成人までの3年間、けっこうな金持ちになった。1
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【成人までの3年間、けっこうな金持ちになった。1】
第2の洗礼式が終わり、僕は領地経営に向けて必要なものを捜すことにする。
砂糖を捜す
カカオを捜す
薄力粉用/強力粉用小麦を捜す
鉱山を捜す 金と銀、カオリン、鉄
主要なのは以上だ。
捜すのには聖女マリアの力を借りた。
彼女の鑑定魔法は超強力だ。
ミサは朝6時から午前中いっぱい。
それ以外は全くのフリー。なんてホワイト。
城からは出られないけど。
だから、昼食後マリアを猫に変身させて服のフードに放り込み、
国中を、下手すると隣国まで飛んで探し回る。
飛行速度が時速500km位出るようになったから、
3時間もあれば相当な範囲を探し回れる。
それ以上だと夕飯に間に合わないからマリアが怒る。
『あんた、猫使いが荒すぎ』
いつもブーブー文句を言う。聖女マリア。
とっくに化けの皮が剥がれて、地をさらけ出すようになった。
『今日探し出す小麦、それがあれば最上のクッキーを作れるよ』
大抵は、スィーツで釣る。
もの凄くチョロい。
『あはんは。はんはほふぃーふはひへはほはれんほうひはったは。へひひんほっへは(あかんわ。あんたのスィーツ無しではおられんようになったわ。責任とってや)』
軽口を言いながら、クッキーを口いっぱいにほおばってしゃべる姿はあんまり……
こんなんでも、(僕以外の)人前では完璧聖女。
本当に清浄なる超美形の完璧聖女。
『あれは双子のお姉さんかな?』
『あっちが本当の私。これはあんたに合わせたげたの』
ああ、そういう設定ね。
『設定いうな』
セリア姉さんにもこのことを伝えた。
国の宝(一応)である聖女様をこっそり城から脱出させようというのだ。
姉さんも救おうか。かねてから考えていたしね。
『まあ、なんて素敵な響きですこと。王宮から脱出ですって?』
セリア姉さんの食いつきが凄かった。
姉さんには結婚話が進行していて、本当に憂鬱そうだった。
『私も猫。長毛の可愛いのにしてくださらない?』
長毛は手入れ大変なんだけど。
『私、身の回りに関する魔法は得意でしてよ』
姉さんはいわゆる生活魔法の大家だ。
生活魔法と馬鹿にするなかれ。
高度な清浄魔法となると、回復魔法と同程度の魔法の緻密さが要求される。
体の表面から汚れだけを取り除くというのはとても難しいのだ。
やりすぎると皮膚がボロボロになったりする。
だから、大抵の清浄魔法は埃を吹き飛ばす程度しかやらない。
『では、姉さんはラグドールですね』
ラグドール?と首をかしげる姉さんに変身魔法をかけた。
鏡を覗き込むセリア姉さん。
『まあ、なんて可愛くて気品のある猫ちゃん』
白が基調のふわふわの長毛に、薄茶が交じる。これは姉さんの髪の色。
目はブルーで、やはり姉さんの目の色。
『気品があるのは、姉さんがそうだからですよ』
どこぞの聖女様も外見は気品があるのだが、姉さんは中身も淑女の鏡。
『イテッ』
『なんか、どつかんとあかん気がした』
その鋭さを前向きな方向でみせてくれよ。
これをきっかけに、セリア姉さんは変身魔法を覚えた。
マリアやメイドのメリッサと一緒に好きなときに猫になって遊んでいる。
マリアにも変身魔法を教えているのだが、
マリアが変身魔法を使うと、なぜか毛虫になるらしい。
『このまえ、あんたが私を毛虫にしたでしょ。そのトラウマが残ってるの!』
トラウマ? きっと毛虫が気に入ったのかな。
暇になったら、また毛虫にしてあげよう。
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