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死んだふり作戦

第2作目始めました。

誤字・脱字・感想等ございましたら、遠慮なくお願いします。

【死んだふり作戦】ロレンツォ8歳


 毒殺未遂後、執事ランベルトらのサジェスチョンもあり、

 死んだふり作戦を遂行中。


 僕は王家の三男だけど、城の離れに住んでいる。

 ランベルトとフィナ以外の使用人はいない。

 料理もフィナが作ってくれる。


 これは城からほっとかれているというのが一つ。

 僕たちも積極的に城の中心からは離れようとしているのが一つ。

 料理には、眠り毒を入れられ続けたからね。



 ボーっとしているわけにはいかない。

 生き残り競争は始まっている。


 能力は開発しなくちゃいけない。

 だから、図書室にこもり、読書三昧。


 寝ちゃったらどうしようと思ったが、確かに頭脳が明晰になっている。

 殆どの本を読んだことがある。

 本を見た瞬間にすべてのページを思い出すことができる。

 これ、なんとかっていう才能だな。映像記憶能力か。


 新たに追加された本を読んで見る。

 パラパラとページをめくる。

 そのまま頭脳に光景が焼き付く。


 砂に水が吸い込むがごとく、どんどん知識が吸収されていく。

 面白くて寝る暇がない。


 さすが、天才ロレンツォだ。

 前世のときは、英単語一つ覚えるのに四苦八苦だったのに。



 一通りこの世界の基礎知識を確認し、いよいよ魔法の書。

 初心者編から。


 と思ったが、この子既に魔力が発現してた。

 魔法の発動はまだできないけど。


『ふつう、魔力の発現は早くても10才ぐらいです。そんなに早く才能を見せたら、警戒されるのは当然です』


 執事ランベルトの言うとおりだ。

 天才すぎるのは不味いのだ。


 魔法初心者編のときの先生はメイドのフィナ。

 彼女は男爵家三女で一通りの教育がある。

 花嫁修業でうちにきてそのまま居着いてしまった。


『お坊ちゃま、正しい魔法のイメージと正しい詠唱。魔法の発動にはこの2つが大切です』


 詠唱は映像記憶能力ですぐに頭に刻み込めた。


  土魔法 石つぶて 小石を飛ばす

   詠唱 ボラーレ・ラピーリ

  水魔法 ウォーター水を出す

   詠唱 アグアメンティ・アクシオ

  風魔法 ウィンド 風を吹かす

   詠唱 フラーレ・ベントス

  火魔法 ファイア 種火をおこす

   詠唱 インフラマリ・インセンディオ


 イメージも、初級ならば難しいことはなかった。

 ところが、なかなか魔法が発動しない。


『正しい魔法のイメージと正しい詠唱。正しいつもりなんだけど、魔法は発動しないね』

『おかしいですね。初級魔法ですから、イメージが難しいことはありませんし、詠唱も完璧に聞こえますが』


 ひょっとしたら、と僕は考えた。

 僕はこの世界に来てから人との会話に不自由したことはない。

 ロレンツォならわかる。

 でも僕は?こてこての日本人というか異世界人だぞ。


 ひょっとしたら、翻訳スキルが備わっているのかもしれない。

 なろう系だと、そういうのが多いぞ。


 翻訳スキルによって、人の耳には発音は正確に聞こえているだけで、

本当は、この世界の言葉では正しく発音できていないかもしれない。



『困ったな。発音を訂正するにしても、僕の発音のどこが悪いのかわからない』


『お坊ちゃま、無詠唱を試みてくださりませんか。威力が極小になるだけで、無詠唱はそれほど難しいものではありません』


『わかったよ。じゃあ、無詠唱でって、そんな簡単にいくわけないでしょ』


 と思ったら、簡単にいけた。

 僕の部屋の隣の石に囲まれた部屋、そこで訓練を行っていたのだけど、

 指の先から突風が吹き荒れたのだ。


 イメージをしっかり持てば、詠唱を暗唱することで魔法を発動できる。


 暗唱は一瞬だからな。

 何しろ、詠唱文句が頭脳に焼き付いている。

 暗唱というよりも文句を思い出すだけで、魔法も瞬時に発動できた。


 確かに、詠唱してたら実際の戦闘では問題がある。

 ゲームだって、詠唱時間に攻撃されたりしてた。

 実際だったら、大変だ。


 初級ならまだしも、上級とかだと詠唱するのに1分ぐらいかかるのがある。

 そんなの、実戦だったら戦闘が終わってるか、やられて死んでるか。

 そんなのになりがちだ。使い所がかなり限定される。



 でも、風魔法のお陰で部屋の中がぐちゃぐちゃになってしまった。

 そよ風程度の呪文のはずなのに、突風が吹き荒れてしまった。


『お坊ちゃま、無詠唱の威力じゃありませんよ。驚きました。魔法上級者のようですね』


 無詠唱は通常、威力が出ない。

 大変な修業のすえ、魔法上級者がようやく詠唱と同程度の威力を身につける。



 その後、執事ランベルトやメイドのフィナと暇を見つけては、城の外にある森に出かけて魔法の練習に励んだ。城を抜け出すときは、秘密の抜け穴を使ってね。


『坊ちゃまの魔法は威力が凄いですな。ただの初級魔法が中級魔法のように見えます。しかも、無詠唱でこの威力。天才としか言いようがないです』


 イメージが強いのか、前世の知識ゆえなのか。

 いや、この世界の物理法則が前世と一緒ってことはないだろう。

 それでも、前世の物理法則とかの知識が役に立っているかもしれない。


 しかも、ランベルトはすぐに僕をおだてる。

 いいぞ、もっと褒めてくれ。


『坊ちゃま、褒めてるんじゃありませんよ。誰だって坊ちゃまの才能には驚きますぞ。私など、剣はともかく魔法には散々苦労しましたからな』


 ランベルトは剣が凄腕だった。


『坊ちゃま、剣はゆっくり体力をつけてからですな』


 まだ8歳だし。

 時々、メイドのフィナも練習に混ざるが、彼女にも負けるのは悲しい。


『お坊ちゃま、すぐに私なんか抜き去りますよ』


 慰めてくれるフィナ優しい。

 フィナはメイドとはいえ、男爵家3女だ。

 一通りの教養・武芸は身につけている。



 それと大事なことがある。

 食料の調達だ。


『料理はフィナがやってくれるとして、材料はどうしよう』

『城のものは信用できませんから、自分たちで調達するしかないですな』


『森で訓練がてら、狩猟してやりくりしましょう』


 ランベルトは元B級冒険者で狩猟はお手の物だ。

 フィナも実家は田舎で狩猟は老若男女関係なくみんなで行っていたという。


 僕も貢献できればいいんだけど。



【8歳時の主人公】※このステータスは本人には見えない。

 名前 ロレンツォ・ジョージャン

 年齢  8   性別 M   種族 ヒューマン

 HP 20   MP  50

 ○筋力  5  ○体力  5  ○速度  5

 ○知力 40  ○精神 32  ○意思 39

【スキル】

 刀   L1 格闘術 L1

 火魔法 L1 風魔法 L1 水魔法 L1 土魔法 L1

 気配察知L1 魔素察知L1 計 算 L5 翻 訳 L8

 礼 儀 L3 料 理 L3


 筋力~意思は、大抵の成人が8~12に収まる。

 50前後が人類の上限。

 ※小数まで数字があり、四捨五入した数字が表記される。

 この世界では小数の表記がない。


 スキルは、L3で一人前。L5で上級者。L7で名人。

 L8~は人外のレベル



 魔法スキルは、

 L1・2 初心者レベル

 L3・4 中級者レベル

 L5~  上級者

 L7~  特級者・名人


 とされ、『魔法効果』、『魔法範囲』、『魔法詠唱』の三つが強化される。

 魔法詠唱の強化とは、詠唱時間の短縮のことだ。

 ロレンツォは無詠唱で瞬時に発動するからあまり関係がないが、

 それでも暗唱時間がごくわずか短縮する。



 例えば風魔法の場合。

 初心者レベル 単純に風を起こすだけ。

 中級者レベル 風を圧縮したり、方向を操作できるようになる。

        風刃だと風の刃を自由自在に操れる。

 上級者レベル 中級者レベル魔法の規模が大きくなったり、

        風による結界や防御ができるようになる。

 特級者レベル 小台風クラスの大規模魔法を発動する。



ブックマーク、ポイント、感想、大変ありがとうございます。

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