10歳、色々難しい魔法を覚えた。
第2作目始めました。
誤字・脱字・感想等ございましたら、遠慮なくお願いします。
【10歳、色々難しい魔法を覚えた。】
結界魔法を覚えた。
いや覚えたと言うよりも、城にかかっている結界魔法の発動式がいきなり視界に浮かび上がってきたのだ。
僕はいつのまにか、魔法式が見えるようになっていた。
宮廷魔導士の練習風景を見たときも、発動式が視界に浮かび上がってきた。
発動式が僕の視界を遮るかというとそうでもない。
視覚化はされるだけで、視界の邪魔にはならないようだ。
しかもだ。
僕はその発動式をいじることができる!
発動式のパラメータをいじるだけだけど、
魔導士が魔法を発動しようとすると、僕は魔法式を一瞬で書き換えて、
魔導士がへんてこな顔をしているのを見るのは楽しかった。
で、城の結界魔法なんだけど、強化も弱化も思いのまま。
僕が入り込めるような隙間をつくることもできる。
そもそも、城にかかっている結界魔法、あんまり頭が良くない。
魔法式の組み立てが甘いし、もっとコンパクトにできると思う。
そのお陰で僕は結界のかかってる場所に簡単に出入りできるのだけど。
結界魔法が一番強力にかかっているのは、城の機密部屋だ。
機密情報がたくさん置いてある。
その部屋で、最重要魔法の詠唱式と古代魔法の詠唱式を手に入れた。
驚いたのは、古代魔法の詠唱はこの世界の言葉ではない。
なんと、それは明らかに日本語だった。
翻訳したからではない。
『古代人ってどういう人達だったんだろうね』
『伝承によると、もの凄く発達した世の中だったらしいですよ。鉄の鳥が飛ぶとか、小さな箱の中で運動会をやってるとか。魔法が発達しすぎて滅亡したって話ですけど』
宮廷魔導士が話していたことがある。
彼の生涯の夢は古代語の解明だと。
彼が言うには、古代語は悪魔のように複雑で、少なくとも4つのスタイルの文字から成り立つという。
ひらがな、カタカナ、アルファベット、漢字のことかな?
3種類の簡単なスタイルの文字はなんとかなるらしいのだけど、
やたら複雑な文字がやっかいらしい。
古代魔法は伝説では凄いものばかりだ。
まさしくファンタジーの如し。
実際、やばいんじゃないか、っていうような魔法もある。
ブラックホール魔法とか。
僕は当たり前だが、古代魔法をどんどん理解していった。
文章自体はかなり難解であるものの、
言葉が理解できないわけじゃない。日本語だからね。
ただし、発動できるのは少しだけど。
でも、古代人は日本人じゃないよな。偶然だよね。
日本人の転生者がいたっていう線はあるかも。
有益な魔法もいくつか発動できるようになった。
その一つが空間魔法である転移魔法だ。
遠くの場所へ一瞬にして転移できる魔法である。
転移魔法陣が必要になるけど。
多分、この世界で転移魔法が使えるのは僕だけだと思う。
古代魔法って誰も知らないから。
僕と一緒なら、数人程度の人間もいっしょに転移できる。
執事のランベルトとメイドのフィナとで転移したら、
非常に喜ばれた。
『お坊ちゃま、マジ天才。でも気をつけてくださいね』
『まったくですな。転移魔法ができるなんてしれたら、世の中大騒ぎになります』
くれぐれも他人にばれないよう、転移魔法陣は森の奥と僕の部屋に置いてあるだけだ。森の奥は僕の魔法の練習場である。
普段、それらの魔法陣は見えないようにしてある。
見つかる心配はないと思う。
転移魔法取得とともに、バージョンチェンジしたのが飛行魔法。
前のは風魔法の応用だった。
しかし、今はれっきとした空間魔法。
随分と燃費がよくなったし、飛距離もスピードも格段に向上した。
多分、飛距離は500kmぐらい。
スピードは時速200kmぐらいはでていると思う。つまり、かなり速い。
魔力が枯渇しても2時間ほどで魔力が回復するから、
半径500km以内ならば、十分日帰りで活動できる。
それと、マジックバッグ。
転移魔法もマジックバッグも原理は似ているらしい。
両方とも空間魔法で亜空間を利用した魔法だ。
最初は普通のバッグ程度でしかなかったけど、すぐに中身無制限?と思えるような広大な容量のマジックバッグを作れるようになった。
鹿の皮の鞣し方をランベルトに教えてもらい、
見栄えも上等なマジックバッグを3つ作った。
2つはランベルトとフィナ用だ。
ランベルトにはバックパック状のものをプレゼントした。
『ありがとうございます。商売人だけじゃなく、冒険者も喉から手がでるほど欲しいマジックバッグ。極めて高価なものを頂き、感謝です。しかもえらく実用的なデザインですな』
このバッグは後年真似する人が出てきて、王国の標準的なバッグになる。
フィナには希望を聞いて、斜めがけもできるショルダーバッグにした。
斜めがけは盗難防止にも大切だ。
『お坊ちゃま、上等な鹿の皮で作ってあるから、お買い物が楽しみです!』
『2つとも盗難防止用に盗難防止魔法と追跡魔法をかけておいたよ。本人以外は利用できないはず』
あまりにもマジックバッグの容量が広大なものだから、亜空間に入れないか試してみたが入れなかった。
レベルが上がると入れると、古代魔法書には書いてある。
ちなみに数年後、亜空間にも入れるようになり、
そこにリビングセット一式を持ち込んだ。
魔法の練習もそこで行えるといいのだが、
それにはやはりレベルの向上が必要らしい。
古代魔法書にそう書いてあった。
それに、マジックバッグの中に入っても時間が止まるってことはなかった。
亜空間という特殊な空間の中に、僕の周りだけ人の生存できる普通の空間ができるようだ。
 
他に便利な魔法は変身魔法。
変身できるものは限られる。
好んでるものには変身しやすいみたいだ。猫とか。
あと、何故か毛虫とか。
僕、小学生のころ昆虫博士だったから。
なぜか、他の人間に変身するのは上手くいかない。
少し人間不信ってのはあると思う。
周りで信用できる人って、ランベルト、フィナ、母方のお祖父様一家、
それぐらいだもんね。
別人には変身できないけど、僕の親戚?程度の変身は可能だ。
これで街を出歩くのがぐっと楽になった。
今までは顔を汚したり、汚い服を着たり、服の中に綿を詰めたり、
そんなぐらいしかできなかったから。
【10歳時の主人公】
名前 ロレンツォ・ジョージャン
年齢 10 性別 M 種族 ヒューマン
HP 40 MP 100
○筋力 7 ○体力 7 ○速度 8
○知力 45 ○精神 37 ○意思 44
【スキル】
刀 L2 格闘術 L1 身体強化L2
火魔法 L3 風魔法 L5 水魔法 L4 土魔法 L6 空間魔法L3
気配察知L3 魔素察知L2 変身魔法L1 結界防御L2 身体強化L2
計 算 L4 翻 訳 L8 礼 儀 L4 料 理 L4
筋力~意思は、大抵の成人が8~12に収まる。
50前後が人類の上限。
※小数まで数字があり、四捨五入した数字が表記される。
この世界では小数の表記がない。
スキルは、L3で一人前。L5で上級者。L7で名人。
L8~は人外のレベル
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