15才。成人の儀~追放へ
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【15才。成人の儀~追放へ】
『これでお前も15歳になり、大人と認められることとなった。だが、残念ながら魔法の才能がない。アンジェリーナの子ということで目をかけてきたがな。王室法典により、お前は王位継承権剥奪。宮廷追放となる。爵位と領地を授けるから、そこで大人しく暮らせよ』
目をかけてきた?
僕は父とされるこの人としゃべった記憶が数回しかないんだけど。
とにかく、やっと晴れてこの日を迎えることができた。
『これで城の空気が良くなるな。今まで臭かったもんな』
『魔法のない王族なんて、ホント恥以外の何物でもないもんな』
『民衆に馬鹿にされてるようで恥ずかしかったよ』
馬鹿兄弟たちがこれみよがしに僕に侮蔑の文句をぶつけてくる。
それにしても、馬鹿次男、香水臭いな。
冷たい視線を感じながら宮廷を退出すると、
僕はさっそく荷物の準備にかかった。
『とうとうこの日がやってまいりましたな』
『荷物はお任せ下さい。しっかりと旅立ちの準備をいたします』
執事ランベルトとメイド・フィナも張り切っている。
彼等には何度も意思を確認したのだが、
僕についてくるというのは変わらないようだ。
僕は聖女様に伝える
『3日後の早朝。退出するから、前夜に変身魔法かけとこか』
『わかったで。前にもゆーたけど、賊に注意な』
うん。計画に入れてある。
僕は執事やメイドにもそのことを伝える。
『マリアからの注意なんだけど、賊がまちぶせしている可能性が強いんだって』
『くっ、そうまでしてお坊ちゃまを……』
『多分、大丈夫でしょ』
実は、すでに転移魔法陣が僕らの領地に備え付けてある。
だから、直接転移することもできる。
でも、賊を殲滅することを計画に入れてある。
今回はゆっくり領地に向かう。
荷物の準備にとりかかると言われても、マジックバッグにしまい込めるから、実質手ぶらだ。
実際に持つのは、武器とボストンバッグ程度の多きさのバッグぐらいだ。
『マジックバッグって本当に反則ですよね。引越し業で稼げそう』
『商人が垂涎の目でみてきますよ。私も冒険者時代、獣を仕留めても持って帰れず、地団駄ふんだことが何度もある。下手すると、金貨数十枚を捨てることもあります』
マジックバッグ持っている人ってこの世界に何人いるんだろう。
僕のは古代魔法だから、ひょっとしたらいないかもしれない。
『古代遺産でマジックバッグがいくつか掘り出されてます。金貨数百枚以上の価値がありますね』
数千万か下手すると億を越えるとか。
マジックバッグの魔道具作れば、すぐに億万長者だ。
もっとも、僕は金塊掘り放題だからね。犯罪っぽいけど。
セリア姉さんにも伝える。
セリア姉さんは変身魔法を覚えている。
マリアとともに、猫になって脱出する算段だ。
姉さんは、お付きのものとしてメイドを一人連れていきたいらしい。
メイドのメリッサは姉さんが小さい頃から付き従っていた人だ。
姉さんと同じラグドールでは畏れ多いとのことで、色揃いでシャムにした。
今は『タイ』と呼ばれるようになった、オールドスタイルシャム。
丸顔で愛嬌がある。
【15歳時の主人公】
名前 ロレンツォ・ジョージャン
年齢 15 性別 M 種族 ヒューマン
HP 90 MP 400
○筋力 18 ○体力 18 ○速度 30
○知力 61 ○精神 62 ○意思 60
【スキル】
刀 L5 格闘術 L4
火魔法 L6 風魔法 L8 水魔法 L7 土魔法 L8 空間魔法L8
気配察知L5 魔素察知L5 変身魔法L5 結界防御L5 身体強化L5
料 理 L5 計 算 L6 翻 訳 L8 礼 儀 L4
筋力~意思は、大抵の成人が8~12に収まる。
50前後が人類の上限。
※小数まで数字があり、四捨五入した数字が表記される。
この世界では小数の表記がない。
スキルは、L3で一人前。L5で上級者。L7で名人。
L8~は人外のレベル
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