いじりにだって、限度は有る。
私の名前は、西嶋にしじま 夏音なつね現役女子中学生です。同級生の男子が少し苦手
すぐ下ネタ言うし、すぐセクハラするし最悪。大人になったらまともになるのかな。
そんな私にも親友がいる。徳重とくしげ 礼佳あやか政治に興味のある腐女子。
幼い頃からアニメや漫画の話をして盛り上がる友達である。最近になって政治に興味を持って、SNSで発信してる。私と結構思想は違うけど、、、、
あ、そうそうこの学校一有名な男子がいる。日比ひび 覚さとる。生粋の政治好きで、めっちゃ語る。
他の男子と違ってあまり下ネタやセクハラは言わないけど、話が長いので有名。最近は挙動不審になっており、少し不安。でも私は政治に興味があるから、彼とよく話す。最近の討論内容はジェンダー問題。とても知見が高く、頷かざるを経ない。
第一章 それは、侮辱だよ?
朝、教室にいく。だけど、なぜか学校に行くのに足取りが重い。
「おっぱいでか!」
これはいつもの光景だ。男子がいきなり話しかけてくる。胸がでかくても痛いだけなのに、どうしてそんなことをいきなり言えるのかわからない。
たまに女子でも言ってくる子もいるけど、それでもオブラートに包んでる。男子はストレートすぎて嫌だ。あんたらは槍を刺すのが趣味なのかと問いただしたい。
「あの男子うざいよねー」これもいつもの光景。もはや日常過ぎてなれた。これでも昔よりは改善したらしい。ほんとにうざい人間しかいなくて疲れる。
「おはよー」
礼佳ちゃんがやってきた。これで多少はメンタル持つかな。しかし男子ってほんとに子供っぽい。なんでなのか神様教えてほしいぐらい。
でも、例外もいる。
「先生。やはりこれは道徳教育の欠落によって、この学校の精神衛生上の問題は悪化しており、、、」
そう漏らすのは覚君。先生も同意しつつ、難しいよね。と言っている。やっぱり面白い。
「ねーねー」そう女子に話しかけられる。やっぱり男子うざいって話だ。
確かに男子はうざいけど、あんたらも言いすぎて聞きたくない。やっぱり女子も子供だな。男子よりマシだけで。でも言い出せないのがやっぱり辛いものだ。
「ほんと男子って糞。一度あそこ潰されてほしいわ」
ほら。こういうの嫌だ。私自身もそうだけど、その場で良くないって怒れないのは悔しいし、ホントは怒るべきなのに怒らないのはなんでなんだろう。
そして朝のホームルームが始まり、出席確認が始まる。
「はい。今日は全員出席しましたね。次の授業は技術です。いってらっしゃい」先生の最後の言葉が終わり、教室を移動する。
そんな感じの生活をいつも繰り返している。
家に帰ったらお父さんは忙しいからいないし、お母さんもパート。ずっと暇で、退屈だ。たまに遊びに行くけど、それでも回数少ないと感じる。
だけど今日は一週間に一度の金曜日。そういうわけで友達とゲーセンに行った。
「楽しかったね。また夏音ちゃんと一緒に行こうね!」
そう礼佳ちゃんと話す今日。いつも癒やされる。
翌週の月曜日。今日は、道徳の時間だ。だけど、少し様子が異なる。
「今日は、人間を尊重、尊敬するとはどういうことか勉強します。」
担任の先生の声だ。周りを見ると、女子の中で軽く騒ぎが起きている。
(今なら、男子に言えるかもしれない)全体の一割の女子はそう考えていたはずだ。
先生は続けてこういった。
「今まで言われて嫌だったこと、言われ続けて嫌だったことをいってください」
一人の女子が声を上げた。
「なんか、男子が下ネタを言うのを聞いてるのが少し辛かったです」
言ってることが違うだろ。と男子が反論する。
先生は、黙っている。覚君は、、、笑っていた。
覚君は手を上げた。
「下ネタの内容にもよりますが、例えば実在の人物を対象にしてあれこれ言うのは、やはり失礼な行為であると、言えるかと思います。特に聞こえるように言うのは。」しーんとする。
先生は答える。
「そうですね。そういった行為は、相手を人として尊重した行為とは言えませんね。思う分には自由ですが、口に出すのは失礼と言えるでしょう」
男子が手を上げて反論した。
「先生それは違いますよ。下ネタのレベルにもよりますが、軽度なものであれば、いじりとして認められるべきです」
先程の女子が手を上げてこういった
「そのいじりが辛い人間もいる。ということだと思います」
先生は頷いた。
しかし、先程の男子は気に食わないようだ
「相手がそれを心から許していたら、それでも駄目なんですか?」
更に女子がこう返した。
「相手がいいと思ってるのであれば、それは笑える話として許されるべきです」
そこで相手はうろたえたのか、手を挙げなかった。
昔お母さんに言われたことが有る。
「いじられるってのも幸せなことなんだよ。いじられない方が辛いんだからね。贅沢な悩みだよ。」
本当にそうだとは、私は思わない。尊重の上に、いじりがある。相手が辛いかどうかを見抜けない人に、いじる資格はない。
いじられるのが好きな人もいる。むかつくけど許せる人もいる。でも、そうじゃない人もいる。どんな話し合いであれ、相手を見て話すことが、大事なはず。それを再確認できた気がする。