表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

39/102

村の特産品の開発 養蜂

誤字・脱字・感想等ございましたら、遠慮なくお願いします。

【村の特産品の開発 養蜂】


 前世の日本の話しだが、母の実家がよく蜂蜜をプレゼントしてくれた。

 その地方では評判の蜂蜜屋があるらしい。


 その蜂蜜屋さんは、60歳になってから養蜂を始めて、

 数年で大規模な養蜂農家になった人だった。


 だから、僕の中では養蜂=儲かる。

 そういうことがあったから、多少は養蜂の知識がある。

 僕も養蜂を経営してみたいな、と妄想したからだ。



 養蜂は巣箱からだ。


 まずは巣枠。

 木製の枠に3本の針金を張り、そこに巣礎を貼り付ける。

 巣礎は蜜蝋で蜂の巣の形を規則正しく並べたもの。


 巣枠を巣箱に入れて、完成。



 問題は『花』。

 巣箱のそばに花が必要だが、なかなか難しい。

 だから、養蜂家は花畑を渡り歩くことがある。


 広い土地があるのだから、村民と相談して、できる限り

 1年中花が咲いているように花畑を作りたい。


 領民に聞くと、


  春はレンゲとニセアカシア、杏など。

  夏はトチノキとひまわり、そば、セージなど。

  秋はコスモス、ベロニカ、百日草など。

  冬はビワ。


 というところらしい。

 どんな花でもいいから、一面を大規模花畑にした。

 イメージは北海道の美瑛町。


『ロレンツォ、毒の含まれている蜜もあるで』


 マリアが珍しく役に立つ意見を言う。

 

『これなんか、やばいで』


 といいつつ、ツツジのような花を指差す。


『レンゲツツジや。鑑定すると“花・葉・蜜に毒、注意”と出るわ』


 マリアは城で何度も毒をもられてきた経験から、毒にはセンサーが働く。

 幸い、レンゲツツジの自生地は狭く、処分することができた。


 綺麗な花なので、もったいない。

 でも、健康や命にかかわることだから仕方がない。



 そういうこともあったけど、花畑は景観が非常に良くなり、

 カップルや家族の憩いの場ともなった。


 美瑛町には負けるが、景色百選をやれば選ばれそうなレベルだ。



 なお、ミツバチにはニホンミツバチとセイヨウミツバチがいる。

 スズメバチに勝ったりするのは、ニホンミツバチ。

 しかし、ニホンミツバチの養蜂は難しいらしい。


 それから、蜂蜜は古くからあり、水を混ぜるだけで自然に酒になるという。

 だから、前世では蜂蜜酒は世界最古の酒と言われている。

 でも、蜂蜜酒では量をさばけない。

 蜂蜜が大量に採れるわけじゃないから。

 うちはお祖父様のルートで麦酒が手に入るし、領でも酒を作る予定だ。


 蜂蝋はローソクの材料になるので、権力と結びつきやすい。

 場所によれば、蜂蜜税というのがある。うちは無税だけど。

 よその領にもってくときは注意しなくちゃ。


 担当は、アキッレが中心となる。

 例によって、持ち回りで補助担当を決めるが、

 意欲のあるものを採用して専任体制にしたい。



 なお、蜂蜜にはボツリヌス菌が含まれる場合がある。

 前世ではボツリヌス菌は世界一強力な毒らしい。

 抵抗力の弱い赤ん坊が病気になることがある。


 この世界のボツリヌス菌はさらに強力で、赤ん坊の暗殺に使われたりする。

 僕にも使われそうになり、執事がそれに気づいて止めに入ったことがあった。


 だから、僕も敏感になる。

 前世の知識で菌類についてマリアに教え、蜂蜜をチェックしてもらい、

 危なそうな菌類は弾いてもらう。またもや顕微鏡の活躍だ。


 また、レンゲツツジの例もあったから、蜜に毒が含まれていないかのチェックもお願いした。


『毒はすぐに私のセンサーにかかるからまかせてや』


 美味しいスィーツのためなので、珍しくマリアが真面目に働く。


『私はいつも真面目ですー』


 確かにスィーツが絡むと意外と真面目なんだよな。

 ある意味、チョロ子なんだが、残念聖女。


『ムキーッ!』


 ムキーってなんだよ。効果音、面白すぎるぞ。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

励みになりますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ