12歳 2つ目の洗礼式
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【12歳 2つ目の洗礼式】
ジョージャン王国には2つの洗礼式がある。
第1は、6歳の時。普通の洗礼式。
生き伸びたことを祝う。
この世界は幼児の死亡率が高い。
6歳まで生き延びれば、かなりの確率で大人まで成長する。
それを祝い、かつ教会に名前を登録する。
戸籍みたいなものだな。
前世の外国にもそういうシステムのところがある。
そして、第2の洗礼式。
12歳で魔法の才能を決定する式がある。
厳密には洗礼式ではないのだが、
重要性から第2の洗礼式と呼んでいる。
『お坊ちゃま、12歳の誕生日おめでとうございます。いよいよですね』
『うん、長いような短いような。魔法発現を隠し通せると思うけど』
この洗礼式で魔法がない、とわかると一生うだつが上がらない。
王族や貴族は致命的だ。
王族の法律である王室典範にも明記されている。
魔法がないものは、王位継承権喪失、王室追放であると。
王室追放は、15歳になってからである。
僕たちはそれを狙ってきた。
8歳の眠り病事件以来、ずっと魔法発現を隠してきたのだ。
『では、この白い水晶玉に手を置きなさい』
教会へ行くと、神官からそう言われる。
僕は、ステータスをしっかり誤魔化しているかどうかチェックしながら、
水晶に手を置いた。
水晶は白く光り輝き、ステータスを空中に描き出した。
『残念ながら、魔法の才能はありません』
『魔法の才能がないだと?』
『はい、残念ながら』
父である王の驚きと侮蔑の視線が僕にささる。
『何たる不名誉なことを。王室から魔法の才能のない者が出るのは前例が殆どない。このような不祥事、耐えられん』
そう言うがはやいか、王は教会を出ていってしまった。
周りのものも僕に対して、失望と嘲りの視線を送る。
僕は計画通りにことが進んでほっとしたが、この視線は不快だった。
魔法の才がないと知った兄弟たち。
そりゃ、侮辱の嵐。
何しろ、一時は僕は天才とまで言われたから。
『神の子、蓋を開ければ唯の人』
『だいたいおかしいんだよ。階級の低い母親から生まれた子供が』
『ホント、王家の恥。早く逝って』
『今日は縁起が悪い。嫌なものに出会ってしまった』
『誰か早く浄化魔法を。臭いものが通るぞ』
兄だろうが、弟だろうが、罵詈雑言の嵐。
ホント、醜い人たちだ。
いつか仕返ししてやるつもりだけどね。
【12歳時の主人公】
名前 ロレンツォ・ジョージャン
年齢 12 性別 M 種族 ヒューマン
HP 60 MP 250
○筋力 10 ○体力 10 ○速度 15
○知力 51 ○精神 45 ○意思 50
【スキル】
刀 L4 格闘術 L3
火魔法 L5 風魔法 L7 水魔法 L5 土魔法 L7 空間魔法L6
気配察知L4 魔素察知L4 変身魔法L4 結界防御L4 身体強化L4
料 理 L5 計 算 L5 翻 訳 L8 礼 儀 L4
筋力~意思は、大抵の成人が8~12に収まる。
50前後が人類の上限。
※小数まで数字があり、四捨五入した数字が表記される。
この世界では小数の表記がない。
スキルは、L3で一人前。L5で上級者。L7で名人。
L8~は人外のレベル
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