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本の機能

 アーノルドが2週間後に極大繁茂が発生すると言った日の翌日。私は彼がほぼ強引に仕掛けてきたゲームに勝ち、その報酬を受け取るべく例の白い空間へやってきた。現在、この空間には私とアーノルドの他、私がよく知るイグノーツにツェレンと、サヤにケイスケさんの6人がいる。


「……本当に良いの?」

「一石二鳥だろう?」


 私の問いに、異世界人のアーノルドは四字熟語を用いて返した。


 なぜ当事者である私とアーノルド以外もこの場にいるのか? そうなった経緯を順序立てて説明するとまず、前述した理由から私がこの空間にやってきて、そこにアーノルドが現れ本の機能について一対一で話そうという段階になる。けどその直前に、サヤとケイスケもついでに呼んでこいと言われたのだ。どうやら本の【所有者】である私のみならず、私と親しいサヤ達にもまとめて教えてやろうということだったらしい。


「お前は報酬としてこれの知識を求めたが、別に独占する意図があったのではないだろう? だったら二度手間にならないようにしてやる」


 いつ私がそんなことを考えたのか記憶にないけれど、独占する意思があるかと聞かれれば「いいえ」であろう私は、一旦外に出た。そしてサヤとケイスケさんと一緒に戻った時、アーノルドの隣にイグノーツと、そのコートの陰に隠れるようにツェレンがいたのである。

 かくして現在の状況に至る。


「…………」


 気になったのか、サヤがツェレンの方をジッと見た。


「……」


 見られたツェレンは、ささっとイグノーツの後ろに隠れた。おやおやという苦笑した顔でツェレンを見たイグノーツ。彼はサヤの方へ向き直り、少女の意思を代弁した。


「サヤさん、そう無言で見つめられると彼女も困ってしまいます」

「あ……ごめんなさい。私はサヤって言うの。貴方は誰?」

「ほら、サヤさんへご挨拶を」


 イグノーツが背中を押してツェレンを前に出す。恐る恐るという具合に顔を上げるツェレンと、ツェレンの反応を窺うサヤの視線が合う。しかしツェレンは口を閉ざしたまま。なかなか挨拶に踏み切れない様子で、助けを求めるようにイグノーツや私の方へ時折目を泳がせ、再びサヤの方を見ても口だけは固くくっつけていた。


「申し訳ありませんがサヤさん。どうやらまだ心の準備が整っていないようなので、この子との挨拶は後ほどで構いませんか?」


 ツェレンの様子から察したイグノーツに、今は待ってほしいと提案される。サヤもツェレンとの間に心の壁があることを見て感じとったらしく、仕方ないという風に頷き返した。


「…………そうね。それでいいわ」


 声の調子からやや残念そうな気持ちが滲んでいる。多分、色々と話してみたかったのだろう。

 ドンマイ、サヤ。ツェレンちゃんは良い子だからきっとすぐに打ち解けられるよ。


「まあ、身内でもない相手にそう易々と心は開かんだろう。段階を踏んでいくことだな」

「アーノルドさんが言っても説得力がないとは思いますが、その点についてはどうお考えですか?」

「気にしないことをお勧めするよ。人に何を言われても動じぬ優秀な精神を育てるのに役立てたまえ」

「図太い精神が優秀なものと言えるのか議論の余地がありますが、反面教師としての利用価値を率先して提供して頂いてもらった点は、形だけでも感謝しておきましょう」


(そういう会話はツェレンちゃんのいない場所でしてくれないかな……)


 一方でイグノーツ達がよろしくなさそうな会話をし出したため、傍にいたツェレンがそっと離れていく。

 可哀想に思った私はツェレンを呼ぶと、両手を広げてこちらへ招くポーズを取った。その場にいたくなかったのだろう。すぐにトタトタと走り出したツェレンは、そのまま私の両腕の中に入ってきて、安心したように収まった途端、表情が柔らかくなった。


 なんだかツェレンに信頼されているようで嬉しい。


(でもなんで私には最初から心を開いているんだろう?)


 不思議なことにツェレンは、私への警戒心が最初から見られなかった。面識もない頃よりツェレンから2度に渡って接してきたこと、いきなり自分の部屋に招き入れた時の様子などが物語っている。でも私にはそうなるだけの理由に心当たりがない。


(考えても理由は出てこないか)


「ツェレンちゃんは、私は平気なの?」


 腕の中にいる少女に優しく聞いてみる。ツェレンは私の方を見上げたあと、小さな声で答えた。


「お姉ちゃんは、お姉ちゃんだから」


 なんとも曖昧な答えだったが、上目遣いで見てくるツェレンが可愛かったので、「ありがとね」と私も笑顔を向けた。その様子を横から見ていたのか、サヤはまた残念感の滲んだ顔で呟く。


「……やっぱり姉としての経験値がある方が信頼されやすいのかしら」


 サヤは兄妹関係の妹であるのに対し、私は姉弟関係の姉の方である。その違いからくる言葉。

 一概に正解とは言いにくいけど、年下(おとうと)の面倒を見るのに慣れていたからこそ、妹みたくツェレンと接することが出来た私との感覚の差はあるだろう。ましてサヤは同性から見ても話しかけにくい印象を受けがちな雰囲気があるので、人見知りな子でなくとも臆してしまうのも十分に想像出来る。


「とりあえずサヤは、もうちょっと柔らかい表情とか話しかけやすい雰囲気を出す努力をした方がいいと思うよ」

「うぐっ……分かってるわよ」

「現時点ではイグノーツさんにも負けてるからね」

「…………努力するわ」


 自分の普段の振る舞いを客観的に振り返ってか、がっくりと肩を落とすサヤに、隣にいたケイスケさんが励ましの言葉をかける。


「大丈夫だサヤ。俺の昔の時に比べればまだなんとかなる」

「あの時の兄さんのやつと比べないでよ。あれと比べるなら殆どの状況はマシにしかならないでしょうが」


 しかし励ましとしては駄目な言葉だったらしく、逆にサヤから睨まれて萎縮してしまうケイスケさんであった。




 時間が経って場も段々と落ち着きを取り戻していく中、やっとアーノルドが本題に入る。


「ではまず、この本の機能について簡単なところから説明していこう。既に知っている情報や知識もあるだろうが、必要な前置きとして一旦は聞き流してくれたまえ」


 アーノルドは私達3人を流すように見た後、自身と私達の目の前に『異世界災害収集録』を出現させる。それは祖父の部屋で最初に見た時と同じ外見、題名のない本。


「今君たちの前に大体同じ機能を持つ同じ本、コピーを用意した。参照機能を【所有者】と同レベルにまで与えた物だから、そこのツカサと同じように操作出来る。私の指示に従って使うといい」

「参照……つまりは大元のデータベースにアクセスする端末ってことかしら。本体となる本とは別に参照機能だけを与えた代物を作れる技術があるなんて……」

「この世界の科学発展度合いも目覚ましいものだが、異世界も侮れるものじゃないだろう? さて、最初にまず表のところを読みたまえ」


 指示が来たので皆はそれに従って本の表題があるところを確認する。


「何も書かれていない、けど?」

「手で触れて魔力を流してみるといい」


 答えに対し言われるがままやってみたケイスケさんは、持っている本の題名が浮かんでくるのを見て「な、なんだ!?」と驚きを示す。それは一番最初に私も通った道で、なんだか懐かしさを覚える光景。

 その後サヤがケイスケさんに続いて実行し、最後に私が同じことをやったのを確認すると、アーノルドは口元に笑みを浮かべながら本を捲る。


「これは仕様上、魔力の使えない人間には何も書かれていない白紙の本だ。データの大部分は記憶層という内側のところに保存されていて、捲られるページは出力層、モニターでしかない。ゆえに基本状態では何も書かれてはいないし、そこへ上書きするようなことをやっても、出力と共に消される」


 メモ帳に使えるものではないと覚えておくことだ、とアーノルドは注意した。確かに、知らずにいたら分厚い自由帳代わりとして誰かに書かれていそうなもの。でもこの本はどのページを開いても新品みたく真っ白で、ちょっとペン先が滑った感じの痕跡すら見当たらない。


 隣では不思議がるような感じで本を見ているサヤ。本当にそんなことが出来るの? という気持ちのある視線。

 その思考を読みでもしたのか、アーノルドは「疑問に思うなら実際にやってみようか」と話を繋げて、空中に現れたペンを手に適当に落書きしていくことになった。


 正直、自由帳みたいに最初からその意図で作られたわけでもないノートに書くのは気が引ける。まして何百ページもありそうな本に落書きしろだなんて、頼まれてもやりたくない。躊躇する私に、イグノーツが声をかけた。


「書いてくださって構いませんよ」

「でも……」

「大丈夫です」


 許しを与えるようにイグノーツが微笑む。それで渋々ながらも散文形式で文章を適当に綴っていき、1ページを使い終わるとペンを離した。サヤとケイスケさんも何かしらを書き終わったようで、手の動きが止まっている。


「全員落書きは終わったな? ならば落書きをしたページにこの本に保存されている情報を呼び出そう。やり方は本に向けて命じるだけだ。内容はなんでもいいがそうだな……自身の情報を表示せよ、にする。口頭で言わずとも伝わるが、慣れないうちは声に出しておくのが推奨だな」


 自分の情報を表示しろ、か。どんなものが出てくるんだろう。予想は出来なくもないけど、実際にどうなるかは試したことがないので今の私は知らない。


(……『私の情報を表示して』)


 意を決して実行してみると、命令が受け取られて私がさっき書いた文章が全て消された。

 続いて入れ替わるように命令した結果の文が返ってくる。


 個体名:ツカサ 種族:人間

 個体情報:

  ZT-ZA-ZVS-FAe-MS:IVs-IR-MA-TRER-ZT-ZF

 魔力適応度:90

 親個体:

  1:ハルオミ 2:エンカ 3:なし

 所属状態:日本国民

 現在位置:地球-日本

 詳細位置:【閲覧権限なし】


(何から突っ込めばいいんだろうね、もう)


 イグノーツ達と関わっていれば彼らと私達の間に大きな価値観の差異があること、プライバシーの意識などに相当な差があることは分かっていたし、それに順応し始めている私にとってはわざわざ口に出すことでもなくなりつつある。

 最後まで読み終わり呆れ半分の気持ちに包まれた私。けれどこの場にはまだ2人、それを普通ではないと声を上げられる人がいた。


「ちょっと、なに許可もなく個人情報なんて取ってあるのよ?」

「本を使う者として身分証代わりに取ってあるだけだ。お前達が使う身分証は魔法での照合には不向きだからな。個体情報やO系魔力(オド)の吸収率データの方が役に立つ。問題があるか?」

「なあ。この『TZ』とか『ZSI』ってなんなんだ?」


 サヤがアーノルドに文句を言ってる横でケイスケが質問をすると、アーノルドは答える。


「それはお前の年齢と身長を示す文字列だ」

「俺の年齢と身長? そんなものまで記録しているのか?」

「当たり前だろう。どれどれ……お前センチメートルで176あるのか。これはこの星の人間としては大きいのか? それとも普通なのか?」

「いや、知らない」


 そんな人類の平均身長なんて一般人にパッと浮かぶ数値じゃない。

 当然の如くケイスケさんも知らないと答えた。けれどそれを聞いたアーノルドは「なるほど、普通か」と独り言を喋った。


「……こんな情報無許可で取って問題がないと思う? というか仮に取っているのだとしても、こっちの項目みたく【閲覧権限なし】にしときなさいよ。それくらいは出来るでしょ?」

「やれやれ、文句の多いことだ」


 2人の話が終わるのを見計らいサヤが抗議し直すと、アーノルドは呆れた風にため息をこぼす。でもこれくらいは出て当然の文句だと思う。

 私としても出来れば無断で取られたくないデータだし。そう思いながら彼の横に立つイグノーツの方を見た。


「本当にこれって必要なの?」


 私から質問を振られたイグノーツは、なにか言葉にするのを躊躇する素振りを見せ、けれど答えない方が悪いと感じたかのように口を開く。


「魔法の中には、体型を変化させられるものがあるんです。そういう人が本来の体型に戻る際に身長や体重はいくつだったか、体の各部位の長さはいくつかなど、記録しておかないと魔法で元に戻れなくなることが珍しくないので」

「へ、へえ……ずっと変えたままでいられないの?」

「変え続けることは可能ですけど、健康上の理由から止めた方がいいですかね」


 イグノーツによる説明はこうだ。


 『体型を変える魔法』は基本的にどんな体型にもなれるし持続力も優れている魔法である。が、本来の体型からかけ離れている体型へ変わるほど変化後の肉体への負担が強まり、様々な不調をもたらしやすくなる。一例を挙げると、背の低い人がこの魔法を使って背を大きく伸ばそうとすると、変化後の骨や筋肉などがダメージを負いやすく、回復しにくい状態になるのだとか。なので、これを解消するには魔法を一度解いて暫く元に戻る必要があった。


 しかしこの魔法は5族……変質系であるのだけど、そのユニークな長い効果時間のせいで解いてもすぐには体型が戻らないという特徴が見られた。そうなるとただ魔法を解くだけではすぐ戻れず、不調が長引いてしまう。ゆえに対処法として考えられたのが、本来の体型を記録しておき魔法を解いたあともう一度発動。元の体型にさっさと近づけてしまうということだった。


「——以上です。分かりましたか?」

「世の中、そう上手くはいかないんだね……」


 なんとも世知辛い話を聞いた気分の私。

 楽に体型を維持する手段などない、例え魔法であってもと言われたような、ガッカリ感だ。


「まあ、私達のように既に死んでいる身としては特にデメリットなく使える魔法なんですけど、ツカサさんのように生きている人が使う場合は記録を取っておいた方が安心だと思いますよ」

「生きているうちの話はともかく、なんで死後に使う前提の話が出てくるの?」

「人生は死んでからが本番です」


 そんな訳あるか!

 価値観がズレているなんてもんじゃない発言に、ツェレンを庇いながら後退った。


「クレームの受付は一旦中止しよう。これでどれだけ落書きしようと問題がないことは伝わっただろうからな」

「そうね、ついでに貴方がどういう人なのかも伝わった気がするわ」


 サヤがそう返した直後、アーノルドは「ほう?」と感心したような声と共に口角を上げる。


「ならば今後の参考にしたまえ。少なくともこれで私と関わる機会がもうなくなるなどということはないぞ。では次の機能の説明に入る。少し確認と準備がいるので、本は開いたまま待機しておくように」


 私達は本を開いてアーノルドの言う確認と準備が終わるのを待つ。かれこれ2分くらいした頃、準備が済んだと告げるアーノルドが本に触れた。


「よし、準備が出来た。では初めにツカサ、この本の題名は覚えているかな?」

「異世界災害収集録、でしょ」


 別に忘れるようなことでもないので即答する。アーノルドはそれを聞いて首を縦に振った。


「そう、異世界災害収集録だ。本の題名というのは重要なものである。中身がなんであるかを短い言葉で端的に示さなくてはならない」


 何故ならば本はただ書き記すだけのものでなく、後々読まれるためのもの。

 本を読むものは本を探す。本を探すにあたって関心がある内容のものを見つけようとする。

 などといった言葉を何行分か聞かされてから、本題に入る。


「ではこの『異世界災害収集録』という本にはどんなものが書かれてあると思う? ケイスケ」

「……異世界の色々な災害についてだろ」


 そう答えたケイスケさんに、良い答えだとアーノルドは返した。

 けれどそう言われたケイスケさんはムスッとした顔のまま。


「あのケイスケさん、どこか具合でも悪いんですか?」

「ん? あ、ああ……そういう訳じゃないよ。ごめん、そう見えた?」

「いいえ。ただ、あんまり気分が良さそうじゃなかったから。体調が悪いなら無理せず休んでいいですよ」


 気分が優れていないのに付き合わせるのもよくない。

 体調が悪いけれど何らかの理由で言い出しにくいとかで、ずっと我慢させるのも嫌だ。だから休んでもいいよと私は声をかける。でも彼は首を横に振って、


「大丈夫だよ。ちょっと気になることがあっただけだから。今はあっちの話に集中しよう」


 ケイスケさんは平気そうに笑いかけてから、アーノルドの方に向き直った。


(深くは聞かないで欲しいってことだよね……)


 どう見ても大丈夫ではなさそうだけど、これ以上詮索しないでというケイスケさんの意思を尊重しない訳にもいかない。仕方なくアーノルドの話へ意識を向け直す。


「今答えてもらった通り、この本には異世界で見聞きした様々な災害についての情報がある。それは魔力によって引き起こされるものから、魔法によって引き起こされるもの、色々なものだ。この世界で既に起こったもので言えば、魔力嵐などが記載されているだろう」

「魔力嵐……」


 魔力嵐と聞いたサヤがぼそりと呟く。

 声を拾ったアーノルドは一度そちらを見遣ったが、サヤが話を聞く中でこぼした言葉に過ぎないと判断すると、話を続ける。


「だが災害の記憶というのは風化する。どれだけ凄まじいものだろうと文章や映像のみで伝えるには限界が生まれ、災害によって生まれる音、振動、熱、衝撃など…………その場にいなければ響いてこないエネルギー、最もよく覚えておかねばならないものほど、上手に残せない。——けれどもし、それらを直に体験させられることが可能なら、これ以上にない訓練となるだろう」


 それを聞いた私は、何を言っているんだろうと思った。

 前半部分の言いたいことは分かる。人が生まれては死んで世代交代していく中で、薄れていくものはどうしても生じる。もしその中に色褪せて欲しくないことがあれば言葉や文字にして語り継いでいくしかない。それが普通のことだ。直に体験させるなんてどうやって、と。


(あ————)


 でも、この本を最初に手に取った時、私の身に何が起こったか。

 思い出してハッと目を開く私と、ニヤリと企んでいそうな表情をするアーノルド。それにまだ話を飲み込みきれていなさそうなケイスケさんと、落ち着いたまま続く言葉を待つサヤ。


「さて……既に予想がついた者もいるだろうが、君達にはこの本に備わっている機能の1つ、『災害再現機能』を体験してもらう。体験してもらうのは、これから君たちのいる場所をも巻き込む大災害、【極大繁茂】だ」


 しんと静まった空間で、アーノルドの言葉が響き渡った。

 直後に私達の持っている本に文字が浮かんでくる。


『災害再現機能、作動開始。指定災害:極大繁茂。スケールレベル3:大陸規模。再現エリア:ウチュウ-地球。発生は10分後に指定しました。10秒後に実行開始予定』


「——さあ、この本を知るついでに、2週間後の予行演習と行こうじゃないか」


 恐らく、その場にいた中で今日こうなることを想定していなかったのは、私にサヤにケイスケさん。あとは多分ツェレンの4人。

 不気味なほど大きく赤黒い10の数字が空間の中央に浮かび現れ、1秒経つごとに数値が1ずつ減っていく。それがゼロになったと同時に視界は赤と黒の2色で覆われ…………その光景がなくなった時、私達は体育館に戻っていた。


 私達6人以外誰もいない、再現された体育館に。

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