったり。

 そういうのは移民だろうと領民だろうと徹底的に矯正する。


 そういう奴らはすぐに態度でわかるし、マリアの鑑定がある。

 特別教育が施される。老若男女を問わず。


 逃げたくても逃さない。

 逃亡防止の魔法をかける。

 ある種の懲役だな。


 1ヶ月もたつと心の底から改心する。

 すっかり洗脳させてから依頼元に送り返す。



 自警団では、剣だけじゃなく魔導銃の使用も推進した。

 以前、お祖父様にハンターとして使ってもらった武器だ。


 これは非力な子供でも使えてしかもかなり強力だ。

 あの野生牛を遠方から一発で仕留める性能を持つ。

 実用射程距離は500mぐらいあるから、この世界の中の対象物は気づかないうちにやられることになる。


 一度ターゲッティングしたら、追跡機能があるからね。

 前世の地球レベルでもチートな代物だ。


 これは、全員に好評だった。

 この銃を使いたいがために練習に積極的に参加する村人もいた。

 いつの時代でも、銃は男のロマンをくすぐる。


 なお、使用者を限定するよう銃に登録してある。

 登録者以外は使えない。

 また、練習が終わったらしっかりしまって管理する。


 この銃は、この世界のどの軍隊でも喉から手が出るほど欲しがるだろうから。

 殆ど訓練を必要とせず、小さな子供でも扱える凶悪な武器だ。

 この銃が大量配備されれば、戦局を簡単にひっくり返せる。



 魔導バリスタの練習もする。

 これも射程5km,ターゲティングした対象を追跡する能力がある。

 誘導ミサイルみたいなものだ。


 バリスタの矢は通常は特大の火矢である。

 先端には爆発魔法を仕掛けることができる。

 威力を増し、広範囲の敵を目標にできる。


 魔導銃同様、使用方法は簡単だ。

 これも使用者登録をし、管理を厳重にする。


 この時代、空からやってくる敵はあまりいないと思うが、

 僕みたいに空飛ぶ例もあるし、他国ではワイバーンによる竜騎士団を育成しているという噂もある。



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