中世の王子に転生した?
第2作目始めました。
誤字・脱字・感想等ございましたら、遠慮なくお願いします。
【中世の王子に転生した?】
僕は28歳、なろう好きのゲーマーだ。
引きこもりだけど。
いつもの通り、大好きなチョコレートとコーラを口に運びながら、
PCをオンにしてラインを繋いで……
ゲームに繋がったと思った瞬間、気を失った。
『お坊ちゃまが目を覚まされました!』
僕が目をさますと、メイド服を来た若い女性が騒ぎ立てる。
慌てて部屋に入ってくる30歳ぐらいの男。セバスって感じの。
『おお、坊ちゃま、よく回復なさいました!』
なんだか、形相が必死だ。
『この症状、眠り毒に間違いないと医者が申しておりました。私がついていながら、なんたる不覚!』
涙ながらに語るセバス(仮)。
目が覚めた瞬間に思い出した。
僕は8歳、ジョージャン王家三男ロレンツォ。
高熱が出て寝てたことを。
それに、若い女性はメイドのフィナ17歳。
執事(仮)は、本当の執事だった。名はランベルト31歳。
え、じゃあゲーマーの記憶は何?
僕は日本人だ。
ついさっき、ゲームにインしたばかりだ。
あんなに生々しい記憶、絶対夢なんかじゃない。
じゃあ、今が夢ってこと?
違う。頭の中にある記憶もとても生々しい。
僕の頭の中には2つの違う記憶が同居している。
もしかして異世界転生?
ひょっとして、あのゲームに入り込んだ?
ゲームという線はないな。
だって、ハマってたゲームって未来的なFPSだ。
ここはそんな雰囲気が微塵もない。
むしろ、中世?って感じだ。
だって、二人の格好がコスプレだ。
ボクは混乱したまま、頭の中で整理してみる。
僕は高熱が出た。
多分、毒のせいだ。
医者は眠り毒と言っていた。
毒殺されかけたのだ。
ひょっとして、この子は死んじゃった?
そこへ僕が転生した?
なろう系にもハマっていた僕はナイスな予想をたてる。
だとすると、可哀想な少年よ。
でも、僕もいきなり転生されて可哀想じゃないか?
というか、転生したのなら、女神様とか出てきて、
『好きなスキルを選びなさい』
とかニッコリしてくれるはずなのに。
まあ、細かいことはいいか。
それにしても、味見役とかいたんじゃないのか。
すると、執事のランベルトはこう答えてくれた。
『坊ちゃま、まったくの私どもの不覚。しかし、この眠り毒は本来は毒性が極めて弱く、鑑定でも毒と表示されないのです』
『それでも効いちゃうんだ』
『はい、長期にわたりこっそりと食事に混ぜるのです。体力のない幼い子どもには致命的な毒になります。発症すると、高熱が出て数日は眠り込み、そのまま死に至ります。だから、眠り毒と呼ばれています』
『食事係がかんでいたのか』
『おそらくは。先日から一人の食事係が行方をくらましております。始末されたのではないかと』
そんなのがあるんだ。
うろうろと起き上がろうとするが、体が動かない。
『まだまだ、十全に回復しておりません。しばらくはご静養なされよ』
と諭す執事ランベルト。
さっそく、メイド・フィナはお粥のようなものを持ってくる。
牛乳入りのオーツみたいだ。
嫌いじゃないけど、あんまり食の進むものじゃない。
『お好きなオーツ麦の牛乳粥ですが、病気のせいでしょうか』
心配するフィナ。いや、ロレンツォは好きだったかもしれないけど、
僕はオーツってそんなに好きじゃないんだ。
『クション』
『ああ、お坊ちゃま、お風邪を召されましたか?今は春先ですから、まだ寒いですものね。暖炉の火を強くします』
ここの天気は前世日本とあまり変わらない。
24時間、一月30日、一年360日12ヶ月。
今は3月か4月といったところ。
コタツが欲しいけど、この世界にはない。
本日は、16時頃と20時頃に投稿する予定です。
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