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サンド×リヨン  作者: 東海林 愛理
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強くなりたい

初めての投稿です。どうぞ暖かい目で見守って頂けると助かります。

特別な物が欲しかった。自分が強くなれる理由。ただ

それだけが欲しかった…。


私、楠木愛姫(くすのき ありす)はこの小説のヒロイン!なんちゃって。


自分が強くなれる理由を探すた為に小学生の頃から読んでいる雑誌を見て、ふと思いついた。


再来年の2月に放送される戦隊もののキャスト募集の応募用紙が今月号に入っていた。


これだ!!と思った愛姫は親に内緒で応募用紙を書き、保護者欄には隣の家に住んでいる幼馴染の(そう)の親に頼んだ。


そして、次の日の朝、学校に行く途中で郵便局に寄り、応募用紙をポストに入れた。


「っふぅ~」

と愛姫が一息つくと、隣でクスクスと笑っている幼馴染の颯が居た。


「お前さぁ~本気で受かると思ってるわけ?」

と颯に言われるのだが、愛姫の本心…。


自分は街でもスカウトされないのに応募したって当たるはずがないと分かっていたのだ。


それが丁度中学三年の春頃の話であった。


そして、受験シーズン真っ只中の10月。


愛姫が応募してから約半年の事である。


自宅に戻るとポストの中には一通の茶封筒が入っていたのだ。


裏面を見てみると芸能事務所の名前が書いてあったので家の中に入り、中を開けてみると1枚の紙が入っていたのだ。


それはなんと、採用か不採用か書かれてある紙だった。


──楠木愛姫殿──

「えっ?こ、怖いな……」と呟きながらも名前の後の続きを読んだ。

──この度、楠木愛姫殿は採用致します。──


「えっ?えええええ?」


驚きが隠せず家の中で1人大声を出してしまったのである。その声は隣の部屋にいる弟に聞こえていたらしい。


「ねーちゃんなした?」


と愛姫の部屋のドアをノックする。


自分の驚いた声がそんなにも響いていると思っていなかったらしい。


「あぁ、ううん、何でもないよ」


と一応部屋に入ってこられるとバレてしまうので何も無かったかのように返事をしたのであった。


その次の日の朝に偶然を装い幼馴染が登校する時間に合わせて家を出る。


颯を見掛けると後ろから、


「そ~う~!!おーはよっ」と声をかけ、肩をトンっと叩いた。


あまりにも朝からテンションの高いことに驚きを隠せない颯。


「お、おう」


そして、嬉しそうに鞄から封筒を出し、颯に見せた。


「ねぇ、受かったよ!」


と愛姫が言うと、そのまま封筒の中身を見ずに封筒を愛姫に渡した。


「良かったな、」


と一声かけてそのまま先に歩いて行ってしまった。


封筒の中を見なかった颯に対して何故見てくれなかったのか不思議に思った愛姫。


勿論受かるか受からないかなんて分からない。


受かったことに対して納得してなかったのかと思ったが追求はしないことにし、封筒を鞄の中にしまい、学校へ向かう。


教室に着くと丁度チャイムが鳴った。


「危なかった~」


と言いながら席に着くと後ろの席の愛姫の友達の優羽(ゆはね)が声をかけてきた。

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